月からうさぎが降って来た?
きのせいだろうか。ふと月をみたくなってベランダに出て、上を向いたら、月に見えた兎っぽい影が動いた気がした。
目を凝らして確認しようとしたけど、もうそんな影は消えていて。きのせいだったと納得しかけた時、目の前 ベランダのてすりに影が降り立った。
大きな月に照らされたそれは、どう見ても兎耳の生えた人型で。お水をください、そう言う声は少女のもので。
魔法にでもかけられた気分になったぼくは、レモネードを二つ、作ることにした。この非現実がすっぱさで冷めるかどうか、確かめるために。