仕事が無い!④
「でも、ありがとな」
「あいー」
八重は気の抜けた返事をすると、俺の膝の上に頭を乗せてスマホをいじり始めた。
「八重、ここ公共の場のベンチだから寝るな。あと、俺の膝を使うな。痺れる」
「だる」
短くそう言って、ようやく起き上がる。
「さて、休憩もしたし。俺はもう行くよ」
「あ、ちょっと待って」
朝日は、何か思い出したようにスマホを操作し始めた。
「アラタ、前にオンラインゲームでランキング一位だったよね?」
「現在進行形で一位な。それがどうした?」
少しして、朝日は画面をこちらに向ける。
「このゲーム、やってみてよ」
表示されていたのは、ゲームの公式サイト。
《オリジンアーカイブ》――世界そのものを舞台にした、最新型のARゲームだった。
「オリジンアーカイブか。これ、今一番話題のやつじゃん」
「やっぱり、知ってたんだ」
「そりゃな。都心がイベントで封鎖されたってニュース、嫌でも耳に入る」
問題も多いが、それ以上に注目されている。
そんな噂のARゲームだ。
「やってみてよ」
「いや、デバイスもゴーグルも持ってないし」
「私が貸すから」
「朝日、これやってるのか?」
「やってみたんだけど……体が、全然ついていけなくて」
「あー……」




