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鬼がいた。  作者: 豚足
1/1

プロローグ

「はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!」


走らなきゃ。

逃げなきゃ。


その意思だけで走り続ける。

足の感覚はとっくになくなっている。


「いた…っ!」


ズキッとした足の痛みにうずくまる。

裸足の足の裏には硝子の破片が突き刺さっていた。



それでも、走らなきゃ。

捕まったら死ぬ。




足を引きずるように走る。

遅い。



あと少しで廊下を抜ける。


やっとこの地獄から出られる。




廊下の突き当たりの扉を開けた──








「みおちゃん、久しぶりー」



目の前に、

先に、鬼が、喰われる

鬼が、鬼、





視界が、赤く染まった。




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