表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

 2 『月の夜』 他 10編

 ●● 無限の世界 ●●


誰もいない部屋で空想する

空が果てまで広がって

雲は一つもなく

そよ風が世界を揺らす


誰もいない部屋で空想する

気持ちがどこまでも広がって

私は私じゃないみたい



 ●● 循環 ●●


楽しい気持ちを

できるだけたくさん

みんなにわけたい

楽しい気持ちは

みんなが運んでくれた

ものだから



 ●● 私の成分 ●●


なんとなく硬くて 中は空っぽ

熱くも 冷たくもない

どこまでも曖昧

どこまでも中途半端


そんなものが積もり積もって

私になった


そんなもので出来ているけれど

私はどうにか生きています



 ●● 行き詰まり ●●


いいかげんに接していこう

いいかげんに相槌を打って

いいかげんな笑い声に

いいかげんな優しさで


遠ざけるより いいでしょう?



 ●● 強がり ●●


嵐が来ればいいのにと

ひとり立ち尽くし

空をにらんだ


嵐が来たら

泣くくせに


弱い雨でも

泣くくせに



 ●● あふれたもの ●●


感情をどう表現したらいいのかわからずに

少し泣いてしまった


本当は

嬉しいと伝えたかったんです



 ●● 目標 ●●


振り返ると際限なく

先を見ても暗闇で

足元を見て怯えながら

追われるように

走り続ける



 ●● マイナス ●●


美しいものなど見たくはなかった

感動なんかしなくて平気だった

一人で生きていきたかった

誰も必要としたくなかった

生意気な人間でいたかった


今は怖い

大切なものを手に入れて

どうしたら強くなれるのだろう

手に入れなければ

失うことを怖れずにすんだのに



 ●● 空 ●●


俯くくせを直した私は

空を見上げてしまう

極端な私を

君は笑うだろうか

今日は空気が澄んでいて

空がとてもきれい

君も見ていたらいいのにと

穏やかな気持ちになって

それからすぐに寂しくなった



 ●● 月の夜 ●●


空を見上げる

きれいな月が語りかける

そんなに悪いものではない、と

空を見上げる

星が広がる

吐く息の白さ

ああ

悪くない

確かにそう悪くはないのだ




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ