番外:桜子の心情
皆さん、こんにちは。私の名前は、空海桜子と言います。
私には、2人の兄弟がいます。1人は妹なのですが。とても、可愛らしい妹です。頭も良く、気が利いていて、もう、可愛いの一言です。
…あと、一番上に兄がいます。……まぁ、そいつは置いときましょう。話たってくだらないですから…。
「たっだいいまぁー!!」
くっ!!…はい、そうです。これが兄です。馬鹿です。アホです。スケベだし、優柔不断だし…あと、ネクタイをいつもだらしなく締てるし…そのくせ、料理は上手なのよ?炊事、洗濯、掃除に裁縫…全て完璧。むぅ〜、…ルックスとかも悪くないし…。てか、むしろ何かキラキラが見えるし。…とにかく、何か苛つく!!
「うっさい!!ただいま、ぐらい普通に言えないの!?」
「ひゃっ!?ご、ごめんなさい…」
むぅ〜。何よ、何をそんなにビクビクしてるのよ!?そんなに私が嫌か?そんなに私が嫌いかぁっ!?
「馬鹿兄がぁっ!!」
たく、何よ。いつも、いつも、私に対しビクビクして…。柊には、あんなに可愛い、可愛いってしてるくせに…。
「ひ、柊…。桜子、今日なんかあったの?」
「いえ、兄が帰ってくるまで普通でした」
「えっ?俺?原因は俺!?」
「かもです…」
…むぅ。また、2人だけで会話してぇ。仲が良いなぁ、もう。むぅ、何を話してんのかな?
「むむむっ、桜子は俺の事が嫌いなのだろうか?」
「うぃ?嫌いではないかと…」
「えぇっ!?嫌いでしょ、あれ?いきなり、怒鳴るんだよ?…むむむっ…とにかく、好きになって貰う方法を考えねば…」
…聞こえない。何を喋ってるのかな?…えっと、好き?嫌い?そうじゃない!?なんの会話かな?…はっ!!まさか…
『柊、お兄ちゃんの事好きかい?』
『はい、大好きです』
『そうか…じゃあ、今夜…』
『そっ、そんな…兄、恥ずかしいです』
『柊、俺の事好きなんだろ?』
『…はい…』
『じゃあ…』
『はい』
きゃぁぁぁあっ!?駄目ぇぇぇえっ!?な、なななな、何を、何をやっているのよぉぉっ!?
「こぉぉのっ、馬鹿兄がぁぁぁあっ!!」
「へっ!?…えっ?えっ?…ひっ、ぎゃいぃぃぃぃいっ!?」
この馬鹿兄が、馬鹿兄が、馬鹿兄が!!何を妹に強要しとるかぁぁあっ!!
「姉っ!姉っ!!姉ぇえっ!!」
「はっ!?柊?…あっ」
また、やってしまった。また…暴走してしまった。私にボコボコにされてしまい、お兄ちゃんはピクリとも動かない。
「あぅ〜…どうしよう?」
ただでさえ嫌われている?というのに…これじゃ、ますます、お兄ちゃんに嫌われてしまう…。
「…姉。姉は兄の事が…嫌い?」
えっ?何で?何でそんな事になるの?
「えっと、き、嫌いじゃないよ?…な、何で?」
「うぃ。兄が自分は、姉に嫌われているのではないか、と心配していたから…」
えっ?うそ?…心配をして、くれてた?私に嫌われていないかを…?馬鹿…。嫌いなはず、ないのに…。
「ううっ?」
「あ、兄が気付きました!!流石、兄です。直ぐに気が付きましたよ、姉…」
「お兄、ちゃん…」
そっ、とお兄ちゃんの頭を抱きかかえる私。久しぶりに、お兄ちゃんの顔を間近で見た。やっぱり、かっこいい…。
「はっ…」
「お兄ちゃん…」
「ひぃ、ひぃぃぃぃぃぃい!!」
「はっ?」
「うぃ?ちょっ、兄?私の後ろに回らないで下さい。うぃ!?どこを触って…」
「鬼が、鬼がお兄ちゃんを食べにくるぅうっ!!」
…鬼?
「うぃ!?あ、姉…?あ、兄はただ錯乱しているだけで…。兄ほら、謝って…はやく、姉に謝罪を…」
この…
「きゃぁぁっ!?ごめんなさい、ごめんなさい」
馬鹿…
「……ひっ?…さ、桜子、さん?」
「このっ、馬鹿兄がぁぁぁぁっ!!」
こんにちは。
この番外は、桜子にスポットを当ててみました。
結構、色々と考えていますね…桜子。兄に対して厳しい部分があるのですが、これは愛情の裏返しでしょうか?勘違いも何かあらぬ方向に…。
まぁ、何にせよ。意外と…いや、結構、兄大好きっ子?愚痴が途中から褒めになっている辺りとか(笑)
では、今回はこの辺りで失礼致します。ありがとうございました。
とりあえず、空海家は暖か家族!!