1564年-3
新年の幕が開きました
気張らずマイペースで投稿したいと思います
今年もよろしくお願い致します
令和三年元旦
「遅くなりました」
「待っていたぞ、小一郎」
「はっ」
“早速仕事に掛かってくれ”と話すと早速打ち合わせをして奥に消えて行こうとした。
殿は殿は・・・面倒臭い仕事を丸投げしてきたのだ!
(クソー)と思いながらも仕事に取り掛かる前に・・・
「殿、ご提案がございます」
「えっ」
久しぶりに殿が動揺している。
瞳に不安の色が見える。
しかしそんな事はお構い無しに、一撃を打ち込んだ!
「殿、浅井家に犬上郡を譲って国友から鉄砲鍛冶を20人ぐらい引き抜いて下さい!」
「はぁ〜!お前ぇ犬上郡が石高がいくらあるか知っていて言っているのかぁぁぁぁぁぁぁ」
「たかが、6万石強です!」しれっと!
「$※€&£^〆{£^€{〆」
最早、殿も言葉にならない。
「今回の事で浅井家もかなり無理をしています。其れが坂田郡の半分だけでは織田家が取り過ぎです。此処は太っ腹な所を見せて下さい」
「殿、それが話しづらいのなら、織田家が国友の鉄砲鍛冶を勧誘する事を条件に話をして下さい」
「・・・・・・・・・・」
「殿!」
「殿!」
「・・・・・・分かった」
渋い顔をしている。しかしお構い無しに次の話に入る。
「では、次に」
「まだあるのか!」
殿は戦々恐々の表情だ。
「殿、三雲様は単独で明との貿易をされる程の力を持っています。此れを是非、織田家の為に活かしたいと思うのですが、如何ですか?」
「うむ、具体的には・・・」
「はい、明と貿易の窓口の担当をお願いしたいと思っています。
具体的には、特に硝石を輸入したいですね」
殿の目がキラリと光り。
「小一郎、その話をさっそく進めよ!具体的な話は其方に任せる」
「はっ、かしこまりました」
そして、織田家による硝石輸入計画がスタートしたのである。
あっ、それと戦の後なんですが、観音寺城にほうほうの体で帰還をした筈の六角殿は城に入れてもらえずに“この城は織田家の物だ!関係のない者は退去して頂こう!"と目賀田殿が叫び弓矢で威嚇すると六角殿は激怒!!!あの裏切り者を殺せなどと叫ぶのだが兵士達は先程の戦闘でボロボロになっていてそれどころでは無い。結局は側近に抱えられて落ち延びて行くしかなかったのだが、頼った進藤殿に平井殿も拒否!今までは力があったから観音寺崩れがあっても従っていたが力の無い我儘な当主などは相手にしなかったのである。六角義治殿と側近達は仕方無しに他国に落ち延びて行く、またそれとは別に六角家のご隠居様と六角義定殿も城を捨て落ち延びる、そしてこの事で守護大名としての六角家は滅んだのであった!
こんな事が起り今度は三雲殿達が素早く動く、進藤殿と平井殿の下を訪れ話し合いにより降伏を受け入れる様に話し合いを持ちその上で降伏を受け入れ、組織的な抵抗も全て終わったのである。
その様な事があった後に仕事を丸投げされて、社蓄道を極める為に小一郎は働いている。そんな時頼もしい増田君も合流!村井様も経験者を中心とした役人二百人を素早く送ってくれた。これで作業が一気に進み出す。しかし仕事は追いかけて来る・・・
「では、織田家雇用説明会を開催いたします」
戦国時代に雇用説明会?と毎回思うがこれも大事な仕事であった。
観音寺城の大広間に旧六角家家臣団や傘下の国人領主がほぼそろっていて、皆が不安そうである。
そして、今から千尋の谷に突き落とされるのであった。
「まず、最初に・・・織田家の領地は3公7民です」
「「「「「はぁあ?」」」」」
その事を知らない武士達の目に怒りの火が灯っている。
そして・・・
「関銭は廃止です!」
「「「「「なめとんのか若造!」」」」」
旧六角家家臣団のほぼ全員(宿老と蒲生家臣団を除く)が中腰になって怒鳴って来る。流石に鍔に手は掛かっていないが。
しかし・・・小一郎ダークモードが発動!無言の圧が旧六角家家臣団に襲い掛かり。
「気に入らないのなら、領地に帰って戦準備をされるがよろしかろう」ギロリ
威圧に負けた全員(宿老と蒲生家臣団を除く)が負け犬の如く大人しくなる。
宿老達はびくともしない。流石である。そこから約半刻質疑応答をしながら説明会は終わった。
「あっ、言い忘れておりました。
当家には選択の自由がございます。
先程の話が納得できなければ、当家に仕える必要はございません。
荷物を纏めて織田領から出て頂ければ結構です。以上です。お疲れさまでした」
此処にいる全員が(どこに選択の自由があるんや)と心の中で突っ込みを入れていたのは、旧六角家家臣団の秘密であった・・・
その後、旧六角家の家臣達は三か月の訓練が課されて、蜂屋様に村井様に親方に鍛えられまくられて、晴れて織田家臣となるのであった。なお、高島七頭が織田家の傘下に収まりたい旨の連絡が有り了承、条件は織田領商人の関料湊料の廃止で認めるのであった。
其れは、仕事にまだまだ追われている葉月の事だった。
「木下様ぁぁぁぁ」
表情に変化は無いが足取りがかなり急いでいる。弥七殿にしては珍しかったが・・・
「何だとぉぉぉぉぉ」
弥七殿の報告に大声で反応してしまう。それは、武田義信の傅役である飯富虎昌、側近の長坂源五郎、曽根周防守らが信玄暗殺の密談をしていたが、計画は事前に露見して首謀者が捉えられたと。
まさかの事態である。今川義元殿が健在なのになぜだ?何故武田家で謀反の計画が・・・
これは、小一郎の認識の甘さであった。武田家で親今川派の義信殿と奥方を通じた今川本国は不安を覚えていたのだ。何に?それは織田家と武田家の同盟を結んでいる事にだ!小一郎の計画では、今川義元殿が健在なら、武田が今川領侵攻は無いと踏んでいたのだ(謀反の計画も含めて)が・・・今川方では、恐ろしい勢いで領地を拡大していく織田家に危機感を覚え、その織田家と同盟を結んでいる武田家が共闘で攻めて来るかもしれないと潜在的な恐怖を持った事を見抜けなかったのだ。
そして、その潜在的な恐怖を取り除く為に謀反の計画が起こり、当主を義信殿にと考えたのだがその目論見は泡と消えたのであった。
「はぁ・・・」
思わず天を見上げながら、これで西側が落ち着くとの思いが強く、これが片付いたら武田家を通じて三国同盟を打診(殿にお願い)しようと考えていた矢先であったからたまったものではない。
「荒れるか?
いや、今川殿がご健在だし」
独り言をブツブツと言いながら対策を考えて行くのであった・・・・
「木下様ぁぁぁぁぁl!」
長月に入って弥七殿が急ぎ足で迫って来た!
流石に焦っている。
「木下様大変です。三好長慶殿が遠行しましたぁぁぁぁぁぁ」
「そうか・・・」
史実で亡くなる事を知っている為に武田家の謀反ほど驚く事は無かったが、三好家ではその事を公表していないのに、良くこの情報を手に入れてくれた。流石は弥七殿である。
しかし、織田家の東側と西側一気に不安定になったしまった・・・早急に対策を立てる必要ができたのであった。
「ただいま帰りました!」
長月の終わりにやっと自宅に帰る事が出来た。三か月に及ぶ訓練を超えて来た南近江勢が現場に入り仕事が回り始めたので、南近江が落ち着いて来たのだ。
「父上、お帰りなさいませ」
元気に飛び出して来る千熊丸。”元気にしてたか“と抱き上げ、半年間の成長を感じていると。
「おかえりなさいませ」
大きなお腹をしたさきが、奥から出てくる。
「えっ」
「ややを授かりました」
頬を紅く染めながら嬉しそうに話している。
”そうか“と呟きながら“千熊丸はお兄ちゃんになるんだな”と千熊丸に語り家に・・・
”小一郎”と聞き慣れた声が聞こえると其処にはおかあがいた。
おかあから、おとうが流行り病で亡くなった事、そして一人暮らしになる所をさきさんが一緒に住みませんか?と言ってくれて、お言葉に甘えた事などを聞きあらためて良い嫁をもらったと実感する。
そして、賑やかな4人の生活が始まるのであった。
(もちろんお墓参りには直ぐに行きました)
「殿、ご提案があります」
"小一郎が訪ねて来ると、こっちの命が縮むは"などと冗談を言いながらも、殿の私室に通される。
何時もの様に登城している重臣方も集まりっているが、いつもと違うのは蒲生定秀様と三雲定持様が清須におられて、集まっていた。
「では、始めます。
殿、公家の中に親織田派を作る為に上洛してください!
具体的には、公家の摂家と清華家を関白様にご紹介いただき、接近を図ってください」
「小一郎、その心は・・・」
「はっ、三好家のご隠居様が遠行しました」
「「「「「「何だと!」」」」」」
「それと、武田家(甲斐信濃)で謀反の計画が露見、重臣の処分とご嫡男の武田義信様は幽閉されたとの事」
「「「「「「何だと!」」」」」」
この二つの情報は誰もつかんでいなかった。
私室の中の緊張感が一気に高まる。
「ですから、三好家がまたその敵対国がどの様に動いて来るか予想が付きません。
それと、武田家と今川家の仲がどうなるかも分かりません」
お茶を飲みわざと一呼吸おいてから。
「今後の為に、先手を打ちたいと思います。
如何でしょうか?」
そう言いながら頭を下げる。
「是非!」
・・・・・・誰からも声が上がらない。
・・・
・・・
「殿、木下殿の提案を軸に対策を考えませんか?」
「面白い対策ですな、これなら全ての大名に効果がある」
「・・・・・・ありがとうございます」
三雲様と蒲生様から思わぬ評価を頂いで、重臣達で検討する事になる。
「では、次「まだあるのか」の件ですが」
「殿、本拠地を変えませんか!」
「「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」」」
此処のいる全員(村井様除く)が驚いてる。
「南近江を領地に加えました。そのため清須では急な対応に支障が出る可能性があります。ですから、尾張、伊勢志摩、南近江の真ん中に政の中心を移しませんか?」
「具体的には北伊勢の東海道沿いで考えています」
「如何でしょうか?」
「・・・・・・」
全員毒気を抜かれている。
本拠地を変える発想は全く無かったみたいだ。史実通りに美濃を攻略していたら出て来た考えではあると思うが・・・
「あっ、城を建てる必要はないです。大きな迎賓館込みの建物で良いと思います」
・・・
・・・
「・・・この件も重臣で審議する事とする」
ゼェゼェと肩で息をしながら、この提案も審議となった。
(まぁ、こんなもんか後は任せよう)
それとは別に、佐久間様からの報告で国友の鉄砲鍛冶のスカウトの件は断られました。まぁ仕方ないか、ダメで元々だしね。あと織田家(織田信治様)と浅井家のご婚約と、浅井家(浅井政元様)と斎藤家のご婚約の話が正式にまとまりました。いやぁよかったよかった!
翌日・・・
「小一郎!」
殿が現場までやって来る。今日は親方達と一緒に現場に出て肉体労働に従事中である。そんな時殿が訪ねて来た。親方に“席を外すね”と言って殿と二人に。
「小一郎、其方まだ言いたい事があったであろう」
「殿には敵いませんなぁ」
頭を掻きながら、周りに人がいないのを確認すると。
「殿、伊賀忍者を家臣として雇用したいと思っています。ご許可いただけませんか!
弥七殿は良くやってくれているのですが、人手の問題で地域が限定されます。今回の三好家と武田家みたいな大問題を察知できないと致命傷になりかねませんから」
「うむ・・・
・・・分かった許可しよう」
「ありがとうございます。
それと、近江で土倉織田屋を始めたいです。対比叡山対策です」
「比叡山?」
「はい、南近江を治める上で比叡山との問題は絶対に発生します。ですから先手を打ちたいのです。
宜しいでしょうか?
あくまでも織田領の民の為の3公7民に関銭の廃止その上の土倉織田屋(年率1割予定)を運営したいと思っています」ニヤリ!
「フッ よきにはからえ」ニヤリ
殿の了承は得た。まぁゆっくりと始めますか・・・
この時代の比叡山や本願寺の力は大大名と比べても見劣りしません。人物金が集まる上に朝廷との繋がりも太くて非常に厄介な寺院である。そんな比叡山の力を削ぐ為に動き出すのである。
「それと、昨日の件だが師走に上洛する事で決まった。あと本拠地の件は継続審議となったぞ。
しかし、面白い事をよく思いつく」
呆れ顔で話す殿に「いやぁ、まぁ」と言葉を濁して殿と別れた。
その後は、殿は上洛して忙しい日々を過ごし、小一郎も尾張に伊勢に近江に走り回り内政の実務を担当している者として忙しい日々を過ごすのであった。
時は少し前に戻る。
それは雇用説明会の頃だった。
「お世話になりました」
上役に頭を下げる猿顔の男がいた。
「このまま、織田家「いや、無理です」につ・・・そうか。
これからどうするんだ?」
「はい、西に行こうと思います」
「そうか、お前がいなくなると仕事が大変になるが仕方がないなぁ。
・・・・・・達者でな」
「お世話になりました」
挨拶をして日野城を去るのであった・・・
つづく。




