サクラ
駆け足で、話が進んじゃいました。
いつか、もう少し書き込んでみます。
ざわざわと神経が逆撫でされるような気配で目が覚めた。
ベッドに横になった途端にすぐに眠りに就いたのだが、自分の問題に抱えきらない不安が、苛んでくる。人に相談するにも荒唐無稽だと笑い飛ばされるだろうか?気がふれているとでも思われるだろうか?
子供のいうお伽話と思われるだろうか?
ここにいる人達全てが、昨日始めて会ったばかりなのだ。私を信じて欲しいと言ってもそれは、無理というものだ・・だって、私自信が、信用できないと思っているのだから・・。
「ね、ライム・・誰に話をすればいいと思う?信じてもらえるかな?信じて貰うために私は、どうすればいいのかな?」
聞くとは無しにライムに話しかけてみた。
すると・・
『大丈夫だよ~、美桜の悩みはすぐに解決するから大丈夫~説明もいらなくなるよ』
「何がだいじょうぶなの??」
『もうすぐわかるよ~』
ライムはそう言うだけで何も教えてくれない。
仕方ないな・・とため息をついた。
暫くすると周りが、バタついている気配が・・少し耳をそばだててみる。
「緊急警報!緊急警報!上空に未確認飛来集団あり・・樹海地区に未確認生物が発生。周囲の状況等を確認し、自らの判断で適切に行動してください。繰り返します・・・・」
「ライム・・・まさかこれの事?」
驚いて振り返って話しかけると、そうだよ!というようにぷるるんと伸びて震える。
「上空に飛来集団って、まさか・・・まさかだよね?」
『気になる?・・ま、見てみればわかることさ・・観なくても解るけど、タイミングばっちりだね』
「ほんとに?いや、、まじ・・どうしよう・・」
手を開くとなんだか汗が・・。緊張すると手に汗かくんだよね・・。
とりあえず・・様子を見に行こう。この騒ぎだと忘れ去られてる気がしないでもないのだ。
「待ってても誰も来ないかも知れないし、自らの判断で行動しろって言ってたしね。行動あるのみ、準備が出来たら外にいくよ・・。」
急いで着替えをして、準備をする。いつものように鞄を肩から下げて・・。
「リオル・・鞄に入る?大きくなる?」
そうリオルに聞くと鞄の中に潜り込んできた。ひとまずは・・小さいまま一緒に行くらしい。
「ライム・・安全なところまで案内してもらってもいいかな?」
『うん、いいよ~、ここの事なら知ってるから安心して任せて~任せて~』
いつもとは違う場所に出た。いつもと言ってもまだ、何日もいないのだけれど・・。
そこは、少し高台になっていて、いつもの広場を見下ろす感じの場所だ、歩いている間、上り坂の感じは全然なかったのに・・。
桜の樹を挟んだ反対側に天馬に乗った人々が、武器を構えてこちらの様子をうかがっている。
これは、記憶の中で見せてもらったものと寸分違わずにそこにあった。過去の時代に居た神々だ。
天馬の群れの中に赤いシミのように見える、、天馬ではなく真っ赤な鳥が一羽・・忘れられるはずもない女神エリス、両親の仇。仇は、違うか・・我が家の敵。
「ねぇ、ここに居るのはわかってるのよ、イオグニス様のお嬢ちゃん・・。とっとと出ておいで。やっと見つけたんだから逃がさないわよ。前は、逃げられちゃったけど 今度は逃がすつもりはないの」
真っ赤な唇を歪ませて、こちらに話しかけてくる。
(でも、私のいる場所までは、解らないはず。。)
出口の傍の壁の陰に隠れて息をころして、見守ることにした。だって、見つからなければ大丈夫なはずだもの。
「さあ、でてらっしゃい!!・・隠れていても見つけるわよ」
待てども返事が無いことに苛ついたのか
「ま、良いわ・・今日は顔見世よ、見せしめにこの桜の樹を燃やしてあげるわ」
そう言うと女神エリスは、火の鳥の上で大きく右手を振り上げて、巨大な火の玉を千年桜に投げつけた。
「あーっはっは・・いい気味よ・・三日後にまた来るわ、その時会いましょうね。ここの民がどうなってもいいのなら構わないわよ。良く考える事ね・・」
そう言うと、一瞬にして、空の一団は、かき消えた。
「あぁ、母様の大事にしていた桜の樹が燃えてしまう・・どうしたらいいの?お願い、誰か助けて・・。」
頬を伝う涙が、燃え盛る桜の樹の炎に照らされ・・赤い涙に見えた。
その時、『ミオ・・ワタシヲヨンデ・・ワタシノナハ・・サクラ』
え・・??
聞き覚えのある声・・魔物の襲撃があった朝、私を呼んだ声だ。
「サクラ・・? 」
その時、一斉に周りにいたドラゴン達が、騒ぎ始めた。
いよいよ、あの謎の声の登場です。次回は、サクラのこと、詳しくかきますね。




