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第十九話:塞翁が、馬?




 退屈、退屈、退屈退屈退屈退屈…鯛と靴…。



「鯛が靴を履いてる…?」




 ………はっ!?あまりにも退屈過ぎて、意味の分からん事を考えてたよ。



「しかし、暇だなぁ…。…あ、そういえば、日陰が何か面白いゲームだからって、ハードとカセットを置いていったな…」




 何なに?『燃えろ!?デーブインパクトの馬主は君だ!!』



「…変なタイトル…」



 えっと、つまり…馬を作るゲームか?ほう、そして、自分の馬を競馬に出して賞金を稼ぐのか…。



「えっと、とりあえず…日陰のデータを使うか…」




 ジャジャーンと盛大なBGMが鳴り、無意味に凄いCGグラフィックが画面に写しだされる…。




「…何だ、これ?日陰様牧場!?」



 日陰のセーブデータから始めた俺。しかし、ロードを終え、出てきた画面には『日陰様牧場』という名前の場所にいると書いてあった。何というか…あいつのネーミングセンスを疑う…。



「とりあえず、馬を買ってみるか…」




 『馬を買う』というコマンドを押す。画面が変わり、何やら変なじっちゃんが語りかけて来た。



「た、高い?3千万円?う、馬1匹でこんなにするの…?」




 この馬を売るお爺さん、曰く…3千万の馬を買えという事らしい。高い…。いや、確に、この日陰のデータは金を沢山持っている。持っているが…高い。




「こっちの、3百万の馬で良いや…」



 あまりにも、高かったので俺は3百万円の馬を買う事にした。すると、『ちっ、貧乏人がっ…』とお爺さんが暴言を吐いていった。…なんて、ゲームだ。



―――――――

―――――

―――

――






 ゲームを始めて4時間…。だいぶ、ゲームに慣れてきた。


 この間、俺が育てた馬は2匹…。名前は勿論…桜子と柊だ。



 いや、実際にはカワユイサクラコとプリティヒイラギと言うのだが…。いや、分かってる、分かってるよ?確に、俺のネーミングセンスもどうかと思うが…。



「だって、本当の事だもん!!」




 さて、ダービーだ…。競馬の世界のワールドカップ、もしくはオリンピック…それが、ダービー!!我ながら凄いと思う。ゲームを始めて数時間…。たった数時間でゲームの佳境に差し掛かっているのだから…。



「うふふっ、スゲェぜ、カワユイサクラコ!!君は、もうダービーに出場出来るまでに成長したんだね…。しかも、ダービーにて一番人気!!」




 あぁ、やっぱり。カワユイサクラコは素直な子なんだ。いつもは、俺に厳しいけど…やっぱり、俺の事を…あはっ、あはははははーっ!?


『ゴォォォル!!何と今回のダービーを制したのは…ナニヲショット!!ナニヲショットだぁぁぁっ!!』




「なにぃぃぃいっ!?」




 ウォォォッとテレビから大音量の歓声が聞こえる。そして、ゲームの実況がダービーを制したのは『ナニヲショット』という馬だと告げていた。




「あれ?カワユイサクラコは?あれ?」




 信じられない…。一番人気の馬だったカワユイサクラコ…。それが、負けただと?


「ふざっ、ふざけんなっ!!何だ、このナニヲショットとか言う駄馬はっ!?」



 ナニヲショット…ナニヲショットだとぉっ?…げっ、最低の人気じゃん…大穴じゃん?なのに、俺のカワユイサクラコが負けたぁっ!?うそだ、嘘をつくなぁぁっ!!



 …あれ、画面が変わって…あっ、最初の馬を3千万で売りつけて来たじいさん…。



『ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ…。だから、言ったじゃろ?この馬を買えと…。何じゃ、その駄馬は?ひょーほっほっほっ!!まぁ、どんな馬もワシのナニヲショットに勝てる訳ないがなぁぁっ!!』




 ジジィィィイッ!!テメェ!!ぶっ殺す!!ふざけんなっ!!俺のカワユイサクラコを馬鹿にすんなぁぁあっ!!




『ひょっひょっひょっ!!何なら、別の馬で勝負するかね?』



 ぐぉぉぉぉっ!!上等だぁぁぁっ!!後悔させてやるぅぅぅうっ!!行けぇ、プリティヒイラギィィイ!!




―――――

―――

――




『ふぉっふぉっふぉっ…。口程にも無い。馬主が馬主なら馬も馬だなっ…!!』




 悔しい…。くっ、ボロ負けだっ。全く歯が立たない。クソッ!!



「クソッ、不本意だが…。日陰の育てた馬で!!」



『ふぉっ?まだ、勝負をするかね?良かろう、だが次はお互いの全財産を賭けた勝負だ…。負ければ相手に全ての財産を譲る…良いなぁっ!!』




 知るかぁっ!!全財産だろうが、何だろうがカワユイサクラコとプリティヒイラギはやらん!!…勝つ、ぜぇったいに勝つ!!




 強い馬、強い馬…。おっ、スタミナ・スピード・パワー、全て完璧?何てポテンシャルを持った馬なんだ…!?




「よぉぉし、コイツで…勝負だ!!」



 日陰の馬とナニヲショットがゲートにはいる。ぱっ、ぱっ、ぱっとカウントが始まり…スタート!!




「よし、日陰の馬がリード!!」




 バカラッ、バカラッ、バカラッとナニヲショットの前にでる日陰の馬…。強い、強過ぎる!!何て馬なんだ…?どんどんナニヲショットを引き離して行く…。




「スゲェ…スゲェよ、日陰ぇ…!?」




 さぁ、最終コーナーを曲がる。ラストスパートだっ…。ははっ、でも、勝ったも同然だな?だって…あんなにもナニヲショットが離れ…えっ?




「なっ?なにぃぃぃいっ!?こ、こいつ今、ワープ…ワープしたぞ!?」




 有り得ない…。なんてゲームだ!?不正を、不正をしやがった!!



 ワープをして、一気にゴールに近付くナニヲショット…。



「ふざっけんなぁっ!!カワユイサクラコの時もコレをやりやがったなぁっ!!」



 接戦…。ワープをしてゴールに近付くナニヲショットだが…日陰の馬も負けていない。こちらは、正攻法で走ってきたため疲れがみえる…だが、負けない。ダダダダダッとさっきよりスピードが上がる。何て強い奴なんだ!?クソ〜、なんて健気に頑張るんだよ、この馬は〜っ!?



「頑張れ、頑張れ頑張れ!!…おっ?おおぉ!!やった、勝った!!やったぁぁぁっ!!」




 勝ったのだ。不正をしてきたナニヲショットとその馬主のジジイ…。しかし、勝った…何て馬なんだ。強いぞ、いや、マジで強い、ワープした馬より速いなんて!!



 ウォォォッと歓声が大音量で鳴り響く…。そして、実況がアナウンスをする。



『なんと、勝ちました!!勝ったのです!!なんという事でしょう。あの、あの非道の馬主、阿久篤に日陰様牧場が勝ったのです!!』




 な、何て実況をするんだよ…。しかし、ストーリー仕立てだったのか…。



 ふひーっ、と一息をつく俺。よく分からないが、このじいさんに勝つ事がゲームクリアーという事らしい…。盛大に花火が打ち上げられ、パレードみたいなものが画面に写しだされる…。



「な、なんて無駄なCGグラフィック…」




 しかし、満足感が俺を心地よくする。変なゲームだったが、クリアーするとそれなりに良いゲームと思えてくるから不思議だ…。


「しかし、日陰の馬…。強い馬だったなぁ…。何て名前だったんだ?…え〜と…」




 ラブラブナツキ…!?

 こんにちは。

 今回は競馬ゲームのお話…。しかし、私はその手の物に詳しくなく、知っている方から見ると『いや、違うんじゃないかな?』というご指摘などがあると思いますが、とりあえず、流して頂けると幸いです(笑)




 さて、第十九話目…。少し、新しい?手法にチャレンジ!!兄しか出てきません。ゲームにツッコミを入れてます。…兄、本当に暇なんだね(笑)



 しかし、この話を見る所、兄は競馬に少し詳しいみたい?有馬とか菊花とか…、少なからず買ってそうです…?




 では、今回はこの辺りで失礼致します。ありがとうございました。



 塞翁が馬の意味…、人生何があるのか分からない、と解釈…?

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