第四話 3位じゃダメなんですか。
第四話
3位じゃダメなんですか。
側近「魔王様。次の勇者の召喚が確認されました。」
魔王「…またか?このところ、3日に一度確認されているようだな。」
側近「人間も必死なのでしょうか」
魔王「暇なんだろ。俺らと違って」
側近「………王城の連中は、たしかに暇そうですよね。下々の人間は忙しそうですが」
魔王「つまらんやつを王に持つ種族は大変なものだな。」
側近「全くですね」
魔王「……わ、私の方を見ていったか?」
側近「ふふふ、まさか。」
側近「魔王様と共に勇者を迎え討つ事を考える今…私の人生で一番楽しく、輝ける日々です。」
魔王「……あーもう!…よせよ〜、照れるだろ〜。」
側近「ふふふ」
魔王「あーそうだ、情報をくれ。次の勇者の」
側近「そうでした。次の勇者ですが、【全知】のスキルを持っているようです。この世界の事をほぼ全て知り尽くせるそうですね。」
魔王「…まじか」
側近「魔王様?どうされました?」
魔王「長い間魔王をやってるがな、所謂チートスキルの中で厄介さナンバー3のスキルだ、それは。」
側近「1位と2位は?」
魔王「…それは、そいつが来たらのお楽しみ。」
側近「気になりますね…」
魔王「なら、その時まで私と勇者殺しをともにしておくれ」
側近「はい!」
魔王「とはいったものの…どうしたもんかなあ、こいつは本当に厄介だ。恐らく、これまでで一番難しい戦いになるだろうな」