7/9
第三話 夕暮れはもう違う色 後編
「お待たせ」
俺は喫茶店にいる亜綺に話しかけた
これはつきあい初めてから三日で作った二人だけのルール
俺が部活で遅くなる日は亜綺が喫茶店で時間をつぶし一緒に帰る
俺たちの家は近い(ってか隣)
なので登下校は一緒にしている
そしてうちには滅多に親がいないのでたまに飯をつくってくれる
他にも部活のない休日はデートしたりと俺たちは楽しんでいた
しかし…
それはある日壊れた
「彰君これ食べて」
昼休みにクラスメイトの橘 綾瀬から弁当を渡された
「いらん、亜綺が作ってくれるしな」
そう言うと綾瀬はキョトン顔で訊ねた
「聞いてない?
早乙女さんに頼まれたんだけど」
「それは悪かった
わざわざありがとう」
俺は綾瀬から弁当を受け取り屋上へ行った
「何そのお弁当」
亜綺は俺の持っていた弁当箱をみて俺に聞いた
「何って綾瀬から渡されたんだけど
亜綺に頼まれたって言ってたけど」