仕事が無い!③
「正直、簡単に学校辞めるもんじゃなかったと今は身に染みて思うよ」
「バイトだって、無理だろうし。後先を考えなかったアラタが悪い」
「アラチ―のバーカ」
「うっせえ。わかっとるわ」
自分の判断がいかに愚かだったなんて、誰に言われるまでもなく、一番理解していた。
「でも、そうでもしないと、姉ちゃんが無理するから……」
二人は頷きながら口を瞑る。
「アラタ、バイトを探しぐらいしか力になれないけど、何かあったら言って」
「いや、悪いって」
「いいから! 迷惑をかける事が億劫で自殺をした家族だって世の中にいるんだから」
以前に生活保護を受給申請ができず、自殺した家族がいたというニュースがあった。
朝日は、身近な人はそうなって欲しくないという正義感がある。
だが、人が人を救えるのには、限界がある。
自分の手の届く範囲という限界が。
全てを救うというのは、ただの偽善者の言葉。
だが、朝日は、その境界線を理解したうえで自分の周りの人間を必死に守ろうとするやつだ。
───やっぱり、勝てないな。
「あぁ、その時は頼らせてもらうよ」
「うちはーやだ」
「八重さんや、お前ほんとマイペースだな」




