バルディアス討伐作戦
第十六話、再編集しました!
第十六話 バルディアス討伐作戦
泥土となった地面にはいくつもの足跡がインデール・フレイムの正門から数キロ離れた洞窟へと続いている。
その場所は初心者ハンターたちにとっての試練場となる、アルヴィアンとインデールとの道を繋ぐ洞窟、レイスグラーン。
緊急召集の目的として名を上げられたバルディアスが発見されたのは、レイスグラーンの深奥。未だ上級ハンターたちでさえも足を踏み入れたことのないとされる、地図上にもない鍾乳洞に囲まれた未確認地帯だった。
そして、人が歩いて通るほどの洞穴がいくも存在する迷路のような場所であり、謎が多い事から、危険度は最高クラスの『S』と依頼書にはそう書き記されていた。
Sランクという情報は、下級ハンターたちにとっては酷な知らせだった。そのために、危険を承知でバルディアスを討伐するべく都市インデール・フレイムの上層部は上級ハンターたち選別し、調査へと向かわせたのだ。
だが、その翌日。
全上級ハンターの死亡。そして、そんなハンターたちのトップでもあった雷僕のライザムは死体となって帰ってきた。
レイスグラーン、入口前。
いつにも増して只ならぬ重い空気が漂う中、下級ハンターたちは戦闘の準備を怠らないように各自で武器や防具の状態を再度確かめている。
その顔には一つとして余裕はない。不安と緊迫。その二つの心中を渦巻いていた。
だが、そんな空気の中で、六本のダガーを携える一人の少女。美野里は大きな声を上げ、一人の男を睨んみつけていた。
「なんでダメなのよ!」
「……だから、さっきから言っているだろ」
彼女の前に立つのは銀色の防具に身を包んだ細剣使いの男。
その名は、プリーチャイル。
下級ハンターたちの中でも上位のクラスを持つハンターの一人だ。プリ―チャイルは眉間を皺を寄せながら、声を荒げる美野里に対し、溜め息を吐く。
美野里は自身から洞窟への探索、その一番手の班を選択した。
その事に関して、向こうも了承し、とくに問題は見られなかった。だが、そんな美野里にとって、どうして納得のいかない事があった。
それは、レイスグラーンに入るにあたっての班の編制についてだ。
未確認の地であるSランクの深奥。
無数の洞穴が存在する鍾乳洞に包まれた地形を進むのに対し、考えも無しに突入することは無謀と判断した上層部は、下級ハンターたちで班という編成を作り、各班に分かれて捜索をせよという指示を出した。
発見を考慮しても、そちらの方が効率が良いと考えたからだ。
そして、上が出した班の選別には、上位と下位のクラスを固めて作る決まりになっていた。
美野里自身、一番手に行く事を掛け合ったことから上位の班に選ばれ、何個もの依頼をこなしていたアチルも同じ班に選ばれる。
そうなるはずだったのだ。
それなのに、
「納得できるわけがないでしょ! 何でアンタの勝手で、班分けの決め方を変えられなくちゃならないのよ!!」
アチルは美野里とは違う、後方の班に選抜されてしまった。
それも、プリ―チャイルによる独断によって…。
一緒になれなかっただけで怒るのは我儘にも見える。
だがしかし、今回の緊急召集には何か裏があると数時間前にルーサーからも告げられていた。
さらにライザムの死にモンスターだけでなく人間が関わっている事を知りつつ、こうしてアチルと分かれる状況に陥ってしまった。
危険と分かっていながら、側にいられない。その事実に美野里は必死に抗議の言葉を言い続けた。
だが、プリーチャイルはそれを許可しない。
「よく考えてみろ。上位ランクのハンターだけのチームを作ってそれ以外のハンターたちがもし仮にバルディアスに接触したとすればどうする? 見つかり、襲われたとするならその者たちの死は確実だ。それこそ多くの上級ハンター達………いや、ライザムの二の舞になることがわからないのか!」
「っ、でも、それはッ!!」
「…それは?」
彼の疑うのような眼差しに、美野里の言葉が押さえ込まれる。
ライザムの死には裏がある!! その場で美野里はそう言葉を叫びたかった。
だが、それを言ってどうなる? この不安が入り交じる空間でその言葉を言えば、ハンターたちの混乱は生まれ、さらには味方同士での警戒や不信感、最悪の場合は暴動が起きてしまうかもしれない。
どうすることもできない…………。割り切れない思いに歯を噛み締める美野里は拳を硬く握り締める。
だが、その時だ。
そんな美野里の手を優しく包むように――――――後ろからやってきたアチルが、そっと手を握り締めた。
「っ!?」
「大丈夫ですよ、美野里」
「………………アチル?」
驚いた表情で振り返る美野里。緊迫とした空気が漂う中で、彼女―――アチルだけが穏やかな表情を浮かべ、優しげに口元を緩ませていた。
そして、悔しげな表情を浮かばせる美野里に対し、彼女は言った。
「これでも私は魔法使いですよ? ……友達を置いて、先に死んだりしません」
その瞬間。
その言葉を聞いたハンターたちは自然とした流れに誘導されるように彼女を見つめる。
美野里もまた目を見開いた状態で驚きを隠せずにいた。
だが、対するアチルは視線が集まる中でも、ただ一人微笑んだ。
嘘一つない、いつもと同じ顔を浮かばせていた。
レイスグラーンの内部はいつにも増して冷たい空気を漂わせていた。
まるで、バルディアスという高ランクのモンスターに侵入されたことによって、その空間そのものが熱を下げ怯えているようだった。
下級ハンターたちは、班の編成に従い、四人のフォーマンセルを作り行動する
前班が深奥に進み、その後に続くように後班も進み、最後の班が洞窟出口で武器防具、道具屋に鍛冶師たちの到着を待つ流れに話しは落ち着いた。
そして、先に進む前班と後班は穴埋めをするように洞窟内に広がる迷路を一つ一つ、着実に攻略していこうという計画に従い、行動を続けていた。
アチルの説得に気を落ち着かせた美野里は他の班に入り、洞穴の一つを進んでいる。
その一方でアチルは今、数人の男たちの前を歩き、その中にいるプリーチャイルの姿を横目で見つめながら暗い深奥を歩いていた。
光のない、その道は暗い。だが、真っ暗な視界を助けるように、彼らの腰には光を放つ鉱石・ライトリーがあった。
以前、美野里がライト代わりに使っていた鉱石だが、彼女のように工夫をしている訳ではない。
男たちは、数分に一回と鉱石に衝撃を与えて光を出させていた。
(面倒なやり方ですね…)
アチルは自身の魔法を瞳に掛け、暗闇でも見れるよう視界を特殊なものにしていた。
後方で何度も石を叩く彼らを確認しつつ、慎重に足取りで洞穴を進む。そして、歩くこと数分が経った頃、洞窟のように長い洞穴はついにその道を終わらせ、アチルたちは今までとは何かが違う広い空間を前に出ようとしていた。
だが、その直後に、
「止まってください」
抜ける一歩手前でアチルは手を横に出し、後ろにつく男たちを制す。
男たちは直ぐに光りを放つライトリーを後ろに隠し、目立たないようにしてから彼女の側に近寄り、その広い空間へと視線を集中させた。
自身達の足音が消え、何もない静けさがその場一帯を支配する。
しかし、その次の瞬間。
ドン!!!!!!!!!! という地響きにも似た強烈な音と共に、その広い空間に巨大な影が姿を現わす。
その場は一瞬にして、緊張感と恐怖に包まれた。
彼らは黒い影とその音に怯えた様子を見せている。だが、アチルに至ってはそれ以上の感情が重圧のように、全身にのし掛かっていた。
頬に伝わる汗を感じながら、唾を呑み込む、アチル。
魔法によって強化された瞳が、その暗闇に隠れていた存在――――――モンスターを捉えた。
『ガウアアアアアアアアアア……』
足を一歩、踏み出すだけで振動が伝わる。
巨大な鋭利の爪を生やした四つの足を使い歩み続け、地面に擦りながら背中から先へと一列に棘のつけた長い尾を振わせる。
その顔の形はまさに凶暴と言える、ドラゴンを想像した顔だった。
その名は―――――バルディアス。
トカゲの変異種として予想されているが、他のモンスターと比べて、何かが違う。
ただのモンスターではないような、異様な殺気と重い威圧感を纏わせていた。
「あれが、バルディアス…」
アチルはその姿を再確認し、唇を紡ぎながらその動きを観察する。
バルディアスは周囲を見渡しながら歩き続ける。自身の尾で岩を叩き落とすと直ぐに顔を振り向かせ、何もないことを確認する。
周囲を気にすることから警戒心の強い雰囲気を醸し出していた。
そして、不意に一瞬と、アチルたちのいる方角を向ける。だが、直ぐに首を戻し、周囲に危険がないことを理解したバルディアスは小さな唸り声を漏らし、自身の体が通り抜けられるような洞穴を利用して、その場を去って行った。
「…………………」
バルディアスがいなくなったそこは、まるで嵐が去ったようだった。
アチルは大きく息を吐き、額に溜まる汗を服の袖でぬぐい取る。そんな中で、危険が去ったことに加え、逃がすわけにはいかないと思ったのか、プリーチャイルが彼女の横を通り過ぎようとした。
「ま、待ってください! このまま近づくのは危険過ぎます!!」
アチルは叫ぶと同時に、後ろに立つもう二人の男たちも両手で制しさせた。
数分間という時間の中で、間近で確認した凶暴モンスター、バルディアス。その詳細は詳しく知らなかったが、直に確認して、あれほどの巨大な体を持っているとは思わなかった。
体から漂わせる殺気と威圧。遅い動きの四足だが、それが本当の移動速度なのかどうかわからない。
攻撃パターンも不明だ。
ここで下手に動いては、より一層危険が増す……。そう判断したアチルは、彼らの動きを止めた後で、その場にしゃがみ込む。
そして、固い地面に向かって右の手のひらをかざすように突き出した。
その瞬間、淡い藍色の光が手のひらの中心から湧き出るように溢れ、纏いつく。
「一度、ここで皆に今見た情報を伝えます。動くなら、それからです」
アチルは自身の記憶を映像として、皆に知らせるために魔法を使用する。
だが、このレイスグラーンの地にいる全ハンターに伝えるのには圧倒的な時間と魔力が要する。
暗い空間の中、着実と事を進めるように淡い藍色の光だけがその場を明るく照らしていく。
魔法という見慣れる光景を見つめるプリーチャイルは大きく溜め息を吐きながら、後ろにいる二人の男たちに目配りを送った。
そして、バルディアスの後を追いかけようと事前に鞘から抜き取っていた細剣をゆっくりと地面に下ろし、魔法に力を注ぐアチルを背を守るように、近づき、歩み、
ブシュッ―――! という音と共にアチルの背中から心臓目掛けて、細剣を突き刺した。
その瞬間。
その場一帯に赤い液体が飛び散り一人の少女は全く抵抗できずに地面に倒れる。
地面には真っ赤な血液が雨の日に溜まった水溜りのように広がり続ける―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――そうなる、はずだった。
バァイン!! という音がその場一帯に大きく響き渡る。
「ッ!?」
突き刺したはずの細剣の剣先は弾かれ、刀身は振動を与えたように大きく震えている。
例え大剣や普通の剣とは違う細剣だったとしても、肉を切り裂けるだけの切れ味は存在していたはずだ。
それが、何故――――通らない!?
驚愕の表情を浮かべるプリーチャイルの視界で、純度のある水色のオーラ―を纏うアチルはゆっくりとした動作で膝を伸ばし、立ち上がる。
そして、ぼそりとアチルは言った。
「どうやら、美野里たちの考えは正しかったようですね」
次の瞬間、水色の光がさらに眩い光を放つ。
プリーチャイルは咄嗟に後ろに飛びのき、他二人の男たちも同じようにその後に続き、広い空間へと逃げた。
その光の放出が威嚇だったのか、それともただの輝きだったのかは分からない。
だが、男たちが間合いから出た事を確認したアチルは、自身に纏うオーラの力を次第に弱まらせ、消失させる。
そして、体の向きを変える際に揺れる前髪の裏で、鋭く光った青い瞳がプリーチャイルを睨み付ける。
「……ッ!」
「…本当なら、このレイスグラーンの深奥で主犯の人たちが待ち伏せをしていると思っていたんですけど、まさか後半のハンターたちの中にその仲間がいるとは思いませんでした」
アチルは言葉を続け、腰から魔法剣ルヴィアスを抜き取り剣先をプリーチャイルへと向ける。普段から温厚な雰囲気を見せる彼女だが、今そこにはその優しさは存在しない。
鋭い刃を突き向けるような威圧を放つアチルに怖じ気づく男たち。だが、その中でプリーチャイルだけは殺気だった形相でその恐怖を振り払い、叫びながら細剣を手にアチルに向かって走り出す。
他の二人もその動きに釣られ、同様に剣を抜き左右分かれて攻撃に回ろうとする。
「…………………」
対するアチルは静かに目を細め、眼前に迫る敵三人を的確に見据える。距離はそう遠くなく、後数歩で接触する間近まで男たちは向かって来ていた。
だが、アチルはそんな危機的状況にも怖じけることんかう、冷静に魔法を唱え、同時に片方の手のひらを魔法剣ルヴィアスの刀身、その表面に向けてかざした。
「シ・レイブ!!」
その直後、純度のある藍色の光が剣の刃を包み込む。
そして、アチルは魔法剣ルヴィアスを構え、向かってくる三人に対し、真横に振り下ろした。
ッシャ!! という空気を斬る音と水が弾ける音の二重音が重なり、刀身に帯びた魔法によって生まれた水の衝撃波が波のように横一線で男たちに放たれる。
「このッ!」
プリーチャイルは咄嗟に自身に向かってくる魔法の衝撃波に対し、細剣を縦に構え、攻撃を防ごうとした。他の男たちは未だ防御の動きすら取れず戸惑っている。
そうして、防御で構えた細剣と魔法の衝撃波、その二つの表面が触れた。
その直後。
ドォン!!! という音と共にその場一帯に爆発が巻き起こる。
発生源は魔法によって形成された衝撃波からだった。
間近にいたプリーチャイルを含む男たちは爆発の余波によって後方に吹き飛ばされる。
「…あまり不用意に魔法に触れない方がいいですよ」
アチルが使う魔法剣ルヴィアスには爆発といった力は存在しない。
だが、アチルが唱えた魔法『シ・レイブ』は魔法による爆発効果を突き加える。
刀身に帯びた魔力を衝撃波として放つ魔法剣の力。
爆発の効果を付け加える魔法の力。
インデールに訪れた事で新たに手に入れた、その二つの力を組み合わせた、その魔法こそが今アチルが起こした魔法攻撃のカラクリだった。
そして、アチルは地面に転がり落ちる男たちに向けて、さらに魔法を放とうとした。
その瞬間―――
「!?」
突然とそれは現われた。
アチルの頭上目掛け、投げ込まれた小さな玉。
寸前でそれに気づいたアチルは地面を蹴飛ばし、回避に移ろうとする。
だが、その直後。
上空から落ちてきた丸い玉がヒビ割れと同時に外側の表面が破裂する。そして、頭上から、中に込められていた無数の粘着せいを持った網が放たれ。アチルを襲う。
歯を噛みしめ、地面を蹴飛ばしたアチル。
しかし、その時。しっかりと握っていた魔法剣ルヴィアスが柄が手から零れ落ちてしまった。
「っ!」
網に拘束されることはせず回避することは出来たが、アチルは目を見開きながら振り返った先には、網に絡め取られた魔法剣の姿あった。
回避が数秒と間に合わず、アチルの武器は手から離れてしまったのだ。
自身の未熟さに眉を顰めるアチル。
だったが、そこで不意に彼女はある異変に気づいた。
回避として逃げ込んだ広い空間。その地面には大石に等しい大きさの鉱石がいくつも下から生えるように突き出ていた。
そして、その鉱石の裏から、フラリと黒一色のローブと防具を身に着けた男たちが姿を現わす。
数十人という数の男たち。その中には、先に出て行った上級ハンターたちが装備していた頑丈な素材で作られた防具を身に着ける者の姿も見える。
「はははっ………さぁ、どうする? 武器がなくなって、まだこの人数相手に戦うのか?」
勝てる。
そう確信したのか、温厚だった声色を一変させたプリーチャイルが左右に裂かせたような不気味な笑みを浮かべ、アチルを睨み付ける。
じりじり、と武器を持つ数名の男たちがアチルに近づき、いつでも攻撃できる構えを取る。
それはまさに、数による優勢。
武器を持たない彼女にとって、この状況は危機的状況だった。
「………………………」
アチルは戦意を喪失したように口を閉ざし、静かに顔を伏せる。
プリーチャイルは高笑いを上げながら、無防備な彼女の体を切り刻もうと細剣を手に足を動かす。
周りにいる男たちは彼女の体つきを見定め、ニヤニヤとした笑みを漏らす。
圧倒的な不利的状況の中で、追い詰められていく。
その中で、
「……………魔法使いを、舐めないでください」
異変という名の現象が、起きる。
アチルが立つ地面が突如、冷気と共に氷づき、そのまま広範囲へと広がり続ける。
プリーチャイルは地面の凍りついた事に慌てて後ろに下がり、その場にいた男たちもその光景に目を疑っていた。
対して、アチルはとゆっくりとした動きで唇を開き、
「あなたたちは何か誤解しているようですが……」
騒然とする状況の中で、アチルは自身の胸に手を置き―――――告げる。
「いつ、魔法使いが武器を持たないと言いました?」
手を置いた、胸の中心が光を灯す。
それはまるで水面のように、白い手は浸かるように光の奥へと沈んでいく。
「…………私の魔法は少し特別でして自然界のバランスを崩すと言われ、そのありあまった力を私は体の中に封じて戦うように言われていたんです。それは故郷でもあるアルヴィアン・ウォーターでも変わらず、浸かってはならないと言いつけられてきました」
そして、水面からすくい取るように取り出した物。
それは、白い羽をイメージした純白の装飾が表面に施された小さな杖―――――魔法の杖。
「だけど、それは時と場合にもよります。………下級ハンターたちや…美野里が狙われるのを知っていて、力を出さないつもりはないんです。それに約束もしたんです……だから」
大きく振り下ろされる杖。
その瞬間、アチルの周囲から冷気を帯びた強風が巻き上がる。
彼女は宣言する。
「魔法使いは人々を守るためにある! 大切な人たちを守るためにも、私は今から貴方たちを本気で倒しますッ!」
自然界のバランスを壊しかねない、氷の魔法を手に――。
圧倒的な数による劣勢に怯むことなく、数十人の男たちに対するアチルの戦いが始まる。