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1559年-1

誤字報告ありがとうございます。

「御免 村井様、木下様はいらっしゃいますか?」


仕事始めにある男が訪ねて来た。


「拙者、丹羽長秀と申す、本日付で村井様・木下様の下で仕事をする様にと殿のご命令で参った」


"きたぁー米五郎左だ"と心の中でヒャッホーと雄たけびを上げているが・・・表は冷静のまま。

木綿の藤吉郎はいずこにと兄の事が頭をよぎってしまった。

でも、まぁいいよねと気を持ち直して挨拶をし此処の案内を任された。


「木下小一郎です よろしくお願いします」


年下ですから、丁寧にね。そしてある事のくぎを刺す。


「丹羽殿、今から見て頂く物は殿も知らない極秘です。

 織田家の此れからに必要な物でから、他言無用で殿にもダメです」


僕の雰囲気が変わり言葉に凄味が「お おう」と驚ろかれたが気にせずに、皆に紹介しながら一通り見て回る。

「そして、これらが織田家にお金を落としてくれる産業に育てたいのです」と力強く話していく。

「現在は特産品として帝、足利将軍様、山科様、三好様それと武田様に献上しています。生産量が増えるこの秋からは大々的に販売予定です」コクコクと頷きながら話を聞いてくれる丹羽殿。

しかし、小一郎にはまだ話していない事がある。秘中の秘の硝石の生産に取り掛かった事を・・・

複数ある試作の肥料作成の一つとしか説明していないが・・・ごめんねと心の中で謝る小一郎であった。

因みに、その日に歓迎会を開き皆で焼酎や清酒を飲み明かしたのだ、丹羽様は深酒が過ぎて二日酔いになられたとか・・・翌日は欠勤しましたww

そして、丹羽様が那古野城の武器庫の奥からこんなの出ましたと一覧表を持って来てくれた。

殿曰く、小一郎に見せたら何か考えるだろうとの事、そして小一郎はある物に目が止まった。それは飛砲であった。飛砲=投石機である。


「やった!」


小躍りしながら喜ぶ僕に、村井様と丹羽殿は???で過去の遺物感が半端ない兵器で、時代遅れ感が半端なかったが、親方にお願いし工作部で2つほど作ってもらう、勿論予備のパーツも含めて!

鳴海城、大高城の攻城戦にまた一つ必要な物が手に入った!

これが完成してから、殿に相談に行かねば!




「木下様」


何時もの様にぶらりと表れて報告をくれる弥七殿。

弥生を迎え日々温かくなってくる頃であった。


「鳴海城の城主が変わりました。

 今川家の重臣、岡部様です」


「そうか、ちなみに山口様親子は?」聞いて観るとただ首を横に振るだけだった。

殿が謀を・・・やはり歴史通りに起こるのか?

そんな事を考えこんでしまうが、引き続き鳴海・大高の両城の監視と服部党の監視も頼む。

わぁーたしの記憶が正しければ・・・服部党は桶狭間の戦いで水軍出してたよね!

そして、決して無理や無茶はするなと、命大事でよろしくと頼みボーナスの清酒を持たせて労い、引き続き任務を頼んだ。


皐月に入り、正条植えでする田植えの準備にいそしんでいる頃に・・・「小一郎、五郎左」と呼んでる声が・・・殿であった。

お城を抜け出して、勝手に外回りに・・・「困った人だ」と溜息をつきながら佐久間様大変そうと思ってしまう。しかしナイスタイミングでもある、例の物が完成して殿の所にと思っていた所なのだから・・・


「殿!ご提案があります」


白湯を飲んで一服している殿が噴出した。

そして"マジか"とゆう目でこちらを見ている殿を引っ張り奥の執務室に。

助けてくれーと丹羽殿に合図をするも手を振って見送っていたのであったが「丹羽殿あなたもです」僕の言葉に顔を青くして付いて来る丹羽殿であった。


「殿、ご提案があります」


この言葉に、殿と村井様(巻き込まれました)と丹羽殿(仕方ないよね)の顔色が悪くなっていく。

何時もの事だ、気にしないで行こう。


一呼吸してから。


「殿、鳴海城と大高城を攻め落としましょう」


表情がヤング第六天魔王モードに!それにビビる丹羽殿。

顔に書いて有る"なぜ"と極秘で物事を進めているはずだが・・・


「こちらの用意は出来ました。

 作戦はこうです」


「常備軍6000人を動員(増員し今や1万人)両城を包囲、そして何時もの様に包囲して相手の心を攻めていきます。それからはああして、こうして、こうなって、そんなこともして、そうすると、諦めるでしょう」と作戦プランを始めて公表する。

3人の目が点になり"こいつ何考えているんだ"と顔に書いてあるが何時もの事だ問題ない。

この作戦が旨く行けば、桶狭間は回避、元康君の独立も阻め、武田が駿河を抑える事も無くなるだろう!全ては、この一戦にかかっている。

あわよくば・・・欲張りは身の破滅ですね、止めておきましょう!


「あっ殿は、清州城でお留守番です」うんうん


「なにぃぃぃぃぃぃぃ」


一人大声で、拒否しようとするが「尾張に今川の手が伸びていないとは限りません!殿はその抑えです」とボッソと話す。

何処まで見切っていると殿の顔に書いて有るが、あえて無視して・・


「殿、ご決断を・・・」


・・・

・・・


「殿!」・・・「ここだと、今川の密偵に知られるのをかなり遅らせられます。

 ご決断を!」


グイグイ押してくる小一郎のプレッシャー、殿も自分の作戦が・・・


「よきに計らえ」ゼェゼェゼェ


この場で無理やり決断をさせる小一郎、ヤング第六天魔王の殿も形無しであった・・・

「では」その場は離れ部屋を出て常備兵6000人にと工作兵の詰め所に走るが・・・Uターン


「殿~!一週間後に重臣方を集めて出陣と御触れを出して下さい!

 敵を欺くには・・・です!」


そう言い残すと、小一郎は走り去ったのであった。

その場に残った三人、特に丹羽殿は「何者ですか?」と殿と村井様に尋ねると。

「爺が残してくれた織田家の懐刀だ!」と言った本人が一番納得をして居るし、舅殿はウンウンと首を振っているのであった。





「大将、旨く行きましたね!

 親方や皆にも無茶をさせました」


頭を下げる僕に、いやいやと恐縮する親方と常備兵隊長達。

それと、常備兵が有能な事を改めて証明した初動でもあった。

それにしても見事に出し抜いて、両城を包囲!出入り口の封鎖!周りに空堀&土塁の製作を見事な統率力であっという間に行ってしまった。


敵方は、もう籠城戦しか戦う方法が無いが準備も最低限であろう・・・あとは前回みたいに・・・それは佐久間様(そうだいしょう)にお願いしよう。


そんな事を考えていたら・・・

本陣に佐久間様、蜂屋様、柴田様達がご到着!僕を見つけると直ぐにお呼びがかかる。


「小一郎、状況の説明を!」


「はっ」僕は佐久間様(そうだいしょう)を始めとした皆様に現在の状況、作戦のプランと今後の攻め方を説明し佐久間様からの2.3の質問に答えて後をお任せした。

あとは、飛砲と鬨の声を上げて攻めるぞ攻めるぞ詐欺をして相手を弱らすだけである。

(あっ、あと矢文である事ない事を書いて内部崩壊を狙う事をお願いしている)

こんな攻城戦に柴田様は相手の城将を不憫に思うのであった。


「では、次の作戦に移ります。では!」


そう言って親方と一緒に工作兵200を率いて、次の現場?に向かうのであった・・・

(50人は飛砲と共にいる)






「ダメだぁ~」


気落ちしながら"仕方が無い"と自分に言い聞かせながらその場を後にする。

何をしていたかと言うと、桶狭間の戦いに向けて、鉄壁の防御陣を作る為の現地調査であり、当初、殿に話していた計画が全て無理、机上の空論という事が判ったのだ。

三週間かけて現地に行き、ああでないこうでもないと親方と一緒に候補地を回っていたのだ・・・


「やっぱり、先人達が鳴海や大高に防御施設を作ったのは理にかなっているね」と小声で話一人で納得するのである。


「親方、鳴海に防御陣地の強力なやつを作りますか?」


「それが一番良いかと」


三週間、頑張って色々した結果が骨折り損のくたびれ儲けであった・・・とほほ。

小一郎が落ち込んで居るころ攻城戦に動きが、鳴海城から降伏の使者が本陣に訪れたのだ。


これ以上耐えられないと判断した、城将の岡部殿は降伏を申し出たのだ。

24時間鬨の声や飛砲から石が飛んで来る。


建物の中でもでる死傷者、建物の中にいても恐怖から解放されない・・・追い込まれていく将兵達・・・そして錯乱者が出だす・・・士気はダダ下がり、とどめが矢文だ・・・いつ寝首を・・・

攻められれば全滅しかないし、援軍が来ない・・・気力体力も限界であった・・・


敵の援軍がなぜ来ないかって、それは佐久間様が柴田様に常備兵4000人を率いさせて、西三河に進軍!援軍を送ろうものなら、敵方の城を攻撃すると意思表示をしている為、今川方(松平方)は援軍を出せない状態に、結果として両城を見殺しにする事となったのだ。

そして話し合いの結果、城将の切腹で兵士は無事に解放すると決まり見事な最期を遂げたのであった。

大高城も鳴海城が開城したと聞き、城将の鵜殿殿も心が折れ岡部殿の後を追い兵士達が解放されたのである。




「忌々しい!」


織田軍の出陣の報を受けて今川殿は即座に徴兵をかけて、両城の援軍の準備に即座に入るし、三河の諸将に援軍に向かう様に指示を出すが・・・時期が悪かった・・・田植えの準備で忙しい時期に・・・集まりが悪い・・・その上士気が・・・

元々低かった士気が、ある噂話でダダ下がりだ。

「織田の殿様の領地は3公7民だそうだ」と噂が囁かれ出す。

中には「織田の殿様に治めてもらった方がワシらは楽な暮らしが出来る」と話す農民(へい)までいる。

援軍に向かっている途中で、味方に寝首を取られないか心配しながらの出陣は無理と判断して、諸将とその家臣たちを300人集めて何とか出陣するも西三河まで出張って来ている柴田軍に対して、攻勢に出る事は出来ずに距離を置いてのにらみ合いしか出来なかったのである。


その後、両城の引き渡しが無事に終了して織田軍は、守備兵を残して撤退をするのであった・・・




「殿!申し訳ございません」


村井様と一緒に殿の所に・・・平謝りである。

当初の作戦を出来る事が前提の出兵だったが、計画は白紙に戻りましたと報告したからである。


「良い良い」


殿は上機嫌だった。

山口親子に裏切られてから、熱田の喉元にあった獅子身中の虫である両城を取り戻せたからだ!

そして色々報告などを行った後で・・・


「殿、ご提案が有ります!」


ビックとなる殿、ほとんど条件反射になっている・・・なぜ?・・・解せぬ。


「・・・な なんだ・・・言ってみろ」と動揺が。


「はっ、先日落とした両城を廃城にしてその資材も活用して巨大な防衛施設兼関所を作りたいと思います。

 そして、兵3000が常駐し対今川の西の守りの要を作りたいと思います。


 宜しいでしょうか!」


・・・

・・・

・・・


「・・・誰を置く?」


「織田信広様を守将ではどうでしょうか」


「兄者かぁ・・・」


「ご心配なら副将をお付けになられたらどうですか?」


悩み出す殿・・・・・・「誰が良いか推薦しろ!」


「では、僭越ながら・・・森可成殿はいかがでしょうか!」


キラリと殿の目が光る「わかった!後はワシが判断する」そう言いながらも、他の選択肢は叔父の信光様と佐久間信盛様・佐久間盛重様(不安はあるが)と柴田様ぐらいしかいないし、副将も殿に忠誠を誓っていてこれからの為に経験を積ませたい者と選択が難しい。

3000人の兵を任せられる将に副将に織田家は人材不足に陥っている・・・・

また、万が一の事を考えるなら、猫に鈴を着けて対策をする事ぐらいしか出来ないのであった。

因みに、この話は殿に持っていく前に村井様と丹羽殿と相談して話を詰めています。

一人で先走っている訳ではありません、報連相は大事ですね!


「うむ、判った」


「では」そう言って自分から仕事を抱えていく小一郎であった・・・



つづく。





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