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SAP〜異能の世界の特殊警察〜  作者: 天衣
第1章
4/7

同居の開始と動き出す現実

ここから第1章のスタートとします。

……それで………


「なんでこんなことになってんだ…」


俺は嘆く


「はなさんからの指示なので仕方ないでしょう。」


少女は冷静に返す。


「お前、今の環境に何も感じないのかよ…」


「別に何も感じません。」


「いや、感じろよ。」


まずは状況を整理しよう。

俺は昨夜、はなちゃんの勧めで国が所有する、アパートに住むことになった。

部屋の構造はは玄関をあけると右に洗面所とユニットバス、玄関からもっとも大きな部屋に伸びる廊下にそって、キッチンや冷蔵庫がある。大きな部屋は大体8畳ほどでベランダもある。

大学生の一人暮らしにどうぞ!というつくりである。

とくになんの特徴もない部屋だが、一人暮らしに憧れていた俺は、柄にもなくはしゃいでいた。

ベットはなく、敷布団を使うことになっていた。

1人きりだと思った俺は、布団に向かって飛び込み、平泳ぎのような動きをしていた。

その時のことである。


「そろそろ失礼してもいいですか?」


「はおぅ!」


しまった変な声でた。

そこにいたのはガウンを着た雪代さんだった。


「なんでここに?」


「華さんの指示です。今日からここでともに暮らすようにと言われました。」


「え………?」


俺の名前は春宮大。童貞16歳。美少女と急遽同居することになりました♡

じゃなくて、え?ええええ?

予想だにしない現実に俺の思考はぐるぐる回転した。

しまった…布団での一部始終見られたのか…寝る時は浴衣じゃないのか…

いやいやいやいやそれどころじゃない。


「荷物は明日整理しますので、そこのスペースに布団を敷いてもいいですか?」


いろいろ思考をめぐらせる俺に雪代さんが声をかけた。


「どうぞ」


この時の俺は、それ以外の言葉がでてこなかった。

結局、なかなか寝つけなかったがやっと眠ることができ、3時間の睡眠で今にいたる。

現在、俺と雪代さんは朝食をとっている。

母の手作りのいちごジャムを塗ったトーストと目玉焼きというありふれた朝食である。

彼女は甘いいちごジャムトーストを美味しそうに頬張っている。表情こそ変化がわからないが、若干頬が赤くそまり、とてもご機嫌なのがなんとなくわかる。気に入ってくれて何よりだ。

朝食を食べ終わると彼女は言った。


「華さんの話でも、私があなたをみた感じでも、あなたは私を襲うような度胸があると思えません

。もっとも、あなたが血迷って私を襲ったとしても返り討ちにします。」


「ど、度胸はある。人としての善悪の区別ができるだけだ。」


なんだか、悔しくなった俺はそう言い返した。


狭い部屋で気まづくなった俺は、家からもってきておいた、テレビゲームをすることにした。

雪代さんはその間1歩も動かず読書をしていた。

ちょくちょく視線を感じ、フェイントをかけて振り返ったりしたがずっと本を見ているので不審に思っていると、場面が変わりテレビの画面が暗転し後ろの様子が反射されてみえた時、彼女は興味深そうにこちらを見ていた。


「あのー、やる?」


「っ、いいえ結構です。」


表情は相変わらず変わらないが、ちょっと恥ずかしそうだ。

ゲームも飽きてきて、そろそろ終わりにするかとセーブをし始めたその時のことだ。


ピンポーン


この部屋で生活して初めての来訪者が現れたようだ。

俺は玄関まで行く。


「私だ。」


はなちゃんだった。


「聞きたいことがいっぱいあるんですけど」


「どうだ、同棲生活は?」


「同棲いうな!」


雪代さんが遅れてやってきた。


「おはようございます華さん。」


「うむ、おはよう。」


「春宮、私が来た理由は2つある。1つ目はお前も知りたがっている雪代をお前と一緒に住まわせる理由についてだ。他にもいろいろあるが、今はお前の監視兼護衛とでも言っておこう。」


「それなら部屋の前に監視カメラでもつければいいじゃん。」


「お前は、玄関以外からでも出ることができるだろう?」


「うっ…」


「しかもカメラだとすぐに追えない。この事件は危険だ。お前を危ない目に合わせないためだと我慢しろ」


「はい…」


「そして、2つ目、真中のだいたいの居場所がわかったということだ。とある植物工場だ。真中の安全はこちらから送った創作員が確認している。」


「今すぐそこに俺を連れてってください!」


聖愛を1秒でもはやく助けたい俺は、はなちゃんに言った。


「ダメだ。一般人はこの事件に手を出せない」


「じゃあ、どうすれば…」


「安心しろ、方法はある。春宮、SAP、特殊能力警察にはいれ。正確には訓練生としてだが」


「SAP?」俺は聞きなれない単語繰り返す。


「ああ、能力に関わる事件を取り締まる警察部隊だ。そこの雪代も訓練生だ。現在お前を加えれば6人の訓練生がいる。」


そしてはなちゃんは続ける。


「幼なじみを自分の手で救いたくないか?」


「連中は真中の能力が目当てだ。つまり、彼女が捨てられることはまずない。だが、早く救出したい。明日、SAP訓練生への加入の資料をまとめる。午前10時にこの部屋に待機してろ。」


そういってはなちゃんは去っていった。

同居中のさされちゃんとのあれこれは、後ほどゆっくり書いていきます。

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