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うちのかあさんしりませんか?  作者: ひまわり
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第7話 よーし!スライムだ!

第7話 よーし!スライムだ!


つよしはいつものように、剣道部の練習を終え帰ってきた。電気はついていない


「かあさんはまだ戻れないかぁ…昨日の朝、話した時以外はあの場所も、なにも起こらないしな」


「あぁ…つよしか?おかえり」


「と!とうさん!電気も付けないで何してんだよ!」


「かあさんが居なくなってから、とおさんやる気出なくてな…今日は会社休んだんだよ。お前はいいよな…かあさんと話できたし」


「とうさん!しっかりしてくれよ!かあさんは知らない世界で頑張ってんぞ!」


「今日も話したのか?」


「昨日の朝が最後だよ。だけど感じるだろ?」


「あ…いま誰かの面倒みてんじゃねぇかな?とか…仕事見つけて頑張ってんじゃねぇかな?とかさ!」


「それが血の繋がりなのかもな…とうさんはかあさんと血が繋がってる訳じゃ無いから…」


「何をヘタレた事を言ってんだよ!きっとかあさんも俺達が何をしてるかくらいは手に取るようにわかってるよ…いいのか?」


「どうせとうさんは弱いから、仕事にも行けてないだろうなって思われても…」


「話した時に言ってたよ…暴漢から女の子を助けた。とか…凶悪な未知の生物から子供と女の子を救ったとかさ…とうさんもいつも通り頑張ってくれよ!」


「そっか…かあさんは異世界でも武道で戦ってるのか!あんな身体になってもさすがだな」


「かあさんてなんかやってたのか?」


「そうか…お前は知らないか…かあさんのおじいさんは武術の達人でな、おじいさんに可愛いがられてたかあさんはそのおじいさんの一番の弟子なんだよ」


「かあさんもおじいさんが大好きだったらしくてな…遺伝もあるのだろうが…空手でも合気道でも柔道でもなんでも一級品らしいぞ」


「現にとうさんと出会った時も…目の前を歩いてる女の人の鞄から財布が落ちてな、慌てて財布を持って手を伸ばしながら追いかけたら…背中に気配を感じたかあさんが振り返りざまに、しゃがんでとうさんのみぞおちに左ストレートを決めたんだよ」


「そんな出会いあるのかよ!はははっ!」


「あまりの威力に1時間ほど動けなかったんだけど…かあさんが責任を感じて介抱してくれながら色んな話をしてくれてな。何事にも前向きなかあさんがとてもキラキラ輝いていたんだよ」


「まあ…それで…本来あんまり聞きたい話じゃねぇけど…今日は特別に聞くよ」


「とうさんはお前も知っての通り…自分がバリバリ何かのできる人間では無いからな…こんな人を見ていたいなぁって憧れを持つようになってな」


「まあ…もうわかったよ…親の恋愛事情は聞きたくないから…」


「かあさんは人と順位を争ったりするのが嫌いで大会に出なかっただけで、柔道で言えばオリンピック選手にも勝ってるし…空手の全国レベルの人にも圧勝してたぞ!」


「お前がかあさんが何してるか?感じるならとうさんもかあさんが居ない時くらいはいつもより頑張らなきゃな!やるぞ!つよし!とうさんは!」


かあさんがとうさんの事。お願いね!って言ったのはこういう事か…さすが大黒柱!


「キャシーちゃんおはよう!」


「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」


「お願いね!ギルドっていつまで泊まれるのかなぁ」


「最長でも10日間くらいじゃないでしょうか…あくまで他の街から来た人や、なんらかの理由で住まいを失った人が…クエスト報酬を安定して得られるようになるまでの緊急時の対策ですから」


「キャシーちゃんはどこに住んでるの?実家?」


「冒険者になる時に家は出されたので…宿が基本ですね。少しのんびりしたい時は友達がいるパーティのパーティハウスに遊びに行ったりもしますね」


「キャシーちゃんくらいになると、そのパーティというのから、スカウトされたりするんじゃないの?」


「はい…その良く遊びに行くパーティからは行く度に誘われます。ただ私…馴れ合うのが好きじゃないと言うか…仲良くなって色んな事が、なあなあになって行くのが苦手と言うか…」


「少し人数の必要なクエストに応援に呼ばれるのは大歓迎なのですけど…親しい仲間で集まると、報酬面やクエストへの取り組み方も、ルーズになって行くので…それが嫌で特にパーティは決めてないんです」


「なるほどね…人が集まるとどこの世界でも、起こる問題は同じなのね」


「もう1人魔法使いが居れば…しのぶさんにパーティをお願いしたいくらいです!昨日でも…本当は報酬なんてしのぶさんにとっては、どうでも良かったのだと思うのですが…私に気を使ってちゃんと半分にしてくれた事とか…薬草採取もスライム討伐もちゃんとチカラを合わせてバランスを取ってくれた事は、とても心地よくて」


「帰りの買い物も、無駄になるかもしれないからって言いながら…ちゃんとビネガーも水も霧吹きも…手袋もハンマーも、私の分まで用意してくれて…」


「強いという憧れと…人に対してとてもバランスが良い接し方をされる所とか…まだクエストに取り組んだのは半日だけですけど…今後、行動を共にして頂けたら…私の大きな成長に繋がるのにと思っています」


「そんな風に思って貰えたら…しのぶちゃん!頑張らなきゃね!」


「はははははははは!」


「目的地に着きましたけど…昨日買ったもので何をするのですか?」


「とりあえずやってみよう!まず布で鼻と口を塞いで…んで、ビネガーを薄めて入れた霧吹きを持って」


「準備はいい?」


「はい」


「じゃあ…両側からスライムにかけるわよ!」


8回づつふりかけしばらく待った…ぽん!


「ほら!楽に倒せたー!」


「凄いですね…これは何かの魔法ですか?」


「んとね…日本にはナメクジって言う…小さいスライムと言うか…水分の多い生き物が居るのよ」


「そいつの撃退法でね…ビネガーをかけると水分を飛ばしてくれるから…このスライムってのにも効くと思ったのよ」


「いまみたく一気に倒せなくても…核が見えるくらいには縮むと思うから、そしたら手袋をはめた手で核が動かないように抑えてから…ハンマーで軽く叩いてやれば簡単に壊せるでしょ」


「ちょうど…朝はつゆで草花が濡れてるからスライムもたくさん居るよ。手分けして倒そ!」


「しのぶさーん!なんで8回なんですかー!?」


「リズムでスッキリするのが4刻みなだけよー!」


「5回でも10回でも良いんだよー!」


「わかりましたー!!」


それから2人はスライムを倒しまくった…主婦歴16年せめてもの趣味とガーデニングで得た知識の勝利である!というか…そもそも関西のおばさんのあめちゃん攻撃でも…電車の中の椅子取りゲームでも…そもそも最強と称される種族なんだよな…俺は普段から言っていた…最強種族「愛すべきお母様方」と!


「倒したねー!キャシーちゃんは何匹倒した?」


「ちょうど30匹ですね」


「んじゃまったく同じだね!私も30匹…ぼちぼち冒険者が増えてくるし…日が登りだしてスライムも少なくなってきたから…今日はここまでにしよ」


「そうですね!」


「ギルドに報告したらランチに行こうよ!美味しいお店に連れて行って!んで…夜はマリアちゃんも入れて第2ラウンドよ!」


「はいー!」


効率よくスライムを討伐したしのぶ隊は早々とマリアさんの元へ報告に行った。戻って来た早さと討伐数にかなり動揺したらしいが…この作戦は、次回スライムが大量発生するまでは、しのぶ隊の極秘事項にする事を固く誓い合い…わずか数時間で金貨8枚づつを手に入れ悠々とランチに赴くのだった



第8話 ランクアップ!に続く





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