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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第2章:新たなる戦乱の影

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2−5:研究室の先輩たち


「……ふう、とりあえずはこんなところかな?」

「綺麗になりましたね、エリオス様」

――ガシャッ!!


 綺麗に片付いた部屋を見て、ティアナとゴーレムたちとで達成感に浸りながら汗を拭う。

 ……本当に、見違えるほど部屋がスッキリした。机を埋め尽くしていた紙束は分類して、種類別に本棚へきっちりまとめられているし……出しっぱなしだった測定機器も、収納棚に綺麗に並べられている。

 床や応接セットを覆いつくしていた金属くずも、金属の種類ごとに分けて収納棚にまとめた。多くの小さな引き出しが付いているタイプの収納棚だったから、分別がとても(はかど)ったよ。


「………」


 ……その金属くずの中に、純度75.8%の拳大のオリハルコン塊があったのには、さすがに驚いたけど。アルカディア王国の金属材料研究の最先端を行く研究室だけあって、希少金属も普通に置かれているようだ。

 それを床にぶち撒けたままにしておくのは、できれば止めて欲しいところだけど。多分だけど、この塊だけで10億ペルナはくだらない値段が付くんじゃないかな? 然るべき所に厳重保管すべき品だと思う。


 これだけは適当な収納場所が無かったので、まだ僕が手に持っている状態だ。


「ああ、それはエリオス君、キミの理論を元に作ったオリハルコン塊なんだよ?」

「え? あ、もしかして魔法理論試験の最終問題ですか?」

「そうそう、それだよ」


 金属精錬魔法を用いた、オリハルコンの高純度精錬について考察を述べよ……確か、最終問題の内容はそんな感じだったはず。ちなみに高純度とは、純度99%以上99.9%未満の状態を指している。

 前世の僕(ドグラス)は99.5%の高純度レベルまではクリアしていて、99.9%以上の超高純度精錬を実現できないか試行錯誤していたんだけど……あまりにも成果が出ないので、晩年は研究を中断していたらしい。オリハルコンは高純度級でも十分過ぎる能力を発揮するから、それ以上の純度が要らなかったというのもあるらしいけど。


 ちなみに、オリハルコンの高純度精錬の方法を書くには答案用紙の余白が狭すぎたので、理論上は純度90%を目指せるくらいの内容に限定して回答したんだけど……あれ、もしかして?


「……あの問題って、実は未解決問題だったりします?」

「あ、やっぱり気付いてなかったんだね。あまりに淀みなく回答されちゃったものだから、採点者が採点できなくて困っちゃったんだよ……まあ、採点者っていうのはつまり僕のことなんだけどね。

 おかげで、自ら実証実験をすることになってね。それでできたのが、今エリオス君が持っている純度75%オリハルコン塊。それができたから正解としたわけさ」

「なるほど……」


 ということは、アルカディア王国の従来の技術では純度75.8%オリハルコン塊の精錬も無理だったわけか。それを簡単にやってのけてしまうとは、前世の僕(ドグラス)は結構規格外な人だったんだな……。


「君が神の愛し子だということは知ってたけど、まさかそれほどまでとは思わなくてね」

「ああ、ヨハネス教授はやっぱり知っている側の方でしたか」


 この様子だと、僕が単剣銀翼章を叙勲したこともおそらく知っているんだろうな。まあ、それならそれで僕としても好都合だ。

 僕の事情を知っているのなら、ヨハネス教授も僕に聞きたいことがあるはず。ここは魔法士学校生として、教授と魔法談義といこうかな。


「ティアナ、少しゆっくりしていてもらえるかな?

 ……さて、全て前世の僕の受け売りで恐縮なのですが……試験で回答したオリハルコン精錬方法は、理論上は純度90%まで目指せます。しかし、現実的ではないんですよね。ヨハネス教授、魔力消費量の計算はしましたか?」

「うん、気になってやってみた。僕も魔力量には自信がある方なんだけど、さすがに僕1万人分は無理だよ。あれ、どうにかならないのかな?」

「それは、オリハルコン結晶構造体から異物を取り除く際の方法に問題があるんです。純度80%くらいまでは、あの方法が一番魔力効率が良いんですが……それ以上となると、実は精錬方法を変える必要があります」

「ほう、それはどのような――」


 ヨハネス教授の居室には、来客用であろう1人用ソファがローテーブルを挟んで4つ置かれている。最初は全て金属くず置き場になってしまっていたけど、僕とゴーレム軍団とで真っ先に綺麗にした。あのままじゃ来客を迎えられなかったからね。

 僕はその入り口側のソファに座り、自然とヨハネス教授も向かい側のソファに座る。いつの間にか話は盛り上がり、時間が経つのも忘れて魔法談義に熱中していった。



 ◇



――ガチャッ

「お疲れ様です、ヨハネスきょ……えっ?」


 扉を開けて、誰かがヨハネス研究の居室へと入ってくる。声は1人分しか聞こえなかったけど、足音の数からしてどうやら2人組のようだ。

 ふと外を眺めると、夕陽が既に西へと傾きつつあった。掃除を終えたのは昼頃だったので、どうやらヨハネス教授と随分長く話し込んでしまっていたようだ。


「あれ、ヨハネス教授の部屋が綺麗になってるな。明日は石が降るか、それとも槍が降るのか」

「えっ? えっ!? どういう風の吹き回しよ!? あのものぐさを人の形にしたような教授が、部屋の片付けをきちんとできるなんて信じられないわ!」

「君たち、容赦ないね……」


 ヨハネス教授が苦笑いしている。事実だから仕方ないと思いますよ、ヨハネス教授?

 ……ここでようやく、僕もソファから立って後ろを振り返る。そうして、声の主……おそらくは研究室の先輩と思われる人たちの方へと向き直った。


 1人は、男性。服装はシンプルでメガネをかけており、冷静沈着そうなタイプの人だ。【魔眼】で見ても魔力の揺らぎがかなり少ないので、感情に左右されにくい性格の人なのだろう。力強い茶色(地属性)のオーラを纏っているので、間違い無く地属性魔法士の人である。

 もう1人は女性で、魔力の揺らぎがそこそこ大きい人だ。感情の振り幅が大きい人なのだろう、この辺は性格が現れやすいところだけど、保有魔力量はもう1人の男性と同じくらいになる。こちらも当然、地属性魔法士だ。


「ああそうだ、紹介するよ。こちらはエリオス・ソリス君、筆記と実技の全ての試験で満点を取った、文句無しの今年の首席だよ」

「初めまして、先輩方。エリオス・ソリスと申します、どうぞよろしくお願いいたします」


 自己紹介をしてから、軽く頭を下げる。


「エリオス・ソリス……もしかして、オリハルコン高純度精錬の問題を正解しちゃった子!? えっ、君何歳?」

「少し前に、10歳になったばかりです」

「はぁ〜、なるほど。どうりでまだ背が小さいと思ったわ」

「むむ……」


 確かに、僕の背は10歳の平均くらいしかない。それに対して、研究室の先輩と思われるこの女性は確実に20代の大人のお姉さんで、その平均よりは明らかに背が高い。隣の男性もかなりスラッとしていて、とても背が高い。

 ……なんだかうらやましいな。いや僕だって、父上も母上もとても背の高い方だから希望はあるはず……!


「おい、レオノーラ。なんですぐ自己紹介しないんだ? エリオス君に失礼だろ。

 ……初めましてエリオス君、私はルッツ。ヨハネス研に所属する4回生で地属性魔法士だ、今後ともよろしく」

「あっ!? ちょっとルッツ、何勝手に……!

 わ、私はレオノーラ、ヨハネス研所属の3回生よ! 今後ともよろしくね!」


 そんな益体(やくたい)も無いことを考えていると、男性と女性が自己紹介してくれた。ルッツさんとレオノーラさんね、バッチリ覚えたよ。


「あ、こちらの子はティアナです。彼女は僕のメイドですが、光属性魔法士としても結構な腕前を持っていますよ?」

「エリオス様の専属メイド、ティアナです。よろしくお願いいたします」


 ティアナが見事な所作で頭を下げる。彼女は僕の隣のソファに座っていたけど、僕が立ち上がったのと同じタイミングでソファから立ち上がっていた。


「……そういえば、ちゃんと聞いてなかったんだけど。エリオス君は、ヨハネス教授の研究室に所属するってことでいいんだよな?」


 ルッツさんに聞かれて、ハッと気が付く。そういえば僕、まだヨハネス研に所属する意思を表明していなかったな。

 例え形式上のことであっても、所属を希望する学生側が教授の前で意思を表明し、それを教授が受け入れなければ所属したとはみなされない。


「……そういえば、ちゃんと意思表明していなかったですね。ありがとうございます、ルッツ先輩。

 私、エリオス・ソリスはヨハネス研究室に所属を希望します。ヨハネス教授、よろしいでしょうか?」

「うん、意思は確かに受け取ったよ。こちらとしても大歓迎さ、今後ともよろしくね」


 僕が意思表明をすると、待ってましたとばかりにヨハネス教授が右手を差し出してきた。その手を僕も右手で握り、握手を交わす。

 これで、僕もヨハネス研の一員だ。僕の魔法士としての実力が上がるよう、これから頑張るぞ!



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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