死亡フラグ売りの少女
私、死亡フラグを売っています。
そんなもの誰が買うんだって?
私だってそう思います。
ですが、これが意外と売れるんですよ。
今日も3つ売れました。
現代人はきっと早く死にたいんですかね。
世知辛いものです。
えっ?
売るのはわかったけど、どうやって売ったんだって?
簡単ですよ。
『大丈夫、大丈夫。あなたは絶対に死なないわ。私が約束してあげる』
こう言ってあげるだけです。
そうするとね。
皆、満足して言うんです。
『絶対死ぬやつじゃん』
って。
不思議ですよね。
『絶対に死ぬやつ』を言われているのに何であんなに嬉しそうなんでしょうね。
私にはよくわかりません。
えっ?
死亡フラグを買った人はどうなるのかって?
そんなん知りませんよ。
私はあくまで『死亡フラグを売っている』だけです。
それが本当に作用するかまでは知りません。
第一、最近ではむしろ露骨な死亡フラグは生存フラグなんて言われていますしね。
……もしかしたら皆様、それを目的に買っているのかもしれませんね。
よし。
決めました。
私はこれから『生存フラグ売りの少女』として生きていくことにします。
気分が良いので初仕事はあなたにしてあげますよ。
遠慮しないでください。
それじゃ、あげますね。
「大丈夫、大丈夫。あなたは絶対に死なないわ。私が約束してあげる!」
***
路地裏で怪しげな少女にそう言われたあなたは言いしれぬ不安を持ったままその場を後にした。




