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1560年-1

誤字報告ありがとうございます。

感想ありがとうございます。

臭いテロは皆さんのご想像にお任せしますww

「邪魔するでぇ~」


「邪魔するんだったら帰って~ぇ」


「あいよ~」

「・・・・帰るわけなかろう、この"ゴツ"あほが!」


殿の拳がぁぁぁぁ、21世紀の関西の鉄板ギャグが通じなかった・・・・

頭を押さえている僕に向かって。


「小一郎、知恵を出せ」


殿は乗り突っ込みのあと、真剣な表情で三人の執務室に入って来た。


「熱田、津島で武具に使われる物全般が値上がりしている、どう思う!」


たった一言の言葉で緊張感がその場にいた僕達を支配した。

殿も判っている、来るべき者が来ると。

ただ、同意してもらいたいだけだと。


村井様が「殿のお考えの通りかと・・・」推察を肯定してから僕に視線を向ける。

早く話せと・・・


「殿、ご提案があります」


緊張感が支配する場で、僕は殿に言葉を掛けた。

ニヤリと口元が笑う殿。


「殿・・・・・・」と考えて来た作戦を伝えた。

今回は防衛する戦であるただし、今川の領地で防衛を出来るだけ行い織田領内での防衛戦は極力遅らせるのが狙いだ。今川軍の主力は農民なのだ農繁期(タイムリミット)までに勝負を付けなければならないから、リングアウト勝ちを狙う。

ただし、普通のやり方ではない、兵士の心を揺さぶって揺さぶってしていくのである。

そして、今川方は史実通りなら大軍を上げて上洛作戦が決行されるはず。


「では、何時から始める」


「準備が出来次第でよろしいかと・・・」

「戦準備の邪魔をしながら青田刈りと沓掛城の攻略と防衛拠点化を成し遂げて迎え撃ちましょう」

「それと、服部党の監視をお願いいただければ、後顧の憂いが無くなるかと!」


「うむ、そうしよう」


殿は決断すると行動が速いんです。

回りの事は考えずに行動してしまうからです。

そして、今回も方向が決まったから直ぐに消えてしまう。

「佐久間様、大丈夫かなぁ」と殿の無茶振りに応えなければならない、筆頭家老様に心の中で手を合わすのであった。チーン!





「上手いこと出し抜けたな」


ニヤリと笑う殿、常備兵の強みを活かした作戦行動だ!

まさか、戦準備をしているのが分かっていて、相手から攻めて来られるとは思いもしなかっただろう。

弥生に入り沓掛城を強襲・包囲する事が出来た。

あとは、佐久間様がシフトを組み24時間攻撃しっぱなしの何時もの作業だ。

その間に、僕達工作兵が対今川の防衛陣地を築き上げてく。空堀に土塁に防衛陣地を作り上げる。

ツルハシを持って皆と一緒に作業しているそんな時に、殿がある武将を連れて現場の視察に訪れた。


「小一郎、その者が鉄砲隊50人を指揮する一益だ!」


「はじめまして、滝川一益と申します」


「初めまして、木下小一郎です」二人ともが丁寧にあいさつをしてから、防衛陣地に付いて意見交換をしている時に・・・ピキィーンとひらめきが。


「殿、滝川殿、ご提案があります」


ニヤリと笑う殿に何事何事と?マークの滝川様がいるがお構いなしに「こんな迎撃作戦はどうでしょうか?・・・・・・・ですが」と説明し終わり。


「一益どうだ」


「恐ろしい事を考える」と考えが顔に出ているが「出来るか!」と殿の問いに。


「はい、任せてください」


「これが旨い事行くと、今後5年は今川の攻勢を抑える事が出きます」

「宜しくお願いします。」


そしてその話を実行する為に、再度滝川殿と鉄砲隊の運用の仕方と防御陣地のすり合わせをして行くのであった。





その頃駿府では・・・


「なんだとー!」


今川義元の怒鳴り声がひびき、こめかみがピクピクと動いている。

怒りが今にも爆発しそうである。


「殿、至急援軍を!」当たり前のことを言う側近に対して"ギロ"と睨むが何とか爆発は抑えた・・・

しかし忌々しい、此方が準備しているのを判っていて、先手を打ってくるとは・・・"小賢しい"そんな事を思いながらも。


「・・・今、動員できる最大戦力で援軍に向かう、至急出陣の準備をいたせー!」


「「「「「ハッ」」」」」と側近たちが動き出す。

流石、海道一の弓取りは怒りに流されず冷静な対応を見せるが、初手を取られた事を苦々しく思うのであったが、少し早いが作戦の決行に取り掛かる為に使者を派遣するのであった。






「木下殿、行って来ます」


「丹羽殿、宜しくお願いします」


丹羽殿が数人を引き連れて出て行く、何をしに行くってか?それは村々を周り兵糧を買いに行くのである。あくまで村々に売って下さいとお願いに行きます。

市場価格の1.5倍で・・・・調達するのが目的ではなく織田方は購入したいと話をした、そして断られても気が変わったら、陣まで売りに来てくれてと言って帰る事になっている。

すると、今川方が来たらどうだろう?この時代の兵糧の確保は現地調達である・・・

因みに、織田方の兵糧の確保は村井様(ないせいのたつじん)が中心になり、城からと津島、熱田から運び込む手配になっていた・・・現地調達の必要は無いのである。


そして丹羽殿達は、村々を周ったあと陣地に帰らず姿を消したのであった・・・・・・




「殿〜、敵軍が現れました!」


「権六ー!、迎え撃てー!」


「ハッ!」柴田様が迎撃に向かう、鬼柴田隊である破壊力は抜群だ!

敵方も後詰めが来た事で、城内に活気が出だしたが・・・柴田隊が襲い掛かる!敵方も無理はせずに撤退し双方にたいした被害は出なかった。

敵方がたった2日で援軍を送り込んできた。三河勢だが予想より早く今川方を完璧に出し抜けていない事が判り、僕達は急ぎ防御施設の設営を急いだ!

防御施設の完成がこの作戦の肝である、焦りを親方に指摘され”反省”しながら作り上げて行くのである。


一週間後、散発的に発生した戦闘は組織的ではなく、難無く押し返していたが相手方は本隊である今川隊7000から8000の軍勢が到着、本格的な戦が始まろうとしていた。

それとは別に、防御施設も到着の前日に完成し織田方の準備も整った。

また、織田信広隊が大高川を利用した防御施設にも敵方の朝比奈隊3500から4000の軍勢が着陣、睨み合いが始まったと伝令があり、緊張感が高まって行くのである。




「エイエイオー! エイエイオー!」




戦場に勝鬨が響く。

殿が沓掛城を落城させた。

今川軍本隊が到着してから落とす!相手方(特に兵士)の精神的ダメージはクリティカルヒットした事であろう!

沓掛城も24時間休まる時間も無い可哀想な敵の将兵達、攻める攻める詐欺を繰り返されてはどうにもならない。

被害は最小で戦果は最大、してやったりの行動である。

因みに、織田軍は何時もの様にシフトを決めて無理のない範囲で脅していたのだ。

そして、後顧の憂いなく今川軍と対峙をする事に。



「攻め立てろ!」織田方の勝鬨に今川方の陣扇が振られる。

敵方の総大将が攻撃命令をだした。このままではメンツが丸潰れだからだ。

敵方の攻撃も予想済みで、織田の将兵に慌てるそぶりは無く冷静なものである。

陣地に押し寄せてくる敵兵の先方隊に対して、弓を打ち、石を投げて迎撃していく。

ただ、相手方の弓矢も想像以上に打ち掛けてきて激戦状態に。

倒しても倒しても防御陣地に、後から突撃をして来る今川兵、相手方は兵の消耗など考えていないのかと思うほどだ・・・そして・・・


---バァン!---と各所に配置されている鉄砲隊が火を噴いた!

その瞬間敵方の将兵が崩れ落ちる!

兵士達は腰を抜かす!初めて聞いた鉄砲の発射音に驚き最早戦どころでは無い。

「雷神様の祟りじゃぁ」と叫びながら勝手に逃げ出す兵士に、後ろから攻め上がる兵士がぶつかり合い大混乱が起こった。そしてそれを立て直そうと奮闘する敵方の将兵は鉄砲隊の標的となり命を落としていくのである・・・

それでも次々と部隊を投入して来る今川軍、激闘はさらに激しさを増し一部の防御陣地は突破されるほどであった。


「ひけぇぇぇぇぇ」敵方が引く、激闘は3時間にも及び双方に被害は出ていた・・・


今川軍が引いた後には無数の屍が積み上がっていたのである。そしてその殆どが三河勢で今川本隊の駿河・遠江勢はほとんど見られなかった。

「戦の習だ恨むなよ」そんな言葉を親方は掛けながら、防御陣地の修理に入る。

死臭の漂う戦場に僕は気分が悪くなり「大将、後ろで監督していてください」親方の言葉に甘えさせてもらいながらも、あの中でもテキパキと指示を出して皆をまとめていく。経験の違いをモロに見せつけられたのであった。


それから一月、双方ともにらみ合いが続く。

今川方は攻めてこないのだ。

このまま行けば、農繁期に入り撤兵するしか手がなくなるが警戒だけで、攻めては来ない。

また、織田方も防御陣を使っての戦が徹底されており此方から打って出る事は無い。

そんな時に弥七殿が姿を見せる。


「丹羽殿はご無事か?」


「はい」


「それで、効果はどうだ?」


「はい、地味に効いているようです」


「そうか」


丹羽殿が付いた任務は、今川方の小荷駄の兵糧を使えなくするという物であった。

無理をせずに見つからない様に考えて、弥七達に頼み一緒に行動をしてもらっている。

その行動で、現地調達という名の食料の強奪?が直ぐに始まり三河の民は今川方に不満を持っているらしい。


「弥七殿、命が一番大事ですから無理をせずに帰ってきてください」

「丹羽殿を頼みます」


そうお願いして、弥七殿は消えていく。

この戦に僕は饗談全員を動員している、この戦に勝つ事が一番と考えて決断したのだ。

今の所、全員が無事と聞いてい"ほっ"としているが油断は大敵である。兜の緒を締めなおして頑張ろう。


そして、二度の目の大攻勢が始まった・・・

それは何かを待っていたみたいに急に激戦が始まった。

今度は、今川本隊も前線に出て来ていて葛山隊や庵原隊なども攻め寄せている。

正に、総攻撃の様相であり、織田方も佐久間様や柴田様をはじめとした諸将も万全の態勢で迎え撃つ。

そして、総力戦が始まった・・・


激闘が2時間は過ぎた頃だろう親方が僕に走り寄って来た。


「大将、ヤバい事になった」

「美濃でお家騒動が起こった!」


「なにぃぃぃぃぃ」


驚いた、非常に驚いた、そして僕の立てた戦略が崩れたのであった。

親方が話しをしてくれる。同盟を破棄して今川方と組み、織田領内に攻め寄せようと話を進めていたのを、美濃のマムシ殿が気付き当主義龍を軟禁、ただこの軟禁のすったもんだが元で義龍は死亡。

それで次の当主に、マムシ殿の末の息子を立てようとして、孫の龍興とその一党がマムシ殿達を誅殺。

実権を握った龍興の取り巻きが、今川方と組み尾張に攻め込もうと準備していると連絡がきたのだ。


「やばいな、このままでは尾張は蹂躙される」其の事が頭に浮かぶ。

しかし、織田軍は戦場を離れる事ができない・・・


「やってくれる」


苦虫を噛み潰したような表情をしながらも考える・・・

尾張国内の予備兵力は1000人、此れで美濃勢は・・・無理だ。

兵が足りん。

兵・・・兵・・・兵士か・・・


ピキーン!


イチかバチかの勝負か?其れしかないか。

勝負手を閃いた僕は、走り出し殿の下に「御家の大事です帰ります」と鬼気迫る表情で一言報告をし、怒りよりもあきれた表情の殿をおいて清洲に馬を走らせる。


へたくそなりに一生懸命馬を走らせるしかし何故か、僕より親方が上手に馬に乗り付いて来てくれた。

半日ほど馬を走らせ(関所で乗り換えた)超特急で清洲城に駆け込み、村井様を捕まえて、事情を話すと顔を青くする村井様・・・役人達を総動員して村々に走らせ義勇兵の募集を掛けた。


「いま、斎藤家が攻めて来る準備をしている、此れを防ぐ為皆の力を貸してほしい」

「この戦いは、織田家だけの戦いではない、尾張の民を守るための戦いだ!」

「3公7民を守る戦いである」

「斎藤家に統治されて6公4民に戻りたい者は戦わなくてよい、3公7民を守りたい者は私に力を貸してくれ!」


と檄文を書いて木下小一郎の名で文章を発給し役人たちを走らせたのだ。

時間との勝負である。

1000人の常備軍は出陣準備は完了していた。

どうしてもの時には、先陣を切ってもらうしかなかった。

全ての手配が終わり、後は天命を待つ状態でふと思った。

「親方が美濃のお家騒動を何故知っていたのか?」疑問を素直に聞いてみると。


「えぇぇぇぇぇぇぇ」


城中に響く大声で驚いてしまう。


「拙者、本名を蜂須賀小六と申す!」

「偽名を使い申し訳ない」


そう言いながら頭を下げた・・・秀吉の右腕の蜂須賀殿であった。


驚きも束の間で、今度は何かと落ち着かない。

動物園のクマみたいに右に左に歩き回り、尾張の民が答えてくれるか心配で仕方が無い。

ここで、義勇兵が集まらなければ尾張は蹂躙されて、最後には挟撃をされて終わりであるからだ。


・・・

・・・

・・・


あとは信じて待つだけであった・・・・・




翌日!



「大将、起きてくれ!」


小六殿が執務室に走り込んでくる。


「兵が集まって来た、それも数えきれないくらいだ!」


興奮気味に話をして僕を引っ張り出して、清洲の城下町に集まった民達の前に連れ出したら・・・

「木下殿どうすれば良い」と指示待ちの役人達が詰めかけて来る「受付を済まして100人ごとにまとまって貰って」と指示、そして常備兵を100人ごとに二人配置して隊長としてまとめるように指示を出す!

役人達は、パニックにならず理路整然とこなしていき順次美濃国境沿いの戦場に出陣させていった。

勿論!常備兵500と工作兵250を先陣に!

親方は何時もの様に、土塁と空堀を作り防御を固めるようにと指示をして、僕の横にいてくれた(助かる)

その後は、何時まで続くか判らない受付作業を続けていくのであった・・・




つづく。







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