国王の悩み
主人公は出て来ません
女神が悪質な嫌がらせを企てます。
「は〜、、、」
「お父様、申し訳ありません、、、」
「いや、良い。そもそも異世界から勇者をこの世界に呼べただけでも良い。」
「しかし、、、何も手がかりがないのでは、、、」
「陛下、商業都市サンギリから転移魔法陣を使って報告兵が送られて来ましたが、どうしますか?」
「何?通せ。」
どういうことだ?転移魔法陣は緊急性の高い報告でしか、使用を禁止していたはず、、、
それこそ、戦争の予兆か、、、
「へ、陛下、そして姫様、本日もご機嫌麗しゅう、、、」
「よい、急ぎの報告であろう。早く話せ」
「はっ!報告です。サンギリ近くの山の森林にて盗賊が怪しげな何かと交戦中という通報を受け現場に向かったところ、馬のいない軍事用馬車のようなおそらく何らかの乗り物を中心に全員が倒れ伏していまして。我々が到着した途端、騎馬兵の馬よりも速い速度で去って行きました」
「確かに怪しげだが、それがどうしたのだ?」
「は!周りにいた盗賊に話を聞いたところ、剣も槍も弓矢でさえ弾き返したそうで、また、中に人影は確認したので、人工物なのは確かです。最悪、他国のスパイの可能性も、、、」
「お、お父様、もしかしたらそれは勇者様なのではないですか?」
「何?なぜそう思う?」
「もし、その兵が言ってることが本当なら、明らかにこの世界には過ぎた技術です。それに勇者召喚を行なって
すぐに、なんて、、、都合が良すぎる気がします。」
「確かにそう考えると、それが勇者である可能性は高いな、、、その、馬車のような物をすぐに探せ!」
「もう捜索隊を編成して捜索に当たっていますが、タイヤの跡が途中で途切れています」
「向かった方角は?」
「は!最初は街とは逆方向に向かっていたのですが、途中から明らかに街へと向かい始めました。」
「もしかしたら、其奴らは勇者かもしれん。すぐに身分証がない者は詳しく調べろ」
「は!それでは失礼します!」
「お父様」
「あぁ、勇者の手がかりがこんなにも早く見つかるとは・・・」
「はい・・・」
『聖女よ、答えよ』
「「!?」」
「め、女神様!?」
『久しぶりですね。今日は信託を下ろします。勇者ですが、現在サンギリにいます。そして明日王都に向かい出します。頑張って探してください。しかし、気をつけて。名前は、、、
な、何ですか!?何で信託を下ろしてることがバレ、、、!?や、やめて!ごめんなさい!もうこんなことしませんから、というか神としての威厳が、、、!アッ!ヤメッ!エイキさんやめて!ごめんなさい!お、お金ですね、わかりました出しますよ、、、、私、神なのに、、、梨紅さんめ、、、いつか、、、アッ!嘘です!ごめんなさい!助けて!』
「「・・・・・」」
「と、とりあえず、現在勇者はサンギリにいて、明日にはここ、王都を目指すらしい。そして名前はエイキ、、」
「いえ、おそらくそのエイキというのは勇者様の使い魔に近い存在でリクというのが勇者様の名前だと思います。」
「なぜそう思う?」
「神が直接謝っていたという事は神界にエイキさんがいたという事です。ならば生身の勇者ではなく思念体型の使い魔である可能性の方が大きいと思います。」
「なるほど、そして今までの情報からおそらく勇者様は勇者としての活動を望んでいないと思われる。」
「はい。」
「クリス」
「ここに」
「お主はすぐにサンギリに向かい勇者との接触をはかれ。転移魔法陣の使用も許可する。」
「は」
「頼んだぞ」
「お父様・・・」
「リア、大丈夫だ。勇者が来たという事は魔王軍もそこまで自由には行動できないはずだ」
「はい、、、」
「リア、、、」
=========================================
「何なんですか、もう。私は神なのに!今度からもっとバレないように信託を下ろしてやる!私をコケにした罪は重いぞ、朝樹梨紅!もっと仕事してもらうからな!勇者として!」