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穴の癒し手  作者: エリアル双剣
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穴の存在と能力の発覚

心に空いた穴を見ることができる――それが私、優斗の特異な能力だ。いつからか、私の心には見えない傷が刻まれ、その穴が私を縛り付けるようになった。それがどういう意味を持つのか、なぜ私だけがそんな力を持つのか、答えは知らない。ただ、それが私の運命なのだと受け入れざるを得なかった。


高校生活の日常は、友達との楽しい時間や勉強の忙しさで充実していた。しかし、いつも心の奥には、闇が広がっているような感覚があった。他の人たちが持つ明るさや幸せは、私には届かなかった。何かが欠けているような気がしてならなかった。


ある日、学校の帰り道、私はふとした瞬間、目の前に浮かび上がる異様な光景に気づいた。人々の周りに、不可視の傷が浮かんでいるように見えたのだ。驚きと戸惑いが胸に広がり、私はその現象を疑いながらも、確かに目に見えるものだと理解した。


それからというもの、私は不思議な現象が日常的に起こるようになった。電車の中で人々を見ると、心の穴が浮かび上がり、その傷が痛々しくも美しい光を放っていた。喧騒の中でも、私には人々の本当の姿が見えてしまうのだ。


最初は怖かった。私は自分が狂ってしまったのではないかと恐れた。だが、穴を見ることで人々の心に触れることができるということに気づいた時、私は喜びを感じた。私の存在には、他の誰にもできない特別な力が宿っているのだ。


穴の存在が明らかになったことで、私は自分の違いを受け入れることができた。他の人たちが感じる幸せや悲しみ、孤独といった感情を、私は直接目で見て感じることができる。それはまるで、人々の心の中に秘められた物語を覗くようなものだった。


しかし、この力には一つだけ制約がある。私は人々の穴を癒すことができないのだ。穴を見ることはできるが、それが彼らの心の傷を癒す手段とはならない。この制約が私の心に重くのしかかり、やり場のない苦しみを抱えることになった。


私の能力を他の人々に話すことはできない。理解されることはなく、逆に狂人扱いされるかもしれない。だから私は、これまでひた隠しにしてきた。ただ、私自身もこの穴の謎を解きたいという願望を抱いている。何故私がこの力を持つのか、穴には何が隠されているのか、それを知るために、私は行動を起こす決意をした。

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