表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うちのかあさんしりませんか?  作者: ひまわり
26/28

第26話 とりあえず冒険にいこう!

第26話 とりあえず冒険にいこう!


「ただいまー!」


「どうでした?国王陛下の反応は」


2人に王城であった事を話した。誰かが横領してる可能性が高い事や、開発方法について説明した


「なるほど…それなら細々したことや、街を整備したあとの事も充実していますね」


「アフロディーテが大損する形にはなるけど、開発が終わったら国に戻そうと思ってるけどね」


「なんの問題もないですね♪」


「大事な点がふたつあるのよ…ひとつわね、カトリーヌ王妃を、アフロディーテの一員にして欲しいらしいのよ。開発の目玉として、国民にアピールしたいみたい」


「それは…王都の1割もの土地の開発ですから当然でしょうね。国王陛下にすれば、渡りに舟って所じゃないですか?」


「あなた達はお貴族様だからか…若いのにそういう政治の事には敏感よねー!日本の15歳は国の代表者の名前もしらないわよ」


「私達にはわかりませんが…そっちの方が平和なんじゃないですか?師匠!」


「立場をどうする?」


「名誉マスターでいいんじゃないですか?」


「誰の目から見ても象徴である事は明らかですし…」


「そうね…開発地にどれだけ長く居るか、という方が大事だね」


「だけど…アフロディーテもすごい事になってきましたね」


「私は…冒険者ギルドに居るより、2人と一緒の方が楽しそうだなぁくらいに思ってたのに、社会の悪を根絶し、もらった勲章や感謝状…国宝までもらって、さらに街の開発まで」


「全ての段取りは、王様がして連絡くれるらしいから…王妃の名前で名誉マスターの称号と、名誉Sランク冒険者の称号でももらって…カードと証明書でも作ってもらおうか」


「いいですねぇ…協力してくれるでしょ」


「タイミングはマリアちゃんに任せるはね、早いと情報が漏れると良くないから」


「では、その辺はおまかせください」


「土地をアフロディーテに売却したり、王妃がアフロディーテの一員になることや、開発をアフロディーテに任せる。と言うような契約書の調印式はあるらしから、その場で逆に私達から贈呈しましょうかね。王妃に似合う花でもあしらった、美しい剣も贈呈しましょう」


「盛り上がりそうですね!師匠!」


「あと…もうひとつなんだけど…流石に開発が国家事業で進めるような案件なので、アフロディーテがどんなに実績があって、どんなに有名でも、納得しない者が出る可能性があるから…3人をそれぞれ叙爵するって」


「叙爵ですか?」


「そう…爵位は聞いてないけど…」


「それは驚きましたね。しのぶさんはともかく、まだ若い私達まで…」


「私は下手をすると…分離独立して実家の地位を超える可能性がありますね」


「キャシーちゃんは、そうか…」


「気まずい…とかあるの?」


「いえ…気にするのはやめましょう」


「私も気にしませんよ♪」


「そしたらあなた達が当主だから…配偶者は婿養子をとるんだね!すごいね!」


「私は…しのぶさんと居るようになって…今を一生懸命生きると決めています♪先の事はその時に考えます」


「師匠!私もそうです。薬草を取りに行ったあの日から、ずーっと夢の中に居るような気がしています」


「私もそうだけどさ…2人ともいつもありがとう!」


「よし!そうと決まったら、王様から連絡が来るまでの間、稼ぐわよー!」


「まずは薬草の群生地に行って、ビネガー攻撃を伝授しましょうか?あれ地味に稼ぎが良いから…」


それから、かあさん達は走り回った。新人研修には難色を示したが、もともと面倒見は良い方である


スライムにビネガーを吹きかけては、新人冒険者が質問してくると説明して、ストックの霧吹きを渡した


落ち着くと、そこから次のランクの冒険者が、居そうな場所を探して、助太刀したり、アドバイスしたり、広い魔物の生息地を駆け回った


途中ストロングボアに追いかけられたり、オークロードに出会ったりもしたが…3人の連携は見事なものだった


「なに!このでっかい豚は!」


「師匠!それがオークロードです!」


「ならんだら兄妹みたいに見えるじゃん!」


「くっくっ!戦闘中です!笑いはお控えください!」


「私が後ろに回って投げ技を決めるから、トドメはキャシーちゃんお願い!」


次の日もまた次の日も


「あなた達!大丈夫?オーガに手こずってんの?」


「は、はい!助けてください!」


かあさんがさっと2人組を両脇に抱え回収する。入れ替わるようにキャシーさんが切り刻む。マリアさんからは回復でもブーストでも、動きに合わせて飛んでくる


さらに深くに進んだ…滅多に冒険者にもエンカウントしなくなり、この辺りが限界かな?っと思っていた時、上級冒険者らしきパーティが襲われていた。


地べたをはうもの、岩を背に動けずに座る者、何とか踏ん張って盾を構えるもの、魔法詠唱するもの、20名程の大パーティがほぼ壊滅している


「助けなきゃ!」


「師匠!魔族です!」


「魔族か、なんだかしらないが…好き勝手にさせるもんか!」


瞬間移動で背後に回ったが素早くかわされる


「ほほぅ…少しはやれる奴が来たようだな」


「あなたは何者なの!?」


「冥土の土産に教えてやろう!我は魔王軍特攻隊長ルシウスである!」


「特攻隊長だかなんだか、知らないけどね!あなたにやられるほど、わたしもやわじゃないのよ!」


魔族は巧みに飛行しながら魔法を繰り出してくる


闇のような玉の連打である。かあさんも炎を纏い魔法を弾き返した。その隙にキャシーさんとマリアさんはパーティの回収と避難、治療を急いだ


「わしの魔法を弾き返すとはお前、人間か?」


「失礼な事をきくな!みて判断しろ!」


「そ、そうか…では本気で行くぞ!」


魔族の魔法と爪を生かした攻撃が襲いかかった


爪を交わし魔法を弾き、防戦一方であるが…かあさんの集中力はどんどん増していった


防戦しながらも反撃の機会を伺う


振り下ろされた右手…魔族の爪がかあさんを狙う。左手のプロテクターで受け止める


「ガキっ!」と鈍い音がする


その瞬間、回し蹴り姿勢から、魔族の左後方へ移動する。延髄斬りが決まり魔族が地面に叩きつけられる。素早く背後から馬乗りになった、かあさんのラッシュが始まる


馬乗り姿勢とはいえ、かあさんの突きは丸太に窪みを作るような一撃、それでもあまり効いていない。闘争本能むき出しのかあさんは、仕方なく背中の羽を両方掴んで引きちぎった!


「ぐおぉぉぉーーー!我が負けるとは!」


絶命した後に、見た事のない形と色の魔石と、魔族の羽というドロップアイテムが出た


「師匠!大丈夫ですか?」


「しのぶさん!」


「はぁ…そっちは?大丈夫?みんな無事?」


「今のはなに?言葉も普通に喋ったし」


「ここ200年は現れてなかったのですが、大陸北部に人類未踏の地があり、魔族が暮らすと言われています。おとぎ話の産物とみな理解していたのですが」


「はい!小さな角に、背中から羽…身体は濃い紫色に包まれ、長く鋭い爪を持つ!伝承のままです」


特攻隊長というのが、どれほどの位置なのか?さっきの戦闘を振り返り、ギリギリだったと実感する。強者同士が戦えば、常に一瞬なのである。お互いに高い攻撃力を持つが故に、必殺の一撃をどちらが入れるか、という紙一重の戦いになる。とりあえず、いまは冒険者の無事に胸を撫で下ろしたが、魔族という驚異にどう対処するかを考えていた


第27話 調印式に続く




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ