プロローグ
ちょっと、息抜きに学園系を書いてみた( ´艸`)
この世界は、おかしいと少年は思う。無意味な戦いなど、何が楽しいというのだと。
悲しい瞳で、息絶えた親友を見つめながら。
雨が少年の、黒髪を濡らし土砂降りの中に少年の泣き叫ぶ声と嗚咽が響く……。
周りは、仲間が死んだのに見むきもせず少年を引きずっていった。少年は、まだちゃんと別れを告げてなかったのに。
そして、少年は泣きながら武器を構えた。
自分は、生きた殺人兵器。この世界に、慈悲など無い。だから少年は、神を信じない。
そこで、少年は目を覚ます。嫌な夢だ……。
「ノア、おっはよー。」
「アルカさん、おはようございます。」
「今日から、学生生活だね。昔のことは、忘れて青春を楽しみなさい。」
アルカと呼ばれた、金髪で青い瞳の魔女は優しく笑う。これでも、この世界で3本の指に入る実力者だ。そして、俺の3人目の師匠。
「アルカ、まだ時間には早いだろう……。」
「良いじゃない、ロイドの馬鹿。」
「ばっ、馬鹿って!」
茶髪で、緑の瞳の男が入ってくる。
「お前達、早朝から元気だな。」
「「うるさい、バルト!」」
銀髪で、紫の瞳の男が次に入ってくる。
「3人そろって、朝からどうしたんです?」
「お前さ、俺らの修行も終わって今度から学校じゃん?俺らとしては、お前に学生として楽しんでほしいんだ。」
「過去は消えない。でも、未来はまだこれからいくらでも作れる。」
「そうだよ、だから頑張って生きてね。楽しんじゃえ。じゃないと、フィーリスの名が泣くよ。君の父親もね……。」
「父さんか……。幼い頃に、この国のごたごたに巻き込まれて最後に見たのは父さんの死体だったから思い出も無いし覚えてないや。」
すると、3人は悲しそうにノアを見つめる。
「お前の親父は、とても強かった。何せ、俺らの師匠だからな。そして、親バカだったよ。奥さんも、2人ともお前を愛していた。」
「でも、お前が敵国に連れて行かれてすぐに奥さんは自殺した。夫と子をなくしたんだ、心から絶望したのだろう。」
「そっか、そうだったんだ。」
ポツリと、涙を流して言う。
「ちょっと、2人とも!」
「違う、こう言う話をしたかったわけじゃ無いんだ。さて、シャワー浴びてこい。」
「分かりました。あの、バルトさん。」
「何だ?」
「アルカさんが、覗きに来ないように見張っといてください。いちおう、俺も年頃の男の子ですからね。良いですか?」
すると、アルカはビクッとなってこちらを見る。バルトは、笑顔で頷いた。
「任せろ!」