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はぜろ異世界!  作者: 阿川新
4/4

むさいオッサンと可憐な少女

 尾行――それは、対象者に気付かれる事なく後を追うこと。極限まで自分の存在を消すため、尾行者はある時は物陰に隠れ、またある時は道順を読んで先回りして、あたかも最初からそこにいた様に見せかける。

 で、何で俺がそんな話をするかと言うと……

「これで、アンパンとコーヒー牛乳があればな……」

 只今、絶賛尾行中だからだ。

 俺は、石造りの建物の影から顔を出して対象者を睨めつける。

 商店の建ち並ぶ大通り。昼前というのも手伝って賑わいを見せるその只中に、頭一つ飛び抜けたその屈強なシルエット。日光を浴びてキラリと光る幾本かの白髪。そう、対象者というのは相棒のサヴァンだ。

 正直、かなり目立っている。これなら一キロメートル離れていたとしても見分けられるだろう。

 と、不意に背後に誰かの気配を感じた。さっき誰もいない事はチラッと確認した筈だが……

「……にいちゃん、あんたさっきから何してんだ?」

 そう言って肩を叩いてきたのは、いかにもみすぼらしい格好をしたオッサンだった。多分、ここらを徘徊しているホームレスだろう。

「うっせぇうっせぇ、あっち行ってろ」

 目をサヴァンの方に向けなおし、俺は手指を曲げ伸ばししてどっか行けのジェスチャーをする。

「そんなこと言われても、ここ俺の寝床なんだけど……」

「……」

 何か言ってきているが、無視を決め込む。が、

「なぁ……にいちゃん、聞いてるか?」

 と、しつこい位に肩を揺すってくる。ウザい事この上無い。

「ああっ! じゃあそこで静かに、大人しくしといてくれ。気分がぶち壊れるだろうが!」

 俺は地面を指差して、そこにいろのジェスチャー。だが、当の本人にはあんまり伝わっていないみたいだった。その証拠に、

「にいちゃん……あんた、優しいなぁ~」

 のほほんとした顔で今度は俺の腹を肘で小突いてくる始末。こいつには、何を言っても無駄の様だ。

「はぁ、よく言われるよ……」

 そんな風に適当にあしらっていると、サヴァンに動きがあった。ふらっと、商店の中の一つである二階建ての花屋に入っていった。かと思うと、数分足らずで出てくる。

 その左手には花束。そして右手に握られてるのは、小さくか細い少女の手。そう、少女の手だ。サヴァンの横には、この前と同じ麦わら帽子と純白のワンピースの似合う乙女がいる。

 そしてサヴァンの野郎は、その少女と会話して年甲斐も無くはにかんでいる。何か気色悪い。いや、相当気色悪い。

「アイツ、やっぱりそういう事なのか……いや、もしかしてああいう……」

 嫌な考えが俺の脳裏をよぎっていく。

「……俺はそういう事だと思うけどなぁ~」

 いつの間にかオッサンは、俺の横でおんなじように覗いていた。

「勝手に人の話に入ってくんな!」

「エヘヘ! ついな」

「ついじゃねぇよ、全く……とと、そんな場合じゃなかった!」

 俺は急いでサヴァンの後を追う。しかし、

「おい! にいちゃん!」

「今度は何だよ!」

 俺が足を止めて振り向くと、オッサンは歯の無い口を開けて笑っていた。けど、不思議とその佇まいにはさっきまでの汚さを感じない。どちらかというと、気品みたいなものを感じた。

「何か困った事があったら、いつでも来なさい」

 そう言われてもこいつに頼ることは無さそうだが……

「……まぁ、気が向いたらな」

 俺は捨て台詞を吐いて、その場を後にした。

 

          ///

 

 俺がサヴァンと少女の密会を目撃したのは、二日前の事。ふらっと立ち寄った露店で食事を終えた時だった。

「イヤ~、美味かった。たまには知らない店に入ってみるもんだな~」

 そう料理の詰まった腹をさすっている所へ、見たことのある姿が歩いてきた。が、何かいつもと違う。華があるというか、幸せそうというか、普段よりも老け込んで見えるというか……もっとこう、父親のような………………父親?。

 サヴァンの傍らに目をスライドさせる。そこには、麦わら帽子の似合う可愛らしい少女。

 違和感の正体に気付いた俺は、急いで露店の陰に隠れる。そうした理由は分からない。ただ、ヤバイ雰囲気を察知して体が勝手に動いた。もうちょっと詳しく言うと犯罪的な事。

 しかし、その少女には怯えた様子は無い。むしろ表情は柔らかく、サヴァンの話に微笑んでいる。

 一見幸せそうだが、怪しい。ものすごく、怪しい。人身売買とか、幼女を……アレするとか、浮かんでくる色々な妄想。これは俺がどうにかするしかない。サヴァンの相棒としても、あの少女の為にも。

 そう決心して尾行したのだが、

「……おかしいな」

 やってる事と言えばほとんどショッピングだった。

 行程をざっくり説明するとこうだ。

 雑貨屋で小物を物色→サヴァンはトイレに行く→露店で果物を買って共に食べ歩き→武器屋で愛用のハンマーを点検してもらう→再び、サヴァンはトイレに行く→洒落た料理屋で、これまた洒落た料理を食べる→再三、サヴァンはトイレに→そして、彼女を花屋まで送り、帰宅。

 と、サヴァンの頻尿さえ置いておけば、仲良く買い物をしているだけだった。しかし、この行動には絶対に裏がある。

 そう思った俺はこうして本日、二度目となる尾行に討って出た。

 そして、開始から数時間。

 俺の膀胱は刻々と限界に近づいてきている。が、まだサヴァンに怪しい動きは無い。というか、尾行してから一度たりともそんな動きを見せていない。

 今は雑貨屋を物色中の二人。俺は開け放たれたガラス窓から中の様子をうかがうと、サヴァンは陳列されたぬいぐるみを見ていた。その中から一つを手に取り、少女の元へと向かう。

「なぁ……これは、その……ど、どうだ?」

 動作のぎこちないサヴァンの手には、猫のぬいぐるみが握られている。それを少女は凝視(ぎょうし)して、

「……ううん」

 と、首を横に降った。

 げんなりとするサヴァン。少女はタタタッとぬいぐるみ群の方に走っていき、芋虫のぬいぐるみを手に取った。

「そ! ……そんなのが、良いのか!? ……」

 まるで、天地が逆転したかの様に驚き、思わず本音が漏れてしまっている。そこは嘘でも肯定しとけよ。

 しかし、何だかんだで楽しそうな二人。

 俺は考える。もしかして、あんな妄想やこんな妄想は俺の早とちりだったのか、と。

 いやいや、無い無い。もしそうなら、こんな事をしている俺は馬鹿みたいじゃないか。

 そうだった時の俺を想像すると、自然に笑いが込み上げてきた。しかし、次の瞬間冷静に考えてみると、

「……まぁ、馬鹿ではあるか」

 そんなどうでもいい呟きをしてしまう程、尾行というのは暇だった。

 

           ///

 

 しかし、そんな膠着(こうちゃく)状態もついに終わりの時を迎えた。

 今までぶらぶらと歩いていたサヴァンは、ふと曲がり角で立ち止まる。かと思うと、いきなり、少女の手を引いて人気の無い細い路地に駆け込んだ。

「……ついに本性を表したやがったな、サヴァン! 目を覚まさせてやるッ!」

 俺は急いで追いかけ、意を決して路地に向かう。探偵として、確固たる証拠をみすみす逃すような事はあってはならない。そう、探偵として。

 俺は曲がり角を猛スピードで曲がり、

「うわわッ!」

 何故か、道いっぱいに分厚い扉が立ち塞がっていた。いきなりの事でブレーキをかける暇なく、激突。その衝撃で倒れかけた所に伸びてきた筋肉質な腕が、俺の首を締め上げた。

「うぐッ!……」

「お前何者だ! 何故俺らを付ける、答えろ!」

 その低く重い声には聞き覚えがある。

「……サヴァン……お、俺……だ……キ…………」

 酸欠のせいで上手く言葉を発せられない。徐々に視界が狭まっていく。

「どれだけ時間稼ぎしても無駄だ! 理解したなら、余計な事は言わず質問にだけ答え……ん? お前、キッドか!」

 しかし、依然として腕の力を緩めない。

「……分かっ……たなら……う、腕を……」

「あ、あぁ。すまん」

 そこでようやくサヴァンが腕の力を抜くと、肺に流れ込んでくる酸素。それが喉を刺激して俺は咳き込んだ。

「というか、何でお前が俺を付けてるんだ?」

「ゴホッ……それは、お前を止める為だ! ゴホッ」

「俺を? 止める?」

 建物の開け放たれた入り口を背にしたサヴァンは、眉根に皺を寄せる。と、その横からひょこっと顔を出す少女。さっき買って貰っていた芋虫のぬいぐるみを腕に抱いている。

「もう……いいの?」

 少女の問いに、サヴァンは柔らかい笑みを見せる。

「あぁ、もう大丈夫だ。怖い思いをさせて悪かった、ルア」

 ルアという名前らしい少女は、首を横に振った。

「ううん。サヴァンおじちゃんと一緒だったから大丈夫だった」

 そうして、大きめの麦わら帽子を押さえながらサヴァンを見上げる。

「この人、誰?」

「こいつは俺の……まぁ~、何というか、お仕事仲間だ。がさつな奴だが、害は無いから安心していい」

 何で俺との関係を濁したのか分からないが、そんな些細な事はどうでもいい。とにかく、俺は息を整えサヴァンに掴みかかった。

「サヴァン、目を覚ませ! その少女以外にも女はいくらでもいる。金だって、稼ごうと思えばいくらでも稼げる。だから、よく考えてみろよ!」

「おっ! おいおい! お前、何勘違いしてるんだ?」

 相棒の目は真ん丸く見開かれる。

「惚けようったって、そうはさせない! えーっと、その……ルアちゃん? をどうするつもりだった!」

 それに、サヴァンは、「……お前の考えてる事は、だいたい分かった」と、大きく溜め息をつく。

「なぁ、ルア。今から行くところを、このバカに教えてやってくれないか?」

 それにルアという少女は「うん」と頷き、

「お父さんのお墓参り」

「えっ?」

「ルアのぉ、お父さんのぉ、お墓参りぃ」

 斯くして、俺の探偵業は少女自らの証言で廃業と相成った。まぁ、最初からそんな気はしてたけどな。

「……ところで、サヴァン。トイレって、どこ?」

「知るか。その辺でしてろ……」


           ///

 

 墓に祈りを捧げた後、サヴァンは話を始めた。くわえた葉巻の煙が天に昇っていく。

「……ルアの父親と俺はコンビを組んでたんだ。今の俺とお前の関係みたいにな……」

 原っぱで蝶と戯れるルアを眺めるサヴァン。その表情は昔を懐かしんでいる様に見える。

「アイツは後先の事を考えない性格で、それが原因でよくケンカをした。勝手な真似はするなとか、周りをもっと見ろとかなんとか……今思うと、本当にどうでも良い事でな」

 そう言い、サヴァンは鼻で笑った。しかし、それはほんの一時だけで、次の瞬間には顔から感情が読み取れなくなった。喜怒哀楽のどれにも当てはまらない、無表情に近い感情的な顔。

「最後に会ったのは四年前だ。アイツは俺の家に突然来て、

『もしも…………もしも俺に何かあったら、スイーナとお腹の子を守ってやって欲しい。いきなりで勝手な事だっていうのは分かってる。それをお前が嫌いなのも……でも、こんな事を頼めるのはお前しかいないんだッ! 頼んだぞ、相棒!!』

 肩を掴んでそう矢継ぎ早に話したかと思うと、俺の制止を無視してアイツは行っちまった。これは後から聞いた話だが、その時アイツの彼女はある組織に誘拐されていたらしい。そいつらは『リリス』とかいう、誘拐した人々を奴隷に調教して金を稼いでる連中だそうだ」

 サヴァンは淡々と語っているようでいて、実際は業腹に違いない。その証拠に、力強く噛んだ跡が葉巻に刻み込まれている。

「そうして帰ってきたのはアイツの彼女スイーナと、そのお腹に宿ったルアの二人。……結局、アイツは戻ってこなかった……スイーナもルアもほっぽり出して、一体何処へ行くっていうんだろうなぁ……」

 そうして、短くなった葉巻を踏んづけて火を消した。吸い殻からはもう煙は立っていない。

「……ありがとうな」

「何が?」

「……長い話に付き合ってくれてだよ。この野郎っ!」

 サヴァンは俺の首を絞め、こめかみに拳を擦り付けてくる。

「い、いきなり何だよ!?」

「俺からのお礼兼ロリコンの容疑をかけた罰だ! 文句を言わず受け取っとけッ!!」

「これのどこがお礼だ! オッサンの二の腕なんてどこにも需要ないんだよッ!!」

 サヴァンのゴツゴツした拳は普通に痛い。

 そこにトテトテと寄ってきたルアは、小さな手でサヴァンの服の裾を引っ張る。そのおかげでグリグリ攻撃から解放された俺は、こめかみの部分を指で揉み込んだ。少しは手加減しろよな。

「ん? もう蝶々さんは良いのか?」

 サヴァンの問いに、ルアはふるふると首を振る。

「サヴァンおじちゃん! 蝶々さん捕まえてっ!」

 それを聞いたサヴァンは、勇ましく腕まくりをする。

「何だ、そういう事ならお安いご用だ! よーし! キッド、お前も手伝え!」

 その表情には、さっきまでの空気を感じさせない。

「全く……しょうがねぇなぁ! 足引っ張んなよ!」

 俺は指の関節を鳴らして、気合いを入れる。

「蝶々さんを捕まえるぞぉ~!」

「「おぉ!!」」

 駆けていくルア。少女を追いかけるサヴァン。それを尻目に、俺は改めて墓を見た。そこには故人の名前と享年、そしてこの人間の生きた月日が刻まれている。四年前で途切れたその命。

 俺は墓に手を合わせる。

 どうやったって死んだ人間は帰ってこない。でも、死んだ人間の望んだものは守ってやれるはずだ。

 だから……

「……アンタはそこで、安心して眠りな」

 

          ///

 

 日暮れになり、眠たそうにしているルアを家まで送り届けにきた。ルアの家の前にはルアを大人っぽくしたような女が立っていた。どうやら母親らしいその人は、こちらに向かって手を振っている。

「お母さん!」

 サヴァンが背中から下ろすと、ルアは母親の元に走っていき下腹部に抱きついた。頭を撫でられて嬉しそうにしている。

「ちゃんとお父さんに挨拶してきた?」

 そう問われたルアは、さっきまでの様子が嘘みたいに元気に答える。

「うん! お花も置いてきた! それと、サヴァンおじちゃんと、えーと……キッドお兄ちゃんと蝶々さんと遊んだ!」

「そう、それは良かったわね。二人にありがとうって言った?」

「うん、言った!」

 少し遅れて、家の前にたどり着いた俺達。確か『スイーナ』とかいう名前らしい母親は、俺達に軽く頭を下げた。

「サヴァン、いつもありがとう。主人も感謝していると思うわ」

「別にお前さんに感謝されることは何一つとしてしちゃいない。俺がしたいから、やってるだけだ」

 そうは言うものの、サヴァンは赤くなった頬をぽりぽりと掻き、明後日の方角を向いている。何格好つけてるんだか……

「貴方もありがとう。えーと、キッド……だったかしら?」

 予想していなかった事に、俺は言葉に詰まる。

「ん? あ、あぁ。俺はマジで何もしてないけどな……」

 スイーナは「ううん」と首を横に振った。

「そんなことは無いと思うわ。じゃないと、サヴァンがあそこに貴方を連れていくなんて事しないと思う。ねっ、そうでしょ、サヴァン!」

「……どうだろうなぁ?」

 こっちからは表情は伺い知れない。けど、今どんな表情をしてるかは何となく分かった。

 その後、俺達はスイーナの作った晩ご飯をご馳走になった。スイーナの料理には懐かしい温かみがあって、無性に食べてしまった。


          ///


 

 俺達がスイーナ宅から出ると、空には星々が上がりもうすっかり夜の様相を呈していた。どこかから酔っ払いどもの笑声や怒声が聞こえてくる。

「サヴァンおじちゃん」

「うん? どうかしたか?」

 ルアに手招きされてしゃがむと、その頬に天使の口づけがなされた。すると、サヴァンはすっとんきょうな声を上げ、鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。

「バイバイっ!」

 ルアは自分のした事が恥ずかしかったのか、タタタッと家の中に駆け込んでいった。

 あはは、と笑うスイーナ。けれど、次の瞬間には真剣な表情でサヴァンを見つめ、

「サヴァン……あんまり、無理しないでね」

「……あぁ」

 そんな歯切れ悪い返事だったが、スイーナは「そう」と一応満足した様だった。

「じゃあ、また。キッドもまた遊びに来てやってね」

 それに、俺たちは思い思いの返事をして、スイーナとルアの家を後にする。後ろを見ると彼女は手を振っていた。それに手を振り返すと、彼女は(ほが)らかな笑顔を見せた。

 道を曲がり大通りに出る。

「いやー、美味かった。久しぶりにあんな美味いメシ食ったぜ」

 俺は満足感に浸って口笛を吹いた。が、何故かサヴァンは重苦しい雰囲気を漂わせている。

「なぁ、キッド」と、重い口を開くサヴァン。「俺って……オッサンに見えるか?」

 思考しても質問の意図したところは分からない。だから、とりあえず思った事を口に出した。

「んん? そりゃ、オッサンだろ。誰がどう見ても……」

 その俺の返答をお気に召さなかったのか、サヴァンは盛大なため息をついた。

「ハァー、やっぱりそうか……」

「何だよ、溜め息なんてついて。オッサンでもルアみたいな子が好いてくれるなら、それで良いじゃねぇか」

 その後に、「スイーナだって別に気にして無さそうだったぞ」と続けようとしたが、

「……まだ『二十七』なんだけどな」

 その意外すぎる一言に、体が硬直した。言葉の意味するところを全く理解出来ない。

「えっ……今、何て言った?」

 サヴァンは苦虫を噛んだような顔をして、頭に手を置いた。

「俺はまだ『二十七才』だ」

 俺の思考停止はまだ解けない。

「……マジか?」と、聞き返す。

 それに、「おおマジだ」と、答えるサヴァン。

 ヒューと、夜風が音を立てて俺たちの間を吹き抜けていった……

 ――人は見かけによらない――

 これが……尾行をして得た教訓だった。


          第三話、完

ありがとうございました。

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