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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~  作者: SUN_RISE
第1章:大魔法剣士の覚醒

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1−39:新たな懸念


 ヴィルヘルム帝国工作員2名を返り討ちにした僕たちは、ダンジョン入口を警備していた探索者ギルド職員を介して、速やかに王都守護騎士団へと通報した。

 そうしてやってきた王都守護騎士に仔細を説明しつつ、現場検証などに協力していると……僕たちが屋敷に帰れたのは、夜も深まった後となった。


「話は聞いている、よくやったなエリオス。まさかヴィルヘルム帝国の工作員を仕留めるとは、父として鼻が高い」

「ありがとうございます、父上」


 父上の執務室にて、父上からお褒めの言葉を頂く。既に父上にも情報は渡っていたらしく、執務室にて僕を迎えた父上は満面の笑みと……その影に、隠し切れない心配の表情を浮かべていた。

 僕としても、今回のことはやや不満が残る結果となった。ヴィルヘルム帝国の工作員ならば、何かしら有用な情報を持っていたかもしれないのだけど……ティアナを狙われた怒りで、命を奪ってしまったのだ。


「できれば捕縛したかったのですが、少し気が逸ってしまいまして……申し訳ありません」

「仕方あるまい。魔法士の捕縛には専用の道具を使う必要があるのだから、生かしておいても良いことは無かっただろう。エリオスの行動に咎められるところは一切無い。

 ……それに、あの状態でも十分価値はある。奴らが使う魔法を把握でき、軍事戦略上貴重な情報となるのだから」

「………」


 ヴィルヘルム帝国の工作員は、2人とも魔法士だった。あの黒い服の内側に触媒兼肌着を着用しており、そこに魔法陣がビッシリと描かれていたのだ。

 アイアンスパイクでだいぶ穴だらけにしてしまったけど、ヴィルヘルム帝国が使う魔法の情報を得ることができた。むしろ一撃で戦闘不能状態に追いやったことで、魔法陣隠滅を図られることが無かったのも大きいようだ。


「加えて、残念なこともあります」

「うむ……よもや、騎士団に工作員の手に掛かってしまう者が出るとは」


 父上が苦々しげな表情でそう呟く。


 ……アルカディアスダンジョンは貴族街の中にあり、そこまでの道もまた貴族街の中にある。だからこそ、あの道は王都守護騎士団が警備しているわけだ。

 しかし今日、ダンジョンから出てきた時には騎士の姿が見当たらなかった。普段なら4名の騎士が巡回しているはずなのだけど、誰もその場にいなかった。そのことに違和感を覚えた結果、近くに工作員が潜んでいたことにも気付けたという側面はある。


 消えた騎士はどこに行ったのだろうかと、付近を捜索したところ……残念ながら、4名とも遺体となって発見された。全員、首元を後ろから一突きされていたらしい。

 工作員が使っていたという闇魔法対策に、全員が対洗脳マジックツールを装備していたのだけど……今回はそれが、あまり役に立たなかったようだ。


「それともう一つ、冷静になって考えてみますと、実はまだ工作員騒動は終わっていないのではないかと思うのです」

「……どういうことだ?」


 男の工作員は、インビジブルという姿を隠す光魔法を使っていた。

 ……そう、光魔法だ。魔法士の基本として、闇属性と光属性の両方の素質を持つ魔法士は居ない。光魔法が使える魔法士は闇魔法を絶対に使えないし、逆もまた然りなのだ。

 そして今日戦った工作員のうち、男の工作員は光魔法を使っていた。彼が前情報にあった、闇魔法の使い手だということは決してあり得ないのだ。

 ……女の工作員が闇魔法の使い手だったという可能性もあるけど、それはないと僕はみている。闇魔法が使えるならわざわざ僕たちに近付いて攻撃せずとも、遠距離から闇魔法を使えば安全だったのだから。僕の【魔眼】で女工作員を見た結果も、彼女は闇魔法の使い手ではないという結論に至っている。


「……ということは、少なくとも1人以上、まだ王都に工作員が潜んでいると言いたいのか?」

「はい、その可能性は十分にあるかと。共に現場検証を行った騎士の方には、その旨既に伝えています」


 僕の見当違いかもしれないし、居たとしても既に王都を離れている可能性もあるけどね。


「ふむ、念のため私から王都守護騎士団の団長殿にも伝えておこう。

 ……ところで、エリオスよ。今回のヴィルヘルム帝国工作員を討伐した功績により、エリオスに叙勲の話が出ている」

「叙勲ですか?」


 僕としては、大したことはしていないつもりなんだけどね。あの戦いとも言えない一方的な蹂躙が、功績になるのか。


「うむ。慣例上、未成年者に爵位は与えられないので先に勲章を……ということらしい。"単剣銅翼章"を頂けるそうだ」

「なるほど」


 アルカディア王国の勲章は6種類ある。下から順に"単剣銅翼章"、"単剣銀翼章"、"単剣金翼章"、"双剣銅翼章"、"双剣銀翼章"、"双剣金翼章"の6種類だ。何かしらの功績を上げた貴族に対して、王国から与えられるものとなる。

 このうち、父上は先の戦いの功績から"双剣銅翼章"を国より頂いている。双剣銅翼章以上はよほどのことが無ければ叙勲されないので、父上は大変素晴らしい戦功を上げられたわけだ。そんな父に続いて、単剣とは言え勲章を頂けるとは大変な名誉になる。


 また、叙勲は貴族に対してのみ行われるものなので、本来は叙勲より先に1代貴族位の叙爵が行われるのだけど……僕は15歳未満かつ貴族家の子弟なので、爵位の授与は無しになる。特に王国法で定められているわけではないけど、未成年者に爵位は与えられないのが慣例になっているからだ。僕が15歳になった時に、改めて叙爵の話が出るのだと思う。


「早速だが、明日叙勲式が執り行われる予定だ。私と一緒に登城するから、そのつもりで準備しておいて欲しい」

「はい、分かりました」


 勲章の授与は、6種類のいずれであっても国王陛下より直々に行われる。だから叙勲式はだいぶ先だと思っていたのだけど……まさか明日行われるとは。

 まあ、元々別の人に叙勲する予定があったので、そのついでにまとめてやってしまおうというのが真相なのだろうけど。


 ……そう考えると、少し緊張してきた。叙勲式での作法や口上を、改めて確認しておかなければ。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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