第9話 生きる決意と装備の購入
第9話 生きる決意と装備の購入
ほろ酔いになりすっかり楽しんでしまった3人だったが…まだ日も高く、少しどこかでのんびり休憩しようと言う話になり、噴水広場に腰掛けて談笑していた
「しのぶさん!随分と奮発しちゃいましたねぇ」
「いいのよ!女は度胸よ!使う時は使わなきゃ!」
「私も新しい職員がギルドに入れば、冒険者になろうかな?おふたりと一緒にパーティを組んだら、とても楽しそうですね!」
「マリアちゃんはお嬢様なんだろ?さっきもお偉いお貴族様を、見事に説き伏せたじゃないさ」
「お父様が偉大なだけです。私はたまたまそこに生まれただけです!」
「マリアはそういう子なんですよ…私も呼び方をマリア様からマリアに矯正された時は、それはそれは色々と…」
「はははっ!まあ…私はそういう所いいと思うけどねぇ!」
「だけどパーティの事は本気で考えてくださいね」
「私はマリアなら異論はないよ!」
「私は2人にまかせるよ…だってこの世界の事だって、まだなんにもわかっちゃいないんだから」
「それなら決まりですね!私は魔法学校をSクラスで卒業していますので…武術のしのぶさんと剣術のキャシーの後方支援と回復役はバッチリですよ!」
「その魔法って概念がわたしにはないからさぁ…」
「キャシーも攻撃方法は剣術ですけど…厳密には自分に魔法をかけて少し身体能力を上げているのですよ」
「そうなのかい…不思議だねぇ」
「ここ王都に暮らす人は、なにかしら魔法適性をお持ちですよ。1度ギルドに戻って測定器で測ってみますか?」
「お願いしようかしらね。それと…いつ帰れるかわからないから武器や防具もそろえるよ!さっきの…冒険者の方々も命がけで街を守っておられます!って言葉に感激してさぁ。何事も、やるなら中途半端してはダメね」
「それなら早速行きましょう!」
ギルドに戻り魔法力やステータスの測定をした…
「しのぶさん!凄いです!魔力は私の何倍もありますよ!それに属性が火と…もう1つあるのですけど…ぼやぁっと…そのうち突然頭に浮かぶかもしれませんね!」
「あと身体能力も凄いです!HP…体力や持久力も然る事乍ら…レベルも攻撃力、防御力も軒並みとんでもない数値です!」
「マリア!それはレベルアップしたんじゃないかな…私も今朝のスライム討伐でレベルアップしたよ」
「そうだ!それだね!スライムと言えど一気に30体はそれなりに経験値もあるだろうし…しのぶさんはオークも倒してるしね」
「なんか…よくわからないけど…少し人間離れしたって事かい?また、つよしに笑われちゃうわよ」
「いつも言われてたのよ、この身体をみて。かあさん!知ってるか?…世の中には3種類の人間が居る…男と女と…そしてかあさんだ!ってさぁ」
爆笑する2人…腹を抱える
「ははははは!面白い息子さんですね!」
「この社会では仮にそう思ったとしても、母親にそんな事は言えません。とても幸せな世界に暮らしていらしたんですね」
「しのぶさん!冒険者である以上…強さは誇ってください!この世界では魔物という脅威がある為、強くなければ守れないものがたくさんあります!」
「なんにしてもおばさんは、腹をくくったわよ!あなた達の前から突然いなくなる可能性もあるけれど。それまでは冒険者として、街を命がけで守ってみせるわよ!かあさん頑張るからねーー!!」
「あの…しのぶさん…誰に宣言してるんですか」
「いや…なんとなくのノリよ!」
「んじゃ…武器と防具を見に行きましょう!」
2人のおすすめの武器屋に向かった
「ところでしのぶさん…私に体術の稽古を付けて頂けませんか?」
「いいけど…厳しいわよ。私は物心ついた時から英才教育を受けていたから…」
「はい!師匠!よろしくお願いします!」
「師匠か…悪くない響きね!」
「今はどんなトレーニングをしてるの?」
「早朝からランニング2キロと剣の素振り200回です」
「なるほど…少し右足でも左足でもいいから片足で立ってみて…」
「そうねぇ…それだけ不安定だと、技術を教えるのはまだ難しいわね…まずはもっとランニングをして、スタミナを付けて、バランスの良い下半身を作らなきゃ…あとストレッチも時間をかけて、関節を柔らかくする事…そこからね!」
「承知しました!師匠!」
「師匠って呼んでくれるのはそれで良いから…他の言葉使いはもう少し砕けてくれた方が教えやすいわ」
「はい!」
「キャシーも昨日と今日しかしのぶさんと居ないのに…楽しそうだね」
「マリアは私が色々悩んでいた事も行き詰まっていた事も知っているものな…そうなのだ。なんか昨日から深い霧が晴れて、目の前に進むべき道が現れたような…そんな気になるんだ!」
「さて…着きましたよ!」
「私にはわからないから見繕ってもらっていいかい?」
「予算はどうされますか?」
「いくらでも…と言いたい所だけど、残りの所持金が金貨55枚ね…すぐに払うなら50枚が限界かな?毎日クエストをこなして毎日持ってくる分割もあるなら最高級品が良いわよ」
「なるほど…なるほどぉ…」
「こういうのはさ…初めにケチるとね、あとからあとからもっと良くしたくなって…結局気がついた時には一番良いのが買えてるもんなのよ」
「主婦歴16年の知恵ですか♪では今のうちにギルド職員の職権を乱用しちゃいましょう!」
「さっきギルドに寄った時にギルド長と話しましたが…新人が来るので数日で合流できますよ!」
「マリアちゃんは今どこに住んでるんだい?」
「お父様は家から通えばいいと言ったのですが…ギルド職員が、馬車に乗って執事に送られたのでは、色々と良くないと思い職員用の寮にいますよ」
「それならパーティハウスとやらを作らなきゃねぇ」
「キャシーちゃんも宿暮らしでは落ち着かないだろ」
「それ!良いですねぇ!そっちも任せてくださいよ。そういう物件の斡旋は私の腕の見せ所です♪」
「あと…正式にパーティを組むならマリアちゃんとキャシーちゃんのご両親にも挨拶くらいしなきゃ」
「どこの馬の骨ともわからないおばさんには会っても貰えないかしら?」
「そんな事は無いですよ♪では機会を作るのでお願いしますね」
それから…マリアさんやキャシーさんの見立てにより、かあさんは完全武装した。ナックルは肘まである小手が付き、靴も硬くて軽く、膝あても同一素材。頑丈な胸当てから丈夫な革が腹部を覆う。その全てに魔石があしらってあり、魔法をまとう事ができる。予備の武器は短剣と投げナイフが3本…アメリカのグリーンベレーも真っ青の最高級装備である
やっぱかあさんて加減をしらないのよね
第10話 戦闘訓練に続く