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星の末裔(改)~遥かなる時の中で~  作者: 白智(ぱくちー)
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初・・ドラゴン飛行

廃墟となった牧場に住むことはできず、ハルカの勧めで砦に向かうことに。

ドラゴンのイオは、何かを知っている??

初めての空の旅・・・。

 今はもう廃墟のようになってしまった牧場から離れ・・元牧場の入り口へと向かうと、そこにクーとハルカが、待っていてくれた。


 「イオ、こっちに来てくれ」


 ハルカが、呼ぶと森のほうから羽をたたんだドラゴンが、やってきた。

 これが、ハルカの竜らしい。全体的に青みがかった黒い鱗に覆われて(例えるなら瑠璃色?)顎の下からお腹の方は銀色に少しだけ黄色を混ぜた感じ。(銀色トパーズみたいな色だ)


 飛び立つ準備だろう・・大きく羽を広げた。大きく広げられた羽は、真っ黒でつやつやと濡れているように輝いている。


「奇麗~・・」思わず、呟かずには、いれなかった。


 すると、イオと呼ばれていたドラゴンが、紫がかった目で、見つめてくる。瞳の周りが渦を巻いてるようだ。よく見ると紫の瞳の周りが銀色と金色だ私を見て興味深々と言った感じ。


 『ハジメマシテ オジョウサン』

 少し低めでとっても紳士的・・。


「私は、ミヲ・・この子はリオルだよ。宜しくねイオ!!」


「え?イオの声も聞こえるの?」ハルカは、驚いている。

 (でも・・・聞こえちゃうんだから仕方ないよね)


 「うん、聞こえるよ・・」

 私の返事にハルカは、黙ってしまう。


 その静けさが、ちょっと、落ち着かなくて

 「何か問題でもあるの?」と聞いてみた。


 「問題っていうか、、大有りなんだよ・・普通ドラゴンやグリフォンの声は聞こえない。」

 「・・・??」

 「竜と人はね。感応の儀式をして初めてお互いの声が、聞こえるんだ。」

 「・・・そんなこと言われても・・困る・・」

 ハルカの言葉に戸惑いながらそう言ってみる。

 「そうなんだよな・・こんな事初めてだ」

 ハルカが、思考の中に潜る。


すると突然、イオが話しかけてきた。

『ミヲハホシノムスメ・・・』


「それは何だい?イオ??」

 その意味を知りたくてハルカが、イオに尋ねる。


 『・・トキガクレバワカル・・』

 イオは、それ以上は話すことなく黙ってしまった。


 さっきまで騒がしかった周りが、静かになっている。

 「どうやら僕たちが、一番最後らしいね。さてと・・クーは、先に砦に戻ってお客様を連れていくって伝えてくれるかい?」


 『リョウカイ・・クーツタエル』

 返事をすると同時にクーが、空へと羽ばたき地を蹴って飛び上がる。見ている間にクーの姿は、遠ざかっていった。


 「それじゃあ、砦に向かおうか・ドラゴンに乗ったことはあるかい?」

 「ううん・・・ドラゴンどころか。。空を飛んだことなんて無いよ・・」

 ゆっくりと首を横に振りながら返事をした。


 「そうだね、普通は乗ったことなんて無いよね。今日は、最初だから僕の前に座ってくれるかい?後ろから支えたほうが、落ち着いて乗れると思うんだ。」

 「うん、わかった・・」緊張してるのを知られたくなくて、平気な振りをした。


 イオが、足を曲げて体制を低くして乗りやすい形をとってくれた。羽を傷つけないようにだろうけど、体に沿って奇麗に折りたたんでいる。

(すごい、おりこうさんなんだね・)と、心の中で呟くと・・


(ドウイタシマシテ)と言われてビックリ!


 ハルカを見ると今の会話は、ハルカには聞こえていないらしい・・。イオは、楽し気に喉を鳴らして軽くウィンクした。ふふ・・・イオは、結構いたずらっ子らしい・・・。


 恐る恐る鐙に足をかけ、イオの背中に乗った。すぐ後ろには、ハルカが乗る。

 要するに、ハルカの腕の中にいる。両腕で囲ってる感じだ。なんだか、とっても恥ずかしい気がする。

 そんな気持ちに気付かれないように左手ででバックの上からリオルを抑えて右手で鞍を掴んだ。

 (リオルを落っことしたら大変だものね・・リオル鞄の中で大人しくね。そっと頭を撫でた。)


 「じゃ、そろそろ行こうか・・離陸するよ・・イオ!砦まで頼む」

 「グルゥ・・『リョウカイ!』」


 畳んでいた羽をひろげて、助走をつけて羽ばたく。畳まれた羽は、片翼で体と同じくらいの長さだろうか?両翼を広げると体の長さ以上かもしれない・・尻尾も長いから同じくらいかな?人も両手を広げた長さと身長が同じなんだって誰かが、言ってた。今度、聞いてみようと心に決めた。


(へぇー、この子凄いな・・全く緊張してないみたいだ。こんなこは初めてだ・・)

 キョロキョロしているミヲを見て、ハルカは感心していた。


 だが、ミヲが余裕でいられたのは、どうやらここまでのようだったらしい。何しろ、空を飛んだことなど一度もないのだ。恐怖がじわじわと足元から忍び寄ってくる。足元が、覚束ない・。こんな高いところから落ちたらどうしようと考えると。不安と恐怖から体が硬直して、息苦しくなり内臓が、せり出してきそうで息苦しくなる。空気が薄くなったような気がする。


 「怖いようなら下を見ないで・・遠くを見るようにするといいよ。」

 笑いながらハルカが、耳元で囁くように話す。


 (簡単に言ってくれる、、遠く・・遠くね・・)

 喉が、カラカラで返事もできない。なので、返事の代わりに目を瞑って頭を上下にゆっくりと振った。


 思いのほか、急スピードで飛んでいるのに風が冷たくないし、長い髪がたなびくことも無い。不思議に思っているとハルカが、教えてくれた。

 「ドラゴンは、風属性の魔法で結界を作ることが出来るんだよ。だから、風のことは、気にしなくて大丈夫だからね。イオは特に優秀なんだ」


 そんな事を聞いたら急に呼吸が、楽になった。

 (げんきんだな・・私。へぇー魔法って便利なんだな初めて知ったよ)


 まだ四肢の力は緊張で抜けないけど。少しだけ、空の旅に馴染んできて、楽しく感じてきた。

 今度いつ空を飛べるかわからないのだもの思いっきり楽しんじゃおうと・・。ドラゴンに乗って空を飛ぶなんて、最初で最後かもしれないし思いのほか、私の神経は図太いらしい。

 

 遠くを見る余裕が、少しだけできた。遠くの山々は、まだ真白な雪を抱き・蒼穹(そら)はどこまでも蒼く澄んでいた。下や後ろは、まだ怖いので振り返らずに・・前だけ見つめていた。


 暫くすると空も陸も目の前が、全て蒼く私の目を塗りつぶした。

 上にも下にも空が広がったのかと思った私は、間違ってないと思う。

作者・・蚤の心臓でビビりなんで、、、ダメダメです((´;ω;`)ウゥゥ

しかも、高所恐怖症・・・・あー恐い、怖い。

宜しければ、次も読んでね。

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