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星の末裔(改)~遥かなる時の中で~  作者: 白智(ぱくちー)
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海とイールカと

前回、ドラゴンのイオに乗って空の旅をしています。

今回は、新しい仲間とのふれあい。お楽しみください。


 暫くすると気持ちも落ち着いてきたようで。イオの背中からの景色にため息をついた。

 遠くに見える森も山もとても小さくて可愛くて楽しくて仕方がない。


 誰かに教わった記憶もないのに・・ 私の口から唄が、零れた。


 海の青さと蒼穹(そら)の青さがが交じる時

 浮かぶ月は、地球(テラ)を偲んで心の弦をかき鳴らす

 遠く離れた 幸せな日々 遥々遠く時の狭間に浮かぶ船

 紡がれることのない言葉 伝えられることのない言葉

 あなたは 覚えているだろうか?忘れられた歌を



 「奇麗な歌だね。初めて聞いた」

 ハルカが、小さな声で耳元で呟く


 「キャッ・・」

 思わず口づさんでいたことに気が付いた私は、恥ずかしいのとなんだか擽ったくてで俯いた。


 「驚かしてごめん」

 慌ててハルカが、謝ってきた。


 取り繕うよに

 「歌詞にもあったけど。ミヲは、海を見たことがあるの?」


 「海?・・・ううん見たことないよ。大きな水溜まりだって聞いたことあるけど。」

 「え?・・大きな水溜まり?・・くくく・・。」

 (え?私・・笑われた?)


 「ま、間違いじゃないけどね・・くくく」

 ハルカは笑いを堪えるのに必死だった。


 まだ、怖くて後ろを振り向けない私は、なんだか腹が立ってきた。

 「そんなに笑うなんて・・ひどいですよ」

 子どもっぽいとは思ったけど、頬を膨らませた。


 「ごめん、ごめん・・笑うつもりはなかったんだけどね・・もうすぐ、海の上を飛ぶから・・。大きな水溜まりをしっかり見てね・・」

 そういいながら又、ハルカは、クスっと笑った。


 ここが、空の上じゃなかったら、思いっきり足を踏んでやったのに。。

 ミヲは、そんな事を 考えていたら遠くの方が、やけにキラキラしてきた。


「うわー、キラキラしてる」

 と呟いた瞬間・・目の前に広がる圧倒的な蒼に全てを包まれた。

 空の下にも青い空が広がるように・・兎に角、蒼が視界いっぱいに広がる。

「凄い!スゴイ!スゴイ!!・・」 それしか言えない。


 確かに 大きな水溜まり・・なんて言われたら笑うしかない、馬鹿にされても仕方がないと思った、知らないって怖いよね。耳の後ろのあたりが暑い・・恥ずかしくて穴があったら入りたいってこんな感じなんだろうな。あー、恥ずかしい、、、。



 「凄いだろ?空を飛べないと見れない景色だからね、君に見せて上げれて良かったよ僕は、これだけでも竜騎士になってよかったと思うんだ。」

 陽気にそんな事を言うハルカの言葉を聞きながら目を瞑ると私は、海を渡る風になった。

・・・そんな感じがした。




 『ミヲ・・海モットミタイカ?』

 イオが、そっと聞いてきた。返事を待たずにイオが、高度を下げる海に落ちるんじゃないかと思わず、体に力が入る。


 「こら、イオ悪戯しちゃだめだよ、ミヲが、ビックリするだろ」


 「・・ううん、大丈夫少し驚いただけだから・・」

 本当は、とってもドキドキだ。鼓動が、収まらない。

 (どうか、気付かれませんように・・)


 イオが、高度を下げてかなり海面に近づいてくれたので眼下に広がる海原の表面を見る事ができた。

 眼下に広がる海・・・海・・・海しかない?

 すると海の上を 走るものと飛ぶものが見えたので、指さしてハルカに尋ねる。


 「ハルカ・・あれはなに?」


 「あれは、船だね・・それと船の周りをイールカが泳いでるんだ」


 「ふね?イールカ?」


 「もう少し、近づいてみようか・・」

 そういうと、イオは、船と呼ばれるものの方に寄って行ってくれた。


 船とは、海の上を走る乗り物らしい、船は海の上を滑るように進んでいく。その船は大きい船で家畜小屋よりも大きかった。細長い、形状をしていて、真ん中に大きなシーツのようなものが干してある。


 「大きな洗濯ものですね。。」


 「・・くくく・・君は、面白いね~」


 また、笑われた。笑われたということは、洗濯ものじゃない??

 (知らないんだから仕方ないじゃない、、なんだかまた、腹が立ってきた)


 「船の真ん中に立っている柱のようなものをマスト。大きなシーツのようなものをガフって言うんだ。船は、ガフに風を受けてそれを推進力にしてる。推進力は、前に進む力のことだよ。」

 

 何も知らない私のために優しく説明をしてくれているようだ、船の周りを泳ぐ黒いものが、飛びあがる。

 (確か、イールカって言ってたよね)


 同じようにあと4匹のイールカが飛ぶ。


「ピィーピィーピッ」「ギイッ,ギイッ」「ガッ,ガッ」「キュキュー」

 と楽し気に船の先になり後になり泳ぐ。


 (ミィーーーーーウォ・・)

 「凄いですね。イオは奇麗だから、イールカにも好かれてるのね。」


 「え?・・・・・・・」

 そういうとハルカは、考え込んで黙ってしまった。


(ミィーーーーーーウォ・・サオナーーーラ)

 そういうとイールカたちは、離れて行った。


「バイバイ、マタネーー」と、大きく手を振った。


 すると、イールカ達が、こちらを向いて

 「ピィーピィーピッ」「ギイッ,ギイッ」「ガッ,ガッ」と鳴きながら

 足で立ち泳ぎで挨拶してくれた。


 後で知ったが、この立ち泳ぎは、すごく珍しいもので、余程機嫌が良くないと見れないらしい。

 (とても得した気分・・。)


 楽し気なイールカ達と別れて海の上を飛ぶ

 同じ景色のせいか、寝不足だったせいか眠けが、我慢できない。眠ってはいけないと思いながら薄れゆく意識の中でまた、あの呼び声を聞いた。


『ミヲ・・ミヲ・・ハヤク逢イタイ・・』


 この状態で眠れるなんて君は、大物だね。・・その言葉は、波の音に紛れて溶けて行った。

ハルカ君は・・鋭いのか?鈍いのか?

まだまだ、発展途上ということで・・・。


空の旅・・素敵だけど高所恐怖症の作者には・・無理

海原の旅・・・多分作者は泳げない・・あ、でもデブだから浮くかも?

イルカに乗ったおばさん・・・やってみたいかも?(ふるっ!)

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