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うちのかあさんしりませんか?  作者: ひまわり
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第6話 冒険者デビュー

第6話 冒険者デビュー


かあさんとキャシーさんは薬草の群生地に来ていた。群生地と言っても、辺り一面を薬草が覆っているというような環境では無く、比較的よく見つかる場所。という表現が正しい。


「しのぶさん…これが薬草です。見つけたら根は残して切って採取してください」


「なるほどねぇー、たまに色違いの似た形の植物もあるけど…あれはダメ?」


「はい…あれは危険な植物です。花粉を大量に吸い込むと麻痺を起こします。あまり近づかないようにしてください」


「色々と奥が深いわねぇ…いっそ薬草を栽培してはダメなの?」


「ダメ!と言う訳ではありませんが…今まで色んな人が栽培しましたが薬草としては育たないようです」


「なるほど…ところでこれは何本取ればいいのかしらね」


「クエストとしては10本で成功です。こういう採取クエストに期限はないので今日は5本、明日も5本というように数回に分けても構いません」


「キャシーちゃんを先生に付けてくれて良かったわよ…おばさん1人じゃ、なにもわからないものね」


「あ!しのぶさん…あれがスライムです!」


「大きなナメクジ見たいねぇ…」


「ナメクジですか?」


「こっちには居ないのかしら…ナメクジ…」


「そのような生き物は聞いた事がありません。とりあえず見ててくださいね…スライムは柔らかく形を自在に変えるので、剣で斬る事は出来ません…ランダムに突っついて核を壊すのですが…核も自在に移動するので…攻撃されてこちらが傷付く危険が無いだけで、仕留めるのは意外に骨が折れます」


「ほんとねぇ…」


「はぁ…はぁ…自在に核の場所が…はぁ…変わるので何度も突くのですが…はぁ…はぁ…息が切れます。しぶとい…」


キラン!かあさんの目が光った


「これは…主婦歴16年せめてもの趣味にと打ち込んだガーデニングの知識が活かせそうね」


「主婦歴16年…ガーデニング…ところでごめんなさい、腕が限界です。この剣を使ってもらっていいので交代してもらえませんか」


「ふっふっふ!まかせなさい!」


サクサクサクサクサクサクサクサク!

サクサクサクサクサクサクサクサク!


「しぶといわねぇ…はあ…」


サクサクサクサクサクサクサクサク!

サクサクサクサクサクサクサクサク!ピシッ!


「こ、これが1番簡単なやつって…わりに合わないわよ…」


「ははは…お見事です。はぁ…スライム一匹でどっと疲れましたね」


「ほんとよぉ」


2人して腰を落とし息を整えるのだった


「薬草採取してスライム倒して報酬っていくらくらい入るの?」


「薬草10本とスライム3体で金貨1枚ですね…しばらくはそれを2人でわける様になります」


「そんなんだと、私は良いにしても…キャシーちゃんは割に合わないわねぇ…Cランクだともっと良い仕事がたくさんあるんでしょ?」


「収入だけを考えたらそうなりますけど…しのぶさんに同行するのは私が希望したのですよ」


「実は先ほどはオークを倒した事をマリアに聞いたと言いましたが…本当は見ていたのですよ。素手で戦うしのぶさんの姿が頭から離れなくて…剣技に限界を感じて来ているのもあって、しのぶさんのような体術も取り入れる事は出来ないだろうかと」


「キャシーちゃんは若いのに努力家ねぇ」


「そんな立派な話じゃ無いです。両親に勧められた縁談が30も歳の離れた、いやらしい顔をした小肥りの男の人で…しかも5番目の側室でしたので…逃げる為に冒険者になったんですよ」


「逃げると言うと聞こえが悪いけど…私はキャシーちゃんを支持するわよ」


「抗う勇気!ですか…それはマリアから聞きました」


「昨日は酔ってたのもあって…そういえばマリアちゃんにそんな恥ずかしい事も言ったわねぇ」くねっ


「いえ…純粋にかっこいいと思いました。それで私は、女であっても自分自身を磨くべきだと…新たな決意をしたのです」


「キャシーちゃんは17歳だっけ?日本では何でも親に買ってもらって遊んでる子が多いのに…こっちの子はみんなしっかりしてるわね」


「あ…ちなみに日本と言うのは、おばさんが住んでる所ね。マリアちゃんと同じ歳の息子がいるのよ」


「また日本の事も教えてください。とりあえず、クエストは終わらせましょう!」


かあさんの初クエストは息切れと腰痛の中…無事に終わった。二の腕のたるみが、ほんの少しだけ減ったような気がした事に…謎の充実感を抱きながら…


「この後薬草を持って、マリアちゃんの所に行けば終わりなの?」


「そうです」


「薬草は渡せばいいけど…倒したスライムはどう証明するの?」


「魔物を倒せばギルドカードに自動的に記録が残ります。今回の報酬も7割はスライムですよ」


「それならさぁ…クエストとして受けなくても、スライムをたくさん倒して、カードを提出したら報酬がもらえるって事?」


「それは可能です。ですが…今日体験されたように、スライム討伐が割に合わないので、薬草採取のついで…と言うクエストの発注になっています。何年かに一度大量発生した時だけ専用クエストになるみたいですね」


「ね~ぇ~!キャシーちゃん…この世界に酢はある?ビネガーって言うかしら、酸っぱい調味料」


「ビネガーはありますよ」


「雑貨店に霧吹きはある?」


「それもありますね」


「それじゃ…報告に行く前に買って帰るわよ!スライムを初めて見た時に主婦歴16年の勘が…こう…び、び、び!って来たのよ。明日試してみよう!」


「さ!早く案内して!早く!」


「わ、わかりました」


終始かあさんに圧倒されたキャシーさんだったが、素直な性格に加えて、かあさんの体術に魅了されていた為、懇切丁寧に望み通り行動するのだった


ともあれ無事に報告をすまし銀貨5枚づつの報酬を受け取ったが…キャシーさんに申し訳ないと言う口実を作り今日もギルド酒場を賑わせたようだ


だから…かあさん…ほんとにほどほどにして下さい


あと…昨日から言ってた風呂はどうしたんだよ


家族の行動を見てる方は口うるさくなるのも仕方ないかと…少し大人になったつよしだった。



第7話 よーし!スライムだー!に続く









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