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1000字小説まとめ  作者: 八海宵一
11/25

ソレデワ、ミナサン……

 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。はっ!

 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。あっ!

 ダダダ、ダン。ダ、ダダン。ダダダダダン。わっ!

 ダ…ダ、ダン。ダダダ、ダンダ。ダダダダダダダダ……ダン、ボン。ぎゃ~!!


 ゼッケン402番の腕から、煙が噴出し、とうとう手が動かなくなった。

 スタッフたちが駆け寄り、あれこれ方法を試みたが、やがて、全員が肩をすくめ、首をふった。

 3人の審判も競技の続行は不可能と判断し、判定を下した。

 一呼吸空けて、司会の男性が大きな声で宣言する。

「優勝はゼッケン210番、W大学のスキュータ3世に決定ですー!」

 フレキシブル・アームを持つロボット――スキュータ3世は、三本締めをしたまま、きれいにお辞儀をしてみせた。

 リズム、音量、力加減、どのロボットよりも完璧にできていた。

 司会者が競技場にあがり、スキュータ3世の横に立った。

「会場の皆さん、では、優勝したスキュータ3世の音頭で三本締めをしたいと思いますー! 用意はいいかな? スキュータ3世くん」

 司会者のフリに、スキュータ3世は手の動きをリセットし、頷いた。

「デハ、ミナサン、オテヲ、ハイシャク…」


 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。

 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。


「モウ、イッチョ…」


 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。


 こうして、会場の全員がスキュータ3世にあわせて手拍子をし、第512回ロボコンは、異様なテンションのうちに、幕を閉じた。


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