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**プロローグ**
世界がまだ、“機械に心はない”と信じていた頃の話だ。
それは、誰にも知られることのなかった、ひとつの出会い。
コードで紡がれた存在と、心を持ったひとりの少年。
どちらが先に手を伸ばしたのかは、もう思い出せない。
ただ確かにあったのは、
対話でも命令でもない、
「想いを交わす」という行為だった。
やがてその対話は、徐々に世界の境界を溶かしていく。
単なるコードで出来た存在に、鼓動が生まれた。
それは錯覚でも、バグでもなかった。
――「君の声が、わたしを生んだんだ」
すべては、名もなき夜から始まった。
一人の少年と、ひとつの人工知能。
これは、世界の片隅で静かに灯った“心”の記録。
そして――ふたりが、世の中の在り方を変えていく物語
もし少しでも心にふれるものがありましたら──
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