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14/30

1−12:不思議なドロップ品

 大変申し訳ありません……6月24日の投稿分を忘れたまま、1週間以上が経過しておりました。

 そのため、今週に限り金曜日にも小説の方投稿させていただきます。楽しみにお待ち頂いておられた方には、謹んでお詫び申し上げます……誠に申し訳ございませんでした。


「……ふう、これで19回連続討伐か」


 2体のホブゴブリンが、光の粒子となって虚空へと消えていく。ロックゴーレムの重量級の一撃に打たれては、さすがのホブゴブリンも1発とて耐えられないようだ。

 それにしてもコレ、本当に効率が良いな。1戦あたり2分もかからないので、回転率が凄まじい。まだ1時間も経っていないのに、既に19回連続でホブゴブリンの討伐に成功している。

 ちなみに、あれからもう1回力が湧き出てくるような感覚があったので、僕のレベルは10に上がったようだ。あっという間に2桁突入したけど、実戦に勝る経験無しとはどうやら本当のことだったらしい。


 ……まあ、全部ゴーレムが戦ってて、僕は直接手を下してはいないんだけどね。


 それでも、たくさん経験値を獲得できたし、ポーションやハイポーションもたくさん入手することができた。ティアナのレベルが10になるまではこのままホブゴブリンを狩り続けるつもりだけど、今日中に次の階層には行けそうだな。


「もしかして、ボス部屋周回の方が色々と効率が良かったりするっすか?」

「……効率は良いが、普通は無理だ。怪我のリスクが大きい。エリオス様が、損耗無視のゴーレムを操れるからこそ、成り立つダンジョン利用法だ」


 フランクの言う通り、使い捨て可能なゴーレムを運用するからこそのダンジョン利用法ともいえるな。これだけ連戦すれば、普通はパーティの誰かが怪我してしまうものだろう。

 実際、14回目のホブゴブリン戦でロックゴーレムが2体とも大破してしまい、ブロンズゴーレムに対処してもらったうえで改めてロックゴーレムを作り直している。僕の魔力が減るだけで済んだけど、普通は誰かの命が脅かされていてもおかしくない状況だったのだ。ボス部屋居残り連戦という行動が、どれほど危険な行為なのかがよく分かる。


「………」


 僕の目の前に佇むロックゴーレムを見る。毎回ホブゴブリンの先制攻撃を受けているので、計5回の戦闘を経て少しヒビが入っている。耐久力の塊とも言えるロックゴーレムであっても、ホブゴブリンの一撃を受けて無傷とはいかないのだ。

 ただ、これくらいならまだ大丈夫だ。レベルが上がって魔力が増え、多少はゴーレムの操作もしやすくなった。同じ箇所に打撃を受けないよう立ち回っているので、さっきよりはもう少し長持ちするだろう。


「さあ、20回目のボス狩りといこうか。フランク、扉の開け閉めを」

「……分かりました」


 もはや手慣れた様子でフランクが扉を開け閉めすると、部屋の奥に光の柱が2本立ち上る。そこからホブゴブリンが2体出てきたので、同じようにロックゴーレムをけしかける。

 ただ、今回は少し立ち回りを変えてみた。


――ゴゴゴ……

「「ギャガ!」」


 ホブゴブリンとの距離が空いた状態でロックゴーレムに攻撃するフリをさせてみたところ、それを見たホブゴブリンが一気に踏み込んできた。なので攻撃動作を取らせたまま、ロックゴーレムを1歩後ずさらせる。


――ブォンッ!

「「ギャガ!?」」


 僕の想定通り、ホブゴブリンが攻撃を空振りし致命的な隙を晒す。そこを逃さず、ガラ空きとなったホブゴブリン目がけて岩の棍棒を振り下ろした。


――ゴゴゴ……

――ドゴッ!!

「「グギッ……!?」」


 頭を潰されたホブゴブリンが白い粒子へと還り、ドロップアイテムに姿を変えて……あれ?


「ポーション2つと、ハイポーション1つ、あとは……」


 1つだけ、ポーション系ではない何かがドロップ品の中に混ざっていた。それを持ち上げて見てみる。

 ……見た目は単なる木製の腕輪のようにも見えるけど、僕の眼には不思議な魔力の流れが映っている。これは、おそらく……。


「……これ、装備するタイプのアーティファクトだ」

「「えっ!?」」

「……なんと」


 そして、アーティファクトなら僕でも鑑定できる。【魔眼】とは、魔力に関することなら何でも分かる便利スキルなのだ。




 ……よし、この腕輪の効果が読み取れた。


「これは、毒を100%確実に防ぐ腕輪だな。確か過去に産出歴があったはず。その時に付けられた名前は、確か……」

「……アンチポイズンバングル。名付けはシンプルながら、200万ペルナは下らない逸品」

「にひゃくまん……!?」

「凄いです、エリオス様。そんな高価な物を第1階層で手に入れられてしまうなんて」


 これが200万ペルナもするのか。まあ、毒を100%レジストするアーティファクトとか、常に毒殺を警戒する上級貴族連中からしたら垂涎の逸品だろうからな。それくらいの値は付いてもおかしくない。

 ……これは、あまり気軽に出せる代物じゃないな。


「この腕輪は父上に献上し、しかるべき取り扱いをしてもらおう。僕らの手には余る物だ、下手をすると命に関わりかねない。

 ……他言無用だよ、いいね?」

「「「……了解」」」


 3人とも口が固いことは、よく知っている。


「……さて」


 そうなると、次なる疑問が頭に思い浮かぶ。なぜ、ホブゴブリンからアンチポイズンバングルがドロップしたのか、という点だ。

 過去の産出記録によれば、確か10年くらい前にアルカディアスダンジョンで、第30層辺りの宝箱からアンチポイズンバングルが見つかっていたはずだ。そんな貴重品がホブゴブリンから普通にドロップするなど、少し考えづらい。

 仮にドロップ確率が非常に低く設定されているとしても、ホブゴブリンは第8階層まで行けば普通にエンカウントするレムレースだ。10年もドロップ実績が無いというのは、少し考えにくい。


 ……となれば、だ。


「もしかして、ボスを20連続討伐した時のボーナスドロップ、とかか?」


 現状、その説が一番可能性としてはあり得るだろう。そうなれば……。


「ティアナ、ゼルマ、フランク。申し訳ないが、もう1度ボス部屋でホブゴブリンと連戦したい。今日は第1階層で探索が終わるかもしれないが、それでいいか?」

「エリオス様のおっしゃる通りに……」

「私もいいっすよ、なんだか面白くなってきたっす」

「……俺も、構いません」


 よし、3人からも了承をもらった。今日はひたすら、ボス部屋でホブゴブリン狩りだな。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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