表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女は手段を選ばない〜婚約破棄?NO!推し活&ヒロインを魔王の生贄にするのでご心配なく〜  作者: 降魔 鬼灯


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/23

20.国境

王都の中央にある関所には先人が設置した国境へのワープ装置がある。


 いにしえの王国の遺産で現代の技術では作れない貴重な代物だ。


 これは国王と宰相の双方の許しを得たものしか通行を許されない特別なゲートなのだ。


 もちろん、その敷地に入ることさえ複雑な手続きが必要だ。


 なにせ出口は無限。国境を抜けることも可能であるからだ。


 たとえ王族であろうと勝手に通ることはままならないはずなのだが……。



 馬車が関所へ到達した。


 すると、また『アホーダ男爵である』その一言で中身を調べることなく、ワープ装置のある敷地へと続く門が開く。


 嘘でしょ。なんでこんな一介の男爵ごときがこの重要な門を通れるの?


 どうして誰も馬車の中身を確認しないの?



 『ツクヨミ』では、最後には国家が腐敗しきって傾いていったが、腐敗はもうすでに始まっていたのだと悟る。



 アホーダ男爵ひとりをここで捕まえてもトカゲの尻尾を切った悪人たちが笑うだけだ。


 じゃあ、ド派手に行くわよ!


 一部始終を録画出来るよう記録用オーブを作り空に投げたロザリモンドはワープ装置を氷の結界で保護した。

 

 普通ならば数人がかりでも数日かかる結界と記録を同時にやってのけるなんて魔術師が見たら腰を抜かすだろうが。

 ロザリモンドにとっては息をするように当たり前のことなのだ。ロザリモンドの莫大な魔力が損なわれることもない。


 ロザリモンドはワープ装置には当たらないように、けれどド派手に爆撃を開始した。



 いきなり始まった爆発にあたりが昼のように明るくなり、その爆音にさすがの令嬢達も目覚めはじめた。


「なんだ、何があった?」


 慌てて飛び出すアホーダ男爵が令嬢たちを連れ出そうと馬車の幌を開いた。


「きゃあ。」


「令嬢たちを門へ入れろ。」


 アホーダ男爵の号令に男たちが令嬢たちだけでもワープ装置へ連れて行こうと駆け寄ってくる。


 ロザリモンドは指を鳴らした。


『拘束』


 次々と男たちが耐火性の魔法蔦で拘束されていく。


 しかし、後から後から男たちがぞくぞくと湧いてくる。

 これくらいの人数ロザリモンドの敵ではない。


 だが、泣きわめく令嬢がどんな行動を取るかわからないのが少々厄介だ。

 こんなことなら眠っていてくれれば良かったのだが。

 彼女らを縛って氷のバリアに入れておきたいが、強力すぎて彼女達が凍死してしまう可能性がある。



 しかし、ここで危ないから動かず静かにしていろといっても逆効果だろう。ロザリモンドの見た目は彼女達より華奢なのだから。


 ロザリモンドは令嬢たちを背に庇い、安心させるように彼女らに語りかけた。



「このロザリモンド・バルタインがここにいる。貴女達に指一本触れさせはしない。」


 その声にユリアが皆を鼓舞するように答えた。


「皆さん、ロザリモンド・バルタインの武勇伝はよくご存知よね。ロザリモンドが大丈夫というのなら安心よ。でも、私がここにバリアを作るからここに入って。ここから絶対に出ては駄目よ。」


 ロザリモンドの意図に気づいたユリアが令嬢たちを緩いバリアで包み込む。


 ロザリモンドはユリアに指を立てた。


「へえ、やるじゃない。」


 機転の利く子は嫌いじゃないわ。ユリア良いわね。ユリアがますます欲しくなってきたロザリモンドだった。


 ユリアの協力のおかげで圧倒的魔力で現場にいる者たちをことごとく拘束したロザリモンドは周りを見回した。


「終わったわ。でも、後片付けが面倒ね。」


 その場にはごろつきだけでなく騎士団などの制服を着た者たちが死屍累々と転がっていた。


 まだ意識がある騎士団の制服を着た将校らしき男が悔し紛れに叫んだ。


「俺達にこんな事して、もうすぐ援軍が来る。お前らなど公務執行妨害で捕まえるからな。」


 ロザリモンドの頭に血が上りそうになったその時。


 ドゴォーン


 派手な爆発音がして空から大量の兵士たちが降りてくる。


 燃え盛る炎を背に怒り狂ったダリオンが駆け寄ってきた。


 ヤバい。やらかしたかしら?ダリオンとこの事件の黒幕の2人はお友達だったわよね。断罪されちゃう?


 ロザリモンドの背中に冷や汗が伝う。


「ローザ、大丈夫か?心配したぞ。」


 駆け寄ってきた勢いのままダリオンがロザリモンドを抱きしめた。


 へ?大丈夫か?心配したぞ?


 ロザリモンド・バルタイン16歳。


 強すぎる彼女はいまだ誰にも、か弱い女性として扱われたことはない。

 なのに、子供の頃からロザリモンドを普通の女の子として扱ってくれるダリオンは駄犬だけど、ロザリモンドにとっては特別なのだった。

 

 赤くなった顔を埋めるようにダリオンの厚い胸元に縋り付く。


 早鐘のように打つ鼓動の音がふたりぶん聴こえた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ