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SAP〜異能の世界の特殊警察〜  作者: 天衣
第1章
6/7

雪代細怜の実力

雪代細怜VS謎のおっさん


「春宮くん、あなたに実力があることはわかったつもりでいるけれど武器も持たずに飛び道具を相手にするのは大変でしょう。ここは私に任せてちょうだい。」


雪代は視線をおっさんから外さず、俺にそう伝えた。

飛び道具を相手に戦うこともできないこともないのだが、雪代の実力に興味があった俺は素直に任せることにした。


「ああ、たのむ」


その一部始終を見ていたおっさんは俺たちを煽る。


「おいおい、いいのか?俺は別に2人してかかってきても構わないぜ?」


「いいえ、私一人で結構よ」


そういうと雪代は消えた。

いや実際にそうではない。消えたように見えた。というのがただしい。

次の瞬間にはおっさんに刀のとどく範囲まで肉迫していた。

そして一呼吸の間もなく、刀を銃を持った手の手首へと振るう。おそらく、手を使用不可にすることによっておっさんを戦闘不能にしようとしたのだろう。だが結果そうはならなかった。


シャンっ!


金属が軽く擦れるような音がする。雪代が動き出して刀を振るうまで約0.7秒程度。一般人なら多少武道経験者でも反応出来ないであろう速さだ。その攻撃をおっさんは銃身で受け流したのだ。


「ほう、峰打ちとは優しいな。」


「くっ」


雪代は、一手で終わらせるはずの攻撃を止められ悔しそうだ。


「じゃあ、こっちから行かせてもらうぞ」


おっさんは2回発砲した。

雪代は刀を2回振るう。


雪代のかなり後ろには4つの破片が散らばっていた。

そう、雪代は銃弾を切ったのだ。


「ははは、面白いじゃないか。」


おっさんはまだ余裕があるようだ。

そこからの2人の攻防はとても凄まじいものだった。

雪代は銃弾を避けたり切ったりして刀の届く範囲へ近づこうとし、おっさんは的確に雪代の接近を妨げるように、後ろや横に動き銃弾を放つ。おっさんはスーツのポケットから次々と銃弾を入れ替える。


「おいおい、なかなかの体力だな嬢ちゃん。おじさんは銃のストックがなくなって、これだけになってしまったじゃないか。」


おっさんの銃に弾は8つ。

雪代は息を切らしている様子はないことから、今のままではおっさんに勝ち目はない。

雪代はおっさんの元に畳み掛けるおっさんは4発放った。両手両足各1つずつ狙っているようだ。

もちろんのこと刀で薙ぎ払うのは難しい。

雪代は剣を使わずに状態をそらし躱す。


「チェックメイトだ。」


おっさんはそういってさらに4発放つ。

先の4発で体制を崩された雪代に止めるのも躱すのも難しい局面だ。


おかしい。その刹那の間、雪代細怜は困惑していた。たしかに発砲音は4回なった。なのに自分の元へ向かってくる弾丸は3つ。


(あとひとつはどこに…)


雪代は、とらえることのできた3つ銃弾を刀ではらう。


「なっ…!」


最初にはらった弾丸のすぐ後ろに、もう1つの弾があったのだ。

まずいと思った俺が動こうとしたその時だった。


ゴロッという音がする。

おっさんも俺もそちらに目を向ける。


「へぇ、それが嬢ちゃんの能力か」


おっはんは感心したような声を出す。

そこには銃弾が人間の拳くらいの氷をまとい落ちていたのだ。


「えぇ、これが私の能力、氷を操る能力よ。使いたくなかったけど、あなた相手には使わざるをえないみたいね。」


雪代はまっすぐおっさんを見つめる。


「ははっ、能力を使わずに俺に勝とうとしてたとは舐められたもんだな」


おっさんは楽しそうに笑うと、袖から二本の警棒を取り出した。


結論から言うと能力を使った雪代は凄まじいものだった。氷で、空中に足場をつくりおっさんを全方位から攻めていた。おっさんも二本の警棒で雪代の刀をうけながし、反撃を狙っていたが、その初めてであろう攻め方に対応するので精一杯のようだ。

近づいたり離れたりする攻防の中、雪代はおっさんの足元を氷で固めた。


おっさんの顔から余裕が消えた。


雪代はゆっくり近づく


雪代の最初の攻撃をおっさんは警棒で受け流し急いで片方の警棒で片足の氷を割った。もう片方の氷をわろうとしたが、雪代の刀は喉元にあった。


「今すぐ戦闘をやめなさい。」


どうやらはなちゃんが戻ってきたようだ。

おっさんはため息を吐き雪代に告げる。


「俺の負けだ。」


おっさんは武器を捨て、両手をあげた。

雪代細怜の勝利であった。

登場人物の名前の読みです。

春宮大(はるみやひろ)

雪代細怜(ゆきしろさされ)

真中聖愛(まなかせあ)

道家華(どうけはな)

吉沢友樹(よしざわともき)

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