継承者
過去の出来事を情報で教えてもらった美桜でした。
『ここまでが、貴方に伝えるべき部分でしょうか?』
目覚めた美桜に【プロメテウス】が、話しかけた。
「そう、こんな事になっていたのですね。何も知らずに過ごしていた自分が、恥ずかしいです。」
『一人逃がされた美桜にエリス様が、探知魔法で呪いをかけてきたんだ・・。それで僕たちは、美桜を見失ってしまったんだ・・。』
ライムが、申し訳なさそうに話す。
『美桜の意識が、在ればすぐに見つけられるとおもったんだけど・・呪いで記憶を封印されてしまったらしくて、美桜を見つけるのが遅くなってしまった。でも、神々たちよりも先に美桜を見つける事が出来たのは、幸運でしかなかったけどね・・。』
そうだったの・・幸運か・・・。
「状況は何となくだけど、理解したわ・・、この先どうすればいいの?」
『ドラゴンの話を聞きましたか?』
「ドラゴン?・・イオの事ですか?」
『イオもそうですが、ドラゴンはとても興味深い生き物で・・時空の旅が出来るのです。』
「時空の旅?ですか?」
『そう、、彼らは時空を座標に置き換えて旅をすることが出来るのです。ただ、今の人類はそれをドラゴンに命令することも方法も知らない・・忘れられてしまったのです。でも、彼らはそれを知っています。未来を見る事が出きるということです。勿論、過去にも・・。』
「・・・ドラゴンの能力を引き出さないといけないということですね。」
『ドラゴンが言うには、近く女王の卵が火の中から現れるって事なんだよね・・おしゃべりな妖精が噂していてね・・僕も気になっていたんだけど・・。』
ライムの部下の妖精達だろうか?
『さて、美桜さんは・・この先のどうしたい?神々と戦う?過去に戻って両親を救う?・・君のしたいように決めていいよ、それによって私も協力しよう。』
「私が、どうしたいか・・。」
両親を助けたい・・。だけど、その為には力がいる。
・・一人では無理だから仲間もいる、でも私の為に迷惑をかけるなんて・・、そもそも仲間がいない??
『知恵の賢者プロメテウス様とこの星の住人の妖精や魔物も、みんな美桜の味方だよ・・今の妖精王は美桜なんだからね・・イオグニス様から力を与えられているのだから・・。』
「私が・・妖精王・・・??」
『イオグニスと花音の娘ですから、勿論継承者であることは間違いありません。私が証人です。』
「でも、そんな・・急に言われても・・・困ります。」
『うん、確かにそうだねーー、今日の所はここまでにして一旦地上にもどるね。』
『そうですね、ゆっくり考える時間が必要かと思われます。気持ちが固まってからでも間に合いますから・・先ほどの記憶の中に魔素の使い方も挿入しておきました。そちらは、宜しくお願いしますね。』
『魔法が、使えるようになるってことか・・うん、大丈夫、ルールー達と相談しながら進めるよ。』
「魔法が使える??」
その会話にビックリして問いかけた。
『そりゃそうだよ・・・だって、妖精王なんだから・・』
「えぇーーーーー」
『では美桜さん、私の回路と接続したままにしておきますので・・何かあれば話しかけてください。私も今の人類の情報を得たいと思いますので・・』
目の前の床からの暖かな光の環が現れた。
大きな丸の中に星のような模様がある転移門と呼ばれていたものだ。
「転移門・・」
『それでは、中央へと移動お願いいたします。これより地上へと転移させていただきます。』また、無機質な女性の声で告げられる。
息を呑む瞬間に目の前の風景が、変わる。そこは、父母と暮らしていた場所。
『さ、急いで部屋にもどろう・・。』
あ、リオル・・・と思い出すと『ウォン(忘れないでよ)』と肩掛け鞄を口に咥えた大きなリオルが、後ろにいた。
「ごめんね・・いろいろ驚いちゃって・・さ、部屋にもどろう」
鞄を受け取るとリオルが小さくなり鞄の中に潜り込ん出来た。
部屋に戻る前にもう一度振り返って・・懐かしい住居を見つめる。
其処には、居ない父と母の姿が、目に浮かんだ。
「必ず・・助けに行きます・・それまで待っていてください。」
今度は、振り返らずにライムの後を追って廊下へと駆け出した。
妖精王の継承者として、立上ることになるであろう予感が。。、




