第一話 1ターンで先手で殺せるに越したことはない。
第一話
1ターンで先手で殺せるに越したことはない。
側近「魔王様。お楽しみのところ失礼します。次の勇者の召喚が確認されました。」
魔王「あ〜もうそんな時期か。情報教えて?」
側近「はい。今回の勇者はSSSSSランクスキル【破壊神】を持っているようです。獲得条件は神の気まぐれ、もしくは攻撃系スキルを10000個極める、だそうです。このスキルにより攻撃力が999京〜…」
魔王「あーうん、そういう聞いてて痛々しくなってくる数字の設定はとばして?」
側近「かしこまりました。ともかく、このスキルは、どんな相手も一撃で倒すことができる効果があります。魔王様も例外ではないでしょうね。」
魔王「ほ〜ん…」
側近「いかがいたしましょうか?」
魔王「ははは、どうしようねえ…。とりあえずさ、攻撃力高いだけならなんとかなるだろ?そうだなあ…そうだ、この間作った失敗作の超大型黄金鉄製ゴーレムがいるんだ。これ真っ先にけしかけようぜ。そんで油断したところをせ〜ので殺っちゃって。」
側近「お言葉ですが魔王様。失敗作とはいえ、あの超大型ゴーレムには多額の資材を投入しております。わざわざ一撃で倒されるような相手にぶつけるなど…」
魔王「だからこそ、だよ」
魔王「破壊神、強いねぇ〜、攻撃力が無限だね〜、どんなやつでも殺せるねぇ〜」
魔王「そんなやつが、あのデカブツを一撃で殺したら?」
魔王「嬉しいだろうなぁ〜、気持ちよくて浮かれるだろうなぁ〜、おまけに黄金もたっぷり〜、持ち帰ったら英雄扱いだろうな〜!」
魔王「ってな。」
側近「………あ、それじゃあ。」
魔王「そ、そこを一撃で叩き潰すのさ。」
魔王「こういう手合はな、気持ちよくさせたあと一撃で殺すに限る」
側近「かしこまりました。直ちに用意いたします。」
魔王「わかればいい」