『人付き合い下手』
「松野君、来月のゴルフ、先方の会員のゴルフ場になったから、こっちのは、キャンセルしておいてくれ。」
「はい、部長。かしこまりました。」
「あー、それから松野君、今日、会合が入ったから、運転手たのむよ。」
「はい、部長、かしこまりました。」
「それでね、松野君…」
「先輩。営業の松野さん。すごいっすね。部長に付きっきりで、人付き合い上手なんすね。」
「お前には、そう見えるか。」
「はい。見えます。」
「ふ~ん。お前さ、松野さんに教えてもらえば。早く出世できるかもよ。」
「マジっすか? 松野さん教えてくれますかね?」
「お前、次第じゃん。……じゃぁ、お疲れ。帰れるわ。」
「先輩、今日もBARですか? 俺も連れてってくださいよ。」
「いずれな。お疲れさん。」
「まったく、先輩は人付き合い下手だなぁ」
帰宅途中の重いBARの扉を開けた。
「こんばんは、須田さん。いらっしゃいませ。どうぞ。こちらへ。」
いつもの、カウンター中央の席に案内された。
「こんばんは、マスター、ドラフトお願いいたします。」
「かしこまりました。」
マスターのグラスに注ぐビールを見ながら、さっきの話を思い出してしまう。
人付き合いって上手って、アイツ解ってないな。あれは、人付き合い下手って言うんだ。自分を殺してるだけの使い走りだろ。上司にヘラヘラして、人の顔色伺って、部下にあたって、ペラペラとあることないこと話まくる。 あれが、上手に見えるのか?理解できん。
「お待たせしました。」
好きな、ドラフトを乾いた喉に流し込む。あぁ、たまらない。
「ふぅ。おいしい。」
「ありがとうございます。」
「マスター」
「はい。何でしょう?」
「マスターが思う、人付き合い上手な人ってどんな人?」
「付き合い上手ですか。……そうですね。私達、バーテンダーのような人かもしれませんね。」
「え?」
「BRAって割と特殊な場所なんですよ。重い扉を開けて入る。そこは、現実とは違う場所なんです。 BARカウンターは『止まり木』とか『宿り木』とも呼ばれましてね。休む場所なんです。そこにいるバーテンダーは、その休んでいるお客様の囀りに耳を傾けるのです。聞くだけです。賛同もしません。上手に距離をとり、時には上手に嘘をつく。そして、私達バーテンダーは、ここで聞いた囀りは決して誰にもしゃべりません。いつも、冷静に考えてます。ここにいるからこそ、そういう判断ができるのでしょうね。」
「マスター、カッコいい。」
「ありがとうございます。」
「ここは、BARです。お酒と上手に語り合ってください。」
読んで頂き誠にありがとうございます。
今日のTwitterトレンド『人付き合い下手』『人の顔色』です。
また、短い文章だなぁw
この内容だと、『人付き合い上手』だよな~
自分でツッコミいれたくなる(´-ω-`)
緊急事態かぁ……BAR行ってないなぁ
お酒は飲んでるけどw
それでは、またお会いいたしましょう。( *´艸`)
あー、他のも、書かないとw