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気持ちの激流

楽しみが「1」つ、消えた

 寒い、12月末、私の『楽しみ』が完全に消えた

 こうなることは分かってはいたんだ、ただどうしようもなく辛い、話しづらい、だから文章に起こしてみることにしてみた



 私は高校生、高校2年だ

 そんな私の楽しみの内の1つが部活、『演劇部』だった


 私の入った演劇部は、所謂『エンジョイ勢の集まり』だった…まあ、エンジョイ勢にしては台本を自主制作したりと凄いところもあったのだが

 部活動自体はするが実に緩く、良くゲームとかをして遊んでいた部活だった


「今日は何するか~」「人狼でもやろうよ」「そろそろ1週間前だし流石にやろう?」「確かにそうだな~」


 こんな感じ、めちゃくちゃ緩い

 先輩達も優しく当時の顧問も何も言ってこない、実に心地良い空気だった


 練習自体も楽しかった、内容自体は…簡単に言うと新喜劇風の作風で一言で言うと混沌(カオス)だった

 だけどまたそれが良かった、流れを覚えて台詞(セリフ)は基本アドリブ、身内ネタまで持ってきてしまったけれど笑える劇になったのではないかなとは思える出来だった


 コロナ禍の原因もあって公演は一回しか出来なかったが、まあまずまずの結果を残せたし審査員の人からも褒められた(自分自身が褒められたわけではないが)

 改めて思う、この部活は『楽しかった』


 そうして時は過ぎ…今年の3月末、私は部長を任されることになった(まあ誰もやりたがらなかっただけだが)

 正直すごく嬉しかったし誇らしかった、この楽しい部活を引き継げるのか、と


 2年になり、私は名実ともに部長となって部活を任された

 変わった事は先輩達が引退し、後輩が1人入ってくれたこと、そして『顧問』が変わったことだ



 ここからが本題だ


 私はこれまで通り、楽しくやっていきたいと思ったが…新しい『顧問』(ここからは先生と呼称する)が所謂『ガチ勢』だった

 これまでの風景がガラリと変わった、最初はやった事が無いことをするのも楽しかった…だが、ドンドンと辛くなっていった、何せ我々は『エンジョイ勢』だ

 台本作りではエチュードという簡易劇(?)をしたり、何度も台詞を書かせては消させたり、途中までやった事を丸々捨てたこともあった…あげくの果てには、一度反対しただけでいきなり丸投げしてきたことも…


 一回私は先生に対してキレた、泣きもした

「何がしたいのか分からない」「副部長のM(同級生の部員の一人)の負担になっている」「私たちはどうするべきなんですか」


 先生は申し訳無さそうに

「演劇では丸々捨てるのは当たり前」「Mには台本の書き方を知って欲しかった」「君たちに反対されたとき、もう任せた方が良いと思った」

 などと言っていた


 自分は、本場のやり方があるんだとは納得していたが…台本制作は長引き、練習自体が少なくなった

 時は直ぐに過ぎてもう公演だ、もちろん失敗した、それは盛大に


 その後、文化祭での公演、まあまあの物にはなったが…笑いは少なかった



 文化祭後、後輩が辞めた

 いや、辞めさせたが正しいだろう


 後輩は『演劇部』辛かったのだと思う、最初は来てくれていたが…最後の方は連絡無しで欠席も多かった

 先生は怒り、M等の部員も文句を言っていた…まあ、私も人のことを言えた義理はないが


 先生は私と後輩を呼び出し、話し合いをした、改めて思う、後輩は『演劇部』が本当に辛かったんだろう


「辛いなら気にしないで辞めて良いよ」


 自然と私の口から出ていた、申し訳がなかった

 後輩は何度も頭を下げながら退部届を書いていた

 後輩にとって、楽しい部活には出来なかった…私の失態だ、私も…とても辛かった



 その後、私以外『演劇部』にあまり来なくなった、理由は「勉強」や「塾」だったけれど…私は一人で部にいることが多くなった


 そんなときに

「次の公演はどうする?」

 と先生が聞いてきた


 人数が少なくなって(そもそも後輩含めて4人しかいなかったのだが)…

 私は1人劇をすると決めた


 1人の台本で面白い物が中々見つからなくて、面白いと思えたものが女性用の台本だったことから女性役をすることにした

 着替え等も買って来たし、簡単なメイクまで練習した


 だが、どうしても乗り気になれなかった、1人、たまに部員が来て2人でやる『演劇部』はやる気が湧かなかったのだ


 最後の方、公演2週間前程から先生からの指導を受けた

 辛かった、『演劇部』を辛いと感じる事も辛かった

 彼の指導は厳しく、なんとなくだが…怖かった


 そして公演当日…失敗した

 台詞はいくつか抜け、途中での退出者も多かった


 反省会では仕方が無いけれどボロクソに言われた

 手伝ってくれた部員達にも迷惑を掛けてしまった

 それがただただ、申し訳無かった



 その後先生に残るように言われた

 先生は言った


「部長をMに任せたい」


 最初は頭が真っ白になった

 続けて言われた


「なんでか分かる?」「人に物を頼むのに誠意がないからだよ」「君の楽しいと思っている部活は皆にとっては本当に楽しい物なのか?」「裏方からやり直してみたら?」「今からそういうところを直さないと、社会人になってからじゃ大変だよ」


 もっと、柔らかく言葉を選んで言ってはいたが…簡単にはこういう事だ

 私はこの人の理想には邪魔だったのだろう

 それに…言い返したくても言い返せなかった

 正論でもあったし、私の欠点として気づいてはいた


 それに、こうなる事はどこか予感していた


「私は部長を辞退します、本当にすみませんでした」


 こうとしか言えなかった


 ああ、私の楽しみが1つ、『消えた』


 先生は「やる気はあるか?」と聞いてきたが「ある」とだけ答えた

 部員として部を続ける事にした

 私は…この『演劇部』という場所だけは失いたくなかった

 いくら楽しくなくても、『大好き』な部活だから…


 矛盾しているかも知れないが、この『演劇部』を嫌いにはなれなかった



 私は残りの高校生活の1部をこの部活に捧げる、これが賢い選択では無いことは理解しているが、それでも頑張ろうと思う


 これからも大いに苦しもう

 そして、なんとしてもこの場所を守り抜く


 だからもうこれ以上、下は向かない

 これからは前を見て進むと決めたのだから

 まあ、こういったことがありました

 拙い文章で読みにくかったらすみません


 私はこの気持ちを、『自分の思い通りにならなかった』っていう小学生みたいな気持ちを、これを読んでくれた誰かに共感して貰いたくて書きました


 『人生は思い通りにならない』こんな当たり前の事でも、この気持ちは忘れてはいけないと思ったんです


 この先もこういった事があるだろうけど、次があるならお互いが納得出来る形にしたい

 そうできるように成長していきたいと思います


 最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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― 新着の感想 ―
[良い点] 1人で演劇!? もう全員退部して、公園で活動してキモい顧問とは別れた方がいい気が…。 そういえば私も突然顧問がやる気を出したあとすぐ部活やめました。 スポコン無理なんだよ~
[一言]  心中お察し申し上げます。でぶーたさんは、やれる限り頑張られたと思います。気を落とさないでくださいとは言えませんが、少なくても自分を責めないであげてください。  昔は結構パワハラ教師が多か…
[一言] 読んでいてつらいってなりました…… 楽しいことが楽しくなくなるのは辛いなと。 どうか無理をなさらないで……
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