那覇基地④
滑走路に到着した西村二等空佐は、整備員たちが手際よく戦闘機の最終チェックを進めている光景を目にした。冷たい朝の空気が滑走路を包み込み、整然と並んだF-15J戦闘機が威圧感を放っていた。戦闘機の鋼鉄の機体は朝の光を受けて鈍く輝き、その存在感は周囲の緊張感をさらに高めている。
西村はコックピットに向かう前に、機体の周囲を一周しながら自ら外観チェックを行った。翼の端から機体下部、エンジンノズル、そしてミサイルの装着状態まで、隅々まで目を光らせる。すべてが正常であることを確認すると、彼は整備員の元へ戻り、軽く頷いた。
整備員たちは慎重にエンジンやミサイルの固定具を再確認し、チェックリストに基づいた最終確認を行っていた。「燃料タンク、満タン確認。エンジン、正常稼働確認。電子機器、全システムオールクリア。」無線での報告が整備チームリーダーの森田一等空曹から伝えられる。これを受けた整備員たちは次のステップに進み、装備品の最終チェックを完了させた。
すべてが整ったことに対する安堵と自信が整備員たちの表情に表れる。森田一等空曹が親指を立てると、西村は軽く頷き、コックピットに向かって歩き出した。