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18/30

1−16:成長の方向性


――ズバッ!

「ギャギッ!?」


 ブロンズゴーレムの鋭い剣撃が、ホブゴブリンの胴体を真正面から切り裂く。斬られたホブゴブリンはそのまま後ろに倒れていき……背中が地面に着く前に、ドロップアイテムへと変化していった。

 ホブゴブリン3体を倒し、これで第2階層のボス部屋は20回目の討伐が終わった。僕の予想が正しければ、ここで……。


「あ、また腕輪っぽいのが落ちてるっすね」

「鑑定してみよう」


 予想通り、ポーション系でないドロップ品が床に落ちていた。それを拾い上げ、魔力の流れを読み取ってみる。


「……これは、アンチポイズンバングルだね」


 鑑定結果は、アンチポイズンバングルだった。第1階層のボス部屋で入手した特殊ドロップ品と同じだ。敵の数は増えたものの、戦う相手は同じなのでドロップする物も同じなのかもしれないな。

 ……いや、本当にそうだろうか? まだ判断するには早いんじゃないか? 実はドロップするアイテムの種類が増えていて、それを確認できていないだけかもしれないぞ?


「またアンチポイズンバングルっすか。超貴重なアーティファクトが、こんな簡単に手に入るなんて……」

「……これは、絶対秘密にすべきです。エリオス様」


 フランクの言う通りだな。この情報は、可能な限り秘匿すべきだろう。周囲への影響があまりにも大きすぎる。


「そうだね、僕も同意見だ。やはり、この情報は父上にお伝えし有効活用してもらおうか」

「エリオス様のおっしゃる通りに……」


 ティアナも賛成してくれたので、父上にこの情報を開示することにした。父上なら、うまく使ってくれることだろう。


「さて、予定だとボス戦をあと20回こなすつもりはなんだけど……フランク、荷物は重くないか?」

「……余裕です」


 やせ我慢をしているとかそういう気配もなく、フランクがサラリとそう言ってのける。リュックがだいぶ大きくなってきたのに、何度も持ち替えたり背負い直したりといった、重そうな仕草もフランクは一切見せていない。既にポーションを100個以上、ハイポーションも30個以上預けているというのに……。

 しかし、それでもやはりマジックバッグの入手は必須か。フランクの負担軽減のためにも、早急に準備しなければ。


「分かった。それじゃあ、あと20回戦って今日は終わりにしようか」

「「「了解です(っす)」」」

――ゴゴゴ……


 ロックゴーレムもブロンズゴーレムも、気合い十分だな。

 僕のゴーレムは闇魔法によって簡易な人工知能を宿しているのだけど、その知能は操作者である僕の影響を多分に受ける。その意気込みがゴーレムに乗り移ったのだろう。



 ◇



「ギャギィィィ……」

――ズウゥゥゥン……


 ボス部屋に留まり、ホブゴブリンを倒し続けることさらに20回。第1階層から数えて、第1階層から数えて200体目のホブゴブリンを倒したところで……。


「……おっ、レベルが上がったみたいだ」


 特殊なドロップ品が地面へ落ちるのと同時に、少し強くなった感覚を覚える。まさかのレベル12、ダンジョンでボス部屋周回をしただけなのに、今日だけでレベルが4つも上がってしまった。

 ……いや、前世の記憶が蘇った時に2つ上がっているから、正確には6レベルアップか。ボス部屋周回の効率が良すぎるのか、今日だけで倍の数値までレベルが一気に上がった。


 そして今回のレベルアップ、なぜかは分からないが魔力の伸びが今までよりも良い。レベル9に上がった時は魔力が伸びたという実感がイマイチ湧かなかったのが、今のレベルアップでは体感ですぐ分かるくらいに大きく成長した。

 やはり、魔法を多用しているからだろうか。ゴーレム操作は魔力も精神力も大いに消耗するからね……魔力的なトレーニングを積むのに、ゴーレム操作はちょうど良い負荷なのかもしれない。


「……はぁ」


 ただ、さすがにだいぶ疲れてきた。魔力や体力に余裕はあっても、気力や精神力が追い付かなくなってきている。

 もちろん、地上に帰るくらいの余力は十分残してあるけど……今日初めて魔法を使ったからか、疲労感がものすごい。これは少しずつ慣れていかないとな……。


「あ、私もレベルが上がったっす」

「私も上がりました」

「……俺は、もうすぐみたいです」


 ティアナとゼルマも、どうやらレベルが上がったらしい。これでティアナはレベル11、ゼルマはレベル17になったのかな? ゼルマのレベルも上がったというのは、ちょっと驚きだったりする。

 ちなみに、フランクはレベル18と、この4人の中で一番レベルが高い。ゆえに、ホブゴブリンを200体倒してもレベルが上がるまでには至らなかったようだ。レベル20までの道のりは遠いんだな……。


「さて、鑑定してみようか」


 早速、腕輪を手にとってみる。魔力の流れを読み取ると、ポイズンともパライズとも違う性質の魔力を纏っていることが読み取れた。

 ……この感じは、もしかして。


「"アンチスリープバングル"だね、これは」

「アンチスリープバングル、ですか?」

「またとんでもない貴重品を……」

「……これは、初めて見た」


 睡眠状態を完全無効化する、アーティファクトがドロップした。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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