正解への法則性1
「……貴様なっ……何のつもりだっ⁉」
「何って……暖かかったから……」
「俺じゃなくてメイカに行け!」
「え〜、ヤダよぉ、ボクだって男にくっつかれるのは〜」
「俺だってメイカはヤダ」
何だか騒がしい声がして、その声で私は目を覚ました。洞窟の中心で燃える炎はまだ小さく残っていて、外の銀世界とは全くの別空間の薄暗い洞窟内、そんな場所で朝からにぎやかなやり取りをしているのは、思った通り、茶髪の美女とその相棒の長髪の男、そしてその従者だ。
「も〜……朝から何なの?」
まだ寝ぼけている目をこすりながら声の方向を向けば、茶髪の美女ミズミが顔を赤らめて立ち上がっていた。そんな彼女の足元で座っているのは長身の男ハクライ。昨日は貧血気味で調子の悪そうだった彼も、食事を摂って一睡したからか、顔色はいつもどおりだ。見れば彼の座っている膝の上には、寝床用の毛皮が二つほど積み上がっている。
「あ、ティナ、おはよー」
起きた私に気が付いて、あののほほんとした空気で挨拶してくれるのは男の方だ。美女の方は一瞬私を見ただけで、またも長髪の男に声を荒げていた。
「ティナに行かなかったことは良しとして……貴様、コレで二度目だからなっ、次やったら殴るだけでは済まさんぞ!」
顔を赤らめて怒る彼女の様子にぽかんとしていると、二人を見守るような位置で立っていた細身の男が呆れるように首を振ってニヤけていた。
「仕方ないじゃないですかぁ〜。きっと血が足らなくて寒かっただけですよぉ〜。大目に見てあげたら良いじゃないですか」
「そうそう」
などとウリュウの発言に同意して頷く相棒に、ミズミは怒りに腕を振るわせていたが――諦めたようにため息をついて、怒りを落ち着けていた。
「……メイカ、さっさと飯にしろ」
「はいはーい、もー八つ当たりはいけませんよ、スティラ様〜」
生意気な従者の発言に、ミズミの舌打ちする音が響いていた。




