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異世界転生殺しの魔王様  作者: セレンディピティ
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第五話 全知を知る

第五話 全知を知る

魔王「とりあえずさ」


側近「はい」


魔王「不意打ち、高火力攻撃、罠、包囲、全部やってきたが、全部だめだったね」


側近「はい」


側近「全部知られているからでしょうか、何もかも通用しませんでした。全知の勇者は今、砂漠地帯を越えようとしております」


魔王「当然、私の砂漠地帯の謀略も回避したようだな。」


側近「はい、乾燥対策を万全にしたうえ、対盗難のスキルまで持ち、悠々として進んでおります。しかも、どうやら空を飛ぶ能力すらあるようです」


魔王「はー…まずいねえ」


魔王「しかし、そろそろ本気で潰す手を打とう。側近よ。全知であるが、それを処理するのは人間。処理能力に限界があろう。これから、全く容姿も種族も違う、使う魔法も違うような雑多の魔物と罠を大量にまばらに並べる用意をしろ。情報の海を一箇所に集中させて、やつの処理能力をパンクさせて潰してしまうんだ。」


側近「さすがは魔王様!きっとそれで…!」


魔王(………まあ、そううまくはいかんだろうがね。本当の狙いはそうじゃない。だからいいのさ)


ーーーーーーーーー

側近「ま、ま、魔王様。報告があります。」


魔王「あーわりわり、今ちょっとタンスの整理で忙しいんだ。…急ぐか?その報告」


側近「はい、なるべく早く聞いていただきたく…」


魔王「ならきこう。手短に頼むよ」


側近「ま、魔王様。砂漠地帯を突破した勇者は近辺の魔界洞窟エリアを突破。魔王様が配備した混成魔物軍も全滅を確認しました。しかも、罠も一つもかかっていませんでした。………魔王様?」


魔王「ふむ…空を飛んだ割には予想より、少々遅かったな。」


側近「…どうされました?やけに落ち着いていますが…」


魔王「いや、うまくいかんことは想定済みさ。次の手を打とう。次だが…ドッペルシャドーを用意しろ」


側近「は、はい…」


魔王「やつらに勇者の姿をさせて擬態させる。そして、「俺は全知だー」という鳴き声を覚えさせて、人間の街で略奪をさせるんだ。的確に金品だけを狙ってな。」


側近「あ、魔王様…、つまり…!」


魔王「そうとも。全知の勇者は、全知が故に嫌われる。その知恵を持って、悪事を働くという印象を植え付けるのだ。」


側近「さすがは魔王様!すぐに手配します」


魔王「おう、俺はちょっと部屋の片付けするんでよ。悪いけど今日は出てってくれ。」


側近(魔王様、片付けなんか後でいいでしょうに…!)

ーーーーーーーーー

側近「ま、魔王様…」


魔王「わりい、今忙しいんだ。急ぐか?」


側近「はい、なるべく…」


魔王「いいよ、手短に話してくれ」


側近「…今日も部屋の片付けですか?いや、魔王様…遊んでるように見えますが…?」


魔王「ああ。」


側近「お言葉ですが、魔王様。全知の勇者が近づいてきているというのにそれは今必要ない事と…」


魔王「側近。」


側近「はい…」


魔王「お前の気持ちはよく分かる。まあ、俺を信じてくれって、な?」


側近「…わかりました。」


側近「結論から話しますと、ドッペルシャドーの計画は完全に失敗となりました。」


側近「変身したドッペルシャドーの正体を暴かれ、偽物の全知の勇者が各地で撃破されました。勇者の名声を奪うどころか、名声を与えてしまっております。」


魔王「ん、結構。じゃ、次の手だ。再びドッペルシャドーを用意しろ。そして全知の勇者に変身…」


側近「魔王様!それは…」


魔王「…俺のこと信じてくれないなんてショックだぜ〜?側近〜?」


側近「…わかりましたよ。」


魔王「そして…変身した全知の勇者から、ドッペルシャドーが湧き出すように演出させろ。それを各地でな…」


側近「ま、まさか………」


魔王「そうだ…ドッペルシャドーの件は勇者が名声を上げるための自作自演だった。」


魔王「全知の勇者は全知ゆえにその力を持って人々をいくらでも騙せるのだ…そのように演出させろ。」


側近「流石は魔王様です。」


魔王「分かったら、部屋を出てくれ。今日は忙しいんだ…」


側近「分かりました」


ーーーーーーーーー


側近「魔王様。」


魔王「あー、わるい。手短に頼む。今どうしても手が離せない」


側近(どうみても、ゲーム機みたいなので遊んでるようにしか見えないんだけどな…)


側近「………分かりました。魔王様を信じます」


魔王「いいこだね〜」


側近「先程のドッペルシャドーによる策略も失敗してしまいました。全知ゆえに、事前に阻止され、我々の企みであることさえも知らされています。勇者は更に名声を上げ、王国からも英雄として支持されています。このままでは、私達もおしまいです。」


魔王「ははは…そうかい。」


側近「そうかいって…」


魔王「流石は厄介度ナンバー3の勇者だな。」

[12:57]

魔王「きっと、このやり取りも知られているだろうさ。」


側近「じゃあ…」


魔王「何諦めてんのさ」


魔王「これまでの情報を整理しよう」


魔王「一つ、勇者は確かに全知だ。」


魔王「一つ、しかし、少なくとも全ての情報を一度に処理し切るわけではないようだ」


魔王「一つ、いらぬ情報はカットしているようだ。」


魔王「これらから、考えられるに勇者は欲しいときにほしい情報をほしいだけ手に入れられるタイプの能力を持っていると思う」


側近「どういうことでしょうか?つまり全知ってことですよね。」


魔王「まあ…いずれ、分かる。」


魔王「それより、集中する事だ。勇者のやつは間違いなく私達のもとへ来る。」

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