不信
優斗は黒川と共に闇の中を進んでいった。不気味な雰囲気が彼らを包み込んでいる中、黒川は深い声で語り始めた。「穴の力には闇がある。それは悪意を吹き込み、人々を蝕む力なのだ。穴を持つ者は自由に他人の穴を見ることができるが、それには代償がある。人々の傷や弱さに触れ、悪意を植え付けることができるのだ。」
優斗は驚きと戸惑いを抱きながら、黒川の言葉を受け止めようとしていた。彼は穴の力を持つことが善であると信じていたが、その真実は違ったのだ。しかし、黒川の言葉には疑問もあった。「でも、青石は……彼は善意を持っているはずだ。何か誤解があるのではないか?」
黒川はにやりと笑いながら答えた。「君が信じている青石は、実は君を騙しているのだ。彼もまた穴の力を悪用している。君たちはただ人々を欺いているだけだ。真実を知りたいのなら、私と共に進もう。」
優斗は複雑な感情に揺れながら、黒川の言葉に耳を傾けることにした。「本当にそうなのか……?でも、私と青石は友情を深めてきた。彼の言葉や行動には真摯さが感じられる。」
黒川は口説得を続けた。「青石は巧妙に演じているだけだ。彼は穴の力の闇を利用しているのさ。君の信頼を裏切っているのだ。」
優斗の心は揺れ動き、混乱に包まれた。青石との思い出が脳裏をよぎり、彼の言葉や優しさが交錯した。しかし、黒川の言葉は説得力を持っていた。優斗は心の奥底で疑念を抱きながらも、真実を知るために黒川と共に進む覚悟を決めた。
「分かった。私は真実を知りたい。だけど、青石との絆を断ち切ることはできない。真実を見つけ出すために、私と青石の関係を確かめる必要がある。」
黒川は満足そうに頷き、優斗の肩を叩いた。「よく言った。真実を見つけるためには、まず自分の心を確かめることが重要だ。私は君をサポートする。」
心が、傾き始めていた。




