六話 入団
日刊ランキング152位。まあまあいい方ではないでしょうか。
「おきてください」
城の一室で寝ている黒髪の青年を起こすメイドさん。
「ふあ。なぁに?ねみゅいんだけど」
「ぐ。だ、だめですよそんな顔しても!起きてください」
もうおわかりだろうが青年の名はクロ。この物語の主人公である。「あっれー?成長してません?」と思った人たちもいるだろう。しかしそれは間違いである。
彼は人になることができる。さらにぬいぐるみのようなかわいい姿になることもできる。彼の変身できる姿は5個もあるのだ。ここで紹介しよう。
1、魔物モード キングリザード超異常個体 性格「暴れん坊」
2、のんきモード かわいいショタ 性格「のんき」
3、マスコットモード ぬいぐるみの様な小さな竜 性格「マイペース」
4、イケメンモード 今の姿。20歳ほどに見える 性格「快楽主義」
5、美女モード 「ToL〇VEる」に出てくる 性格「クール」
某殺し屋
以上だ。全部性格が変わるのであしからず。ちなみに強さは4>1>5>2>>>>越えられない壁>>>>3である。
「ふぁー。なんかあったのか?」
「騎士団の方々が帰られましたよ」
「まじ?それは楽しそうだっと」
メイドさんの言葉にやっとかと彼は文句を言う。そして起きあがる反動でくるっと空中で一回転する。彼はその一瞬でのんきモードに変わっていた。
「じゃあいこっかー!」
中庭に出るとそこには六人の女性がいた。
「ん?君は?………強いな」
「いやそうじゃないでしょ」
一番前を歩いて、最初に話しかけてきた人間の女に突っ込むエルフの女性。
「か、かわいい」
「あんたそういうタイプだったっけ!?」
さらに大剣を背負ったガサツそうな女性にも突っ込みを入れる。実に忙しい。
「ふふ。かわいい坊や。ちょっとお姉さんのお尻叩いてみない?」
「いきなりマニアックすぎるでしょうが!!」
さらにヤヴァイことを言い出すシスター。
「…」
「あれが新しい隊員でしょうか?」
じーっとクロを見つめる、杖を持った小柄な少女。そしてまじめそうなメイド服の女性。
濃い。それはクロに勝るほどの変人たちだった。
「はい!クロです。よろしくおねがいします」
「ああ、よろしくな!!私の名前はエレーナ・ライザル。一応公爵令嬢だ。戦闘職は魔法剣士。強いものは大歓迎だ!!」
どうやらこのチームのリーダーのようだ。ちなみに戦闘職とは戦闘の時の大まかな戦闘方のことである。魔法剣士は魔法と剣術を両方使うもののことだ。
「私はエリナだ。戦闘職は戦士。よろしくな」
次にあいさつしてきたのは大剣を背負った女性。頭を撫でられるクロ。撫で方はうまかった。
「私はルミナ・エルフォー。子爵令嬢ですわ。よろしくお願いいたします」
さっきまでの変態ぶりがなかったようにふるまうルミナ。
「ところでクロ君はSMに興味はありませんか?」
「ないな~。ごめんね?」
「いえいえ」
全く本性を隠し切れていない。クロも適当に返す。
「はあはあ。本当にこいつらの相手は疲れるわ。あ、始めまして。私の名前はソーナです。見ての通りエルフよ」
ツッコミが、物語のカギが挨拶してくる。クロは「大変そうだな~」とのんきに眺めていた。
「…マギ・ブレウス。賢者」
「短いですよマギ様。始めましてクロ様。私は皆さんのお世話兼隊員をしております。シノンと申します。しがないメイドですがよろしくお願いします」
全員の自己紹介が終わり、クロは一つのことを心の中で考えていた。
すなわち「なっげー」と。
エレーナ・ライゼル
人間 ♀ 19歳
公爵家令嬢 Aランク冒険者
魔法剣士 長剣使用
エリナ
人間 ♀ 20歳
平民 Aランク冒険者
戦士 大剣使用
ルミナ・エルフォー
人間 ♀ 19歳
子爵家令嬢 Aランク冒険者
聖女 杖使用
マギ・ブレウス
人間 ♀ 16歳
伯爵家令嬢 Aランク冒険者
賢者 杖使用
シノン
人間 ♀ 20歳
メイド Aランク冒険者
軽戦士 レイピア使用