記憶の欠片
ちょっと、長いです。
あれもこれもと・・・とっ散らかってます(((´∀`))ケラケラ
着替えもそこそこにベッドに潜りこむ。精神的に張りつめていたこともあり、眠れるか心配だったけど、杞憂だったようだ。すぐに意識を手放した、「目が覚めたら全部夢でしたなんてこと・・ないかな?と思いながら・・。
リオルが、枕元で鼻を押し付けてくる・・お腹がすいたのかな?そろそろ起きなきゃ・・と。
『ちょっと、大事なお話があるんですよ~聞いてくだささい!』
とお腹の上でスライムがポヨンポヨンと弾んでる。
「地味に響いて痛いんですけど・・・」
上半身を起こして思いっきり欠伸をしながら伸びをした。
体の彼方此方でポキポキと不協和音を奏でる。
「うーん、かなりお疲れだわ・・」
そう言えばルールーが、言ってた本来の姿に戻すとか。。一体なんなのだろう?
とても気になるんだけど・・ライムに聞いてみるか
「ルールーが、本来の姿に戻すっていってたけど・・それってどういうことかな?」
『えーとね、僕たちが15歳まで美桜のお世話をする予定だったの、でも見失って・・・美桜に迷惑かけちゃったのね。食事も教育も満足に供されなくて、発育不全?みたいなのね?だから一気に三年分の恵みを上げようと・・。』
いや、待って・・三年分一気にって??いや、いや、ありえないから・・。
そう思った途端に体中に痛みが走る。地味に痛い。全速力で走った後のように節々に痛みを感じる。手足は無理やり引っ張られているような感覚がたまらなく辛い。痛みのせいか脂汗が出てくる。
(頼むから・・やめて~・・・どんな拷問よ・・)
私は知らなかったが、本来の私へと変貌を遂げる体の成長の痛みだった。俗にいう成長痛でらしい、痛い・怠い・・・浅い呼吸しかできない。深く息を吸い込むと体中に稲妻が走ったように痛みが走る。
痛みも辛いが考えることが、沢山ありすぎて知恵熱が出てきそうだ。
『これ痛み止め!飲むと楽になる・・ハズ』
スライムのライムが手?触手??に丸薬を載せてこちらに押し付けてくる。見るからに苦そうで水無では、飲めそうにないのだけど・。
すると器用に手?を伸ばしてテーブルの上のコップに水を入れて私へと届けてくれる。スライムって便利かも?なんて事を考えていた。
『み~~ず~~』
薬を飲み終えるまで 離れてくれそうにないので渋々飲むことにした。でも、本当に苦そうで目を瞑って一気に飲み込んだ。(ああ、やっぱり苦い・・・・なんとか飲めた)
飲み込んだ安心感でほっと溜息をついた。そんな私をリオルとライムがじっと見守っていた。心配をかけてしまったのかもしれない。
『このは花音が作ってくれたお薬だよ・・花音はお医者様だったんだ』
「ライムは、本当に母様と父様のこと知ってるのね、勿論、私の事も・・。でも、私はぼんやりとしか覚えていないのよ。本当にごめんなさい。今までずっと忘れて居たことも・・・ごめんなさい。これから沢山教えてくれるかな?」
そういうと、ライムの手が、伸びてきて私の頬を優しく撫でた。
『大丈夫~、「記憶の欠片」飲んだからもっと思い出すよ・・痛み止めの中に入ってるんだ。だから・・横になってもう少し眠るといいよ・・』
手(触手??)で私の体を押して、毛布を上から掛けなおしてくれた。
(本当にスライムって器用だ)
そんなことを考えながら私は、すぐに夢の中の人となる。
「母様とみぅの髪は、真っ黒で~、父様の髪はまっかっかで~きれい!!おでこのお星さまもまかっか~」
「美桜のおでこの石もまかっかですね~、ピジョンブラッドって言うらしいわ・・」
「ぴじょーぶらあどー」
「父様の額に真っ赤な石があるでしょ?王様の印なのよ」
微笑みながら母が、言った。
「とうさまはおうさま?かあさまには、ないの~?」
「母様は、他所の所から来たからないのよ。奇麗な色なのにかくしてしまうのが勿体ないわね」
「母様のお目眼は、真っ黒で~、父様のお目眼はまっかっかで~、みぅのおめめはお花のいろだね~」
「美桜は、父様と母様の子供だからお花の色なのよ・・母様の田舎では菫色って、言ってたわ」
「すみれいら~?」
「それにラベンダーなんかも紫色ね・・美桜のおめめはパープルサファイアらしいわ」
「ぱーぷうさふいあ~」
そう言いながら額に手を触れて、呪文を唱えた。
「さ、これで見えなくなったわ。それと、母様と同じ色にしましょうね」
「かあさまといっしょ~」
母が、だきよせて私の髪を撫でる。そんな母の顔が、少し寂し気に見えたきがした。
赤ちゃん言葉が、まだ抜け切れていない・・・多分5歳位の記憶だろうか?
ライムのくれた丸薬の中の記憶の欠片の効果なのか?幼い頃の私の夢を見た。
「美桜のおでこの石は、珍しいからね、隠しておかないと悪い人に攫われちゃうだろ。父さんは、戦えるからいいけど、美桜はまだ魔法が使えないからね。」
「みぅもまほうでえい!ってやっつけう~?・・それってすごい??」
「そうだよ、とっても凄いことなんだ。だけどちゃんと使えるようになるまでは、秘密だよ。約束できるかな?」
「うん、おやくしょくするぉ~ゆびきりげんまん・・うそちぃたらはりせんぼんのーましゅ」
父の膝の上に載せられて、父と話した記憶だ。
「さ、父様もお星さましまっちゃうね・・。」
そういうと、呪文を唱えた。
父は、真っ赤な髪を腰まで伸ばし、背中で軽く一つにまとめていた。眼も赤いが、少し深みを帯びた赤でどちらかというと同じ赤でも「紅色」だろうか?
額の真ん中に星の形で、真っ赤なルビーがついている。精霊王の証だというそれは、瞳よりも輝いていて、この石に込められている魔力は膨大な量らしい。
「奇麗な髪なのに勿体ないわね・・」
そう言いながら母様が、父様の髪を櫛梳りながら呟く。
「二人で決めたことじゃないか・・家族で穏やかに暮らすために・・。髪など君たちに比べれば惜しくもなんとも無いよ。」
精霊王の証だというそれは、瞳よりも輝いていて、この石に込められている魔力は膨大な量らしい。
それ故に石を巡り命を狙われることも度々だったそうだ。石だけでは無く、その美貌もまた、争いの種となったらしい。
争いを好まず穏やかに過ごすことが出来れば良いのだといつも口癖のように言っていたが、好むも好まざるも関係なく争いに巻き込まれていた父だからこその思いだったのだろう。
母たちが、この星に住みつくまで、この星は、地球的知識でいうところの神々と精霊の住む星だった。だから神様もいるし、精霊もいる。(父は精霊王だし)
神々は、暇を持て余し思い思いに過ごし戦を起こしたりしていた。そんな神々を疎ましく思っていた父に事あるごとに難癖をつけてきたらしい・・。
怪我を負った父を助け看病をした母に心の安らぎを覚え、一緒になったそうだ。
二人を引き合わせたのが、ライムらしい・・・。
「ライムと知り合わなければ、美桜は産まれてこなかったのよ~」
などと目を細めながらライムを見て話した。
ライムの方も聊か得意げである。
私の中に記憶の欠片が、降り積もるように・・・失っていた昔の記憶を思い出させる。
そして神々が、欲しがった「英知の鍵」【プロメテウス】の記憶も私の中に降りてくる。
てことで、過去一部をご案内しました。
次も急ぎ仕上げる予定です。(あくまでも予定!!)
それでは又、ごきげんよう^^