目覚め
霧雨魔理沙はいつものように目が覚めた。汚い部屋をぐるりと眺めてから軽くため息を吐き、白米を炊いて食べる。そんな普通の朝であった。
朝食を食べ終わるとさっと洗って昨日の研究の続きを始めるものの、何かが上手くいかないことにむしゃくしゃする。そこで魔理沙はパチュリーのところから幾つか本を借りることにした。
箒で少し飛んでいき湖を超えるといつもの門がある。しかし、珍しい事に門番が起きている。起きているときは大体妖精と戯れているのだがその様子もない。魔理沙は大いに悩んだ。
「・・・裏からまわるか。」
起きているなら普通に話せば中に入れてもらえると思ったものの第六感がそれを拒んだのである。あの溢れ出ている妖気はどうにも美鈴らしくなかった。
(これじゃあ泥棒みたいだな)などと思いながらこっそり中に入り図書館に侵入する。しかしそこにいつもの本の虫はいなかった。
おかしい。どう考えてもおかしい。その考えは魔理沙の足を主の部屋へと向かわせた。
主の部屋に向かう魔理沙であったが、途中にある応接間から声が聞こえてきたので歩を止め、耳をすませた。
「___本当に感謝しております!」という商売人のような声色を聞いた時魔理沙は驚いた。
河童である。ドア越しでもわかる、あの声は河童である。「何をやっていやがるんだ...?」と思い耳をドアにくっつける。
「___気にする必要は無い。それで、ちゃんと買わせてくれるのよね?」
「もちろんでございます!今後も援助していただけるのでしたら格安でご提供いたします!」
「ふむ、よろしい。咲夜」
「はい、ここに。」
「足りるかしら?一応数えさせてあるんだけど。」
「ひい、ふう、みい、・・・はい、ぴったりでございます!」
「じゃあ時計台の改造とセットでたのむわね。」
「はい、おまかせを~!」
そういうとドタドタとこちらに向かって走る音が聞こえたため、魔理沙は近くの柱に咄嗟に隠れた。
(行ったか・・・)そう思った魔理沙が柱の陰から顔を出した、と同時に頭に強い衝撃を受け魔理沙は前に倒れこんだ。
「泥棒ネズミ、あなたはどのくらい聞いていたの?」朦朧とする意識の中咲夜の声が聞こえてくる。
「友人のよしみで命は助けてあげる。下手な事に首を突っ込まないことね。・・・パチュリー様。」深いため息が聞こえたと思うと、次の瞬間魔理沙は気を失った。




