表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女は手段を選ばない〜婚約破棄?NO!推し活&ヒロインを魔王の生贄にするのでご心配なく〜  作者: 降魔 鬼灯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/14

悪役令嬢退場後の世界

ロザリモンドは一視聴者として続きが気になりはじめた。


 『ツクヨミ』の映像の語るダリオン殿下の自分に対するクズ男ぶりや悪感情は酷すぎて、ダリオン殿下に対する淡い恋心や憧れは砕け散っていた。


 しかし、コリンヌとの出会いによって格好良く変わっていくダリオン殿下にキュンが止まらない。


 みんなにコリンヌとの仲を反対されるのに、ダリオン殿下が成長する姿を見せつけることによって、周囲は段々とふたりの交際を認めていく。

 その成長ストーリーが素晴らしく、ロザリモンドは感動で涙が止まらなかった。


 一視聴者としてダリオン殿下を推したい。これが、『推し』というものなのね。


 芝居を見に行って役者や登場人物を応援する令嬢たちを見て、何が面白いのかわからなかったロザリモンドだったが。

 この『ツクヨミ』の映像の虜となってしまった。


 もしかすると、砕け散った恋心の行き場をダリオン殿下の応援で昇華させようとしていたのかもしれない。


 だが、ダリオン殿下だけではなく、ヒロインとして現れたコリンヌの天真爛漫さも可愛い。


 コリンヌは男爵に引き取られた妾の子で、その明るさに心に闇を抱えた殿下やその取巻き達が癒されるというありがちな設定すら泣けるのだ。


 せっかくだからロザリモンド処刑後の世界を見ておきたい。自分が決して見ることの出来ない世界。


 ふたりの幸せな世界を楽しみにしていたロザリモンドは、予想を裏切られた。



 魔王が眠りから目覚めたのだ。


 実はコリンヌは魔王の番だったのだ。長い眠りから醒めた魔王は番の気配を感じて、彼女を奪おうとやってくるのだ。

 愛するコリンヌを渡したくない殿下や取巻き達が一丸となって必死に抵抗して魔王との全面戦争へと突入していくのだ。


 『ツクヨミ』の映像はダリオン殿下視点で書かれた物語だ。


 だから、ダリオン殿下の抵抗は当たり前のことに見える。

 

 しかし、違う見方をすれば生涯唯一の番を欲する魔王の気持ちも痛いほどにわかる。

 魂レベルの惹かれ方するのに引き裂かれる魔王も可哀想になってきてしまった。

 だって、ダリオン殿下ほどではないけれど、魔王もめちゃくちゃ格好良いんだもの。


 彼らが恋の鞘当てをしている間に、国は瘴気が溢れて作物が育たなくなりジグゼン王国の国土は不毛の大地となる。

 結局、疫病が蔓延し略奪殺戮の治安の乱れたこのジグゼン王国は革命によって滅びるのだ。

 あまりに荒れ果てすぎたジグゼン王国は、周辺諸国も侵攻してこないぐらい旨味のない酷い国と化していたからだ。


 最後は亡国の王子となった満身創痍のダリオン殿下がコリンヌを取り返しに黄泉の国まで潜っていくが。もう、コリンヌは黄泉の国の食べ物を口にしていてそこで絶望した彼は命を断つのだ。


 ツッコミどころ満載ではあるが、めちゃくちゃ泣ける物語だわ。ロザリモンドはハンカチを握りしめた。


【お気に召していただけたでしょうか?】


 私が処刑される前に出てきなさいよ、魔王!私はハッピーエンドが好きなのよ。

 言いたいことはたくさんあるけれど、まあ良いでしょう。ロザリモンドがにっこりと微笑む。


【ひぃっ。】

 その笑みにびびったように『ツクヨミ』が悲鳴をあげた。


「結構よ。ありがとう。」


【こちらはあくまで、現時点で想定される未来です。この先の人生を良くするのもわるくするのもロザリモンド様次第。ご検討をお祈りいたします。】


 ええ、ありがとう。ダリオン殿下のお気持ちを知れただけでも重畳だわ。


 処刑の時、後悔した事は全てやりつくしておきましょう。満足気に笑ったロザリモンドは魔力を使い果たしそのまま昏倒したのだった。


 

 心配したバルタイン公爵家の人々がロザリモンドに駆け寄る。

 こんなにも長い間『ツクヨミ』の儀式を続けた人間など今までひとりも存在しなかったからだ。


 

 儀式開始後、2日の時が経っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ