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新・神臨物語  作者: 爆睡スランプ
第二幕 獅子身中の道化師

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第三章 懼れ

どうも、天義(ry

終盤だからか、一章毎の文字数が次第に減ってきています。

ま、その分、一話一話が読みやすくなったと思って見てやって下さいな(・∀・)

ちなみにタイトルは、『おそれ』です。

第一節:並列世界の神議しんぎ

現実世界の喧騒から遠く離れた、並列世界の静謐なる宮殿。

「……思いの外、最悪の事態を迎えることとなったな、デリス」

玉座に鎮座する威厳に満ちた男性――平和の御神マルクが、側近であるデリス(並列世界のデール)に語りかけた。


「虚無神が幽閉の身でありながら、神臨しんりんの儀を強行するとは。侮れぬ存在力ですな」

デリスは皮肉めいた笑みを浮かべる。五大神にはそれぞれの権能がある。洗礼のレイト、力のメノラ、生命力のマルク、眼力のサイファン。そして、ただそこに在るだけで世界を塗り替える「存在力」のツェッカ。


「おい、マルク!!」

宮殿の扉を蹴破るように現れたのは、怒り狂った戦乱の神メノラだった。背後には護衛長のミネルヴァとリルカを従えている。

「貴様の側近が招いた『影』のせいで、現実世界が崩壊しかけておるわ! どう落とし前をつけるつもりだ!」


「落ち着け、メノラ。アレを招いたのはワシの側近ではなく、その『三分影さんぶんえい』……実体のない影じゃ。お主の放った刺客とて、ツェッカの導きには勝てまい」

マルクは悠然と立ち上がり、冷徹な双眸を見開いた。

「……ここは、現実世界のデリス・C・ウィリウスに。そして、あの子らに賭けるしかあるまい。巫子みこの力を、信じるのじゃ」


第二節:時の行き交う場所、終焉の予兆

一方、純白の空間。

「レイト様、大変です!」

駆け込んできたのは、マルクの使者クリスだった。彼はレイト神の前に巨大な水球を浮かび上がらせる。そこには、地割れが起き、空が血の色に染まり、死者が跋扈ばっこする現実世界の地獄絵図が映し出されていた。


「……第三の終焉(エンド・オブ・サード)が、始まろうとしています……」

クリスの言葉に、レイト神の表情が凍りつく。

「なぜ、死者が蘇っておるのだ?」

「ツェッカ神の存在反応が強まりすぎ、生と死の境界が消失しているのです。……もはや、消すしかありません。かの神を、完全に」


レイト神は悲痛な決意を胸に、白の世界を後にした。彼女が向かうのは、かつてジーナに授けた「救済」という名の処刑、その結末を見届けるためであった。


第三節:再始動の誓い

現実世界、高原の隠れ家では、重苦しい沈黙を破るように旅立ちの準備が進んでいた。

「……よし。もう、大丈夫」

ジーナは、胸を焦がすような自責の念を押し殺し、アルヴェスに決然とした眼差しを向けた。

「私も、同行いたします」

エルノアの静かな申し出に、弟のアルヴェスは狼狽を隠せない。

「姉貴! 三源諸島がどれだけ危険か分かってるのか!? 呪われた刻印の渦中に身を投じるんだぞ」

「神々の知識において、私以上の適任者はおりません。それに、ジョンさんを救うための最後の一片……それを手繰り寄せる術を、私は知っている気がするのです」


「ならば、ワシも行こうかの」

タクトが静かに立ち上がり、腰の剣を確かめた。

「黒剣士の誇りにかけて、ここはデールに任せ、ワシがジーナ嬢とエルノア殿の盾となろう」


彼らが向かうのは、遙か西方。ジョンの気配が消えた絶望の地、三源諸島。一行は残された馬を走らせ、暗雲立ち込める荒野へと足を踏み出した。


第四節:霊峰の呼び声、蘇る死者

アルカンテス山脈の険しい雪嶺を越える道中、一行を包んでいたのは刺すような冷気と、不気味なほどの静寂だった。

馬を並べて進む中、エルノアが震える声で囁いた。

「……アル。信じられぬ報告を耳にしました。……あの子が、この世に舞い戻ったというのです」

「あの子だと?」

アルヴェスが眉を顰める。エルノアは、その名を口にすることさえ恐れるように、唇を噛んだ。

「……ルビスよ」


「……何だと!?」

アルヴェスの咆哮が、凍てつく山々に木霊した。

馬上で微睡んでいたジーナが驚いて顔を上げる。アルヴェスは「何でもない」と顔を背けたが、手綱を握るその拳は血の気が引くほど白く強張っていた。


「レスペルトの町で、死者が墓を暴いて歩いているという伝令がありました。真偽は分かりませんが……」

エルノアの言葉を遮るように、通信用の魔石を手に持ったタクトが近づいてきた。

「エルノア、この魔石の様子がおかしい。……嫌な予感がする」


エルノアが魔石に耳を寄せた。

『……姉さん……か。もう……決して……レスペルトに……戻っては……いけない……』

「ロベルト!? 何があったのですか!?」

弟ロベルトの、今にも消え入りそうな、絶望に染まった声。アルヴェスが奪い取るように魔石を掴んだ。


『……お兄ちゃん』


魔石の向こうから聞こえてきたのは、かつての記憶に刻まれた、あの幼く、鈴のような音色の声。

間違いなかった。十数年前、冷たくなったその身体を自らの腕で抱いた、最愛の妹の声だった。


「……ルビス? ルビスなのか!?」

アルヴェスの叫びは、吹き荒れる冬の嵐にかき消され、一行を飲み込もうとするヴェルン諸島の分厚い雲海の中へと消えていった。

御拝読有難うございました。

もう設定が来い状態ですが、それでも読んでいただき有難うしか言えませんww

大作はこの一作限りですが、好評だったら物書き続けようかと思おいます。

ま、ありえない話ですけどね(@_@)+

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