海の王エリク~大風呂敷を広げ過ぎたけどこんなの書きたいんだよ、なあらすじ~
ヒロインなかなか出てこないけど、海の王エリクはこんなの書きたいんだよ!年齢層高めの主人公達だよ!
エリクはイサキの肩口に顔を埋めて、お前海の匂いがする、そう呟いた。
大陸を分かつ国々の中の、北寄りの小さな村の出のエリクは海を見たことがなかった。
忘れた頃にやって来る行商人から聞ける話は刺激的で、小さな村の人々の貴重な情報源で、なによりの娯楽だった。幼いエリクは誰よりも長く行商人から話を聞いては、未だ見ぬ海に思いを馳せるのだった。
15になったときエリクは冒険者となり村を出る、幼い頃に夢見た海を見るために。
駆け出しの冒険者として旅銀を稼ぎながら、国を十字に走る街道沿いに進んで3年。ようやくエリクは国一番の港町にたどり着いた。どこまでも続く水平線、物資や人を乗せて運ぶ大型船。幼い頃からずっと憧れていた、海がそこにはあった。
港町を拠点に、冒険者として日々活動するエリク。いつか自分も船を持ち、仲間と共に海に出る。そんな夢を抱くようになっていた。
幸いにして冒険者としてまあまあの実力もあり、仲間にも恵まれたエリクは、25歳の時に念願の船を手に入れる。
大海原は時に激しくエリク達に牙を剥き、時に優しく寄り添い導いた。いくつもの島々を巡り旅をして行くなかで、イサキという女性と出会う。
ヒロインまでの道のりの長さよ……。