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SAP〜異能の世界の特殊警察〜  作者: 天衣
プロローグ
3/7

プロローグ③

プロローグの段階で2人目のヒロイン登場です。

壇上には聖愛も御神もいなかった。


この短時間で何が起きたのか。

想像もしなかった出来事が俺の思考を止める。

呆然と立ち尽くす俺は後からの声で覚醒する。


「何があった春宮!」


はなちゃんだ。

遅れて俺の後を追った吉沢、先生達がやってくる。


「真中と御神はどうした?」


はなちゃんは怪訝そうに言った。


「俺が来た時には、2人ともいませんでした。」


「バカな、この数秒で何が起きたと言うんだ。」


はなちゃんの言葉に他の先生達も同意するような視線を向ける。


「誰かに連れ去られたのかもしれないな。」


今起きた原因不明の事態にはなちゃんはそう結論づける。

吉沢は何かに気づいたのかハッとなった様子でいう。


「あの御神が声も出さず連れ去られるとしたら。A級の能力者が関わってるかもしれねぇってことだぞ。」


はなちゃんは、「やっかいだな」ともらし、他の先生達に、壇上の周辺の控え室、放送室、体育倉庫の捜索を男性の先生にお願いし、女性の先生には体育館に残された生徒を1度教室に戻すように指示を出した。


「春宮、お前には個人的な話もあるし、大事な幼馴染も心配だろう。私と一緒に残れ。吉沢、不安に思ってる生徒を元気づけてくれ。これはお前が適役だ。」


「わかったよ。はなちゃん」


ただ教室に戻れと言えば吉沢は、自分も残ると引かなかっただろう。はなちゃんの教師としての器量の良さがうかがえる指示だ。


「あの、道家先生。」


体育館控え室を調べていた、先生がはなちゃんを呼ぶ。


「木下先生。何かありましたか?」


「いえ。何もなかったのですが。普段内側からしか施錠できないはずの裏口の鍵が開いていました。」


「裏口か、消えたとしたらそこからだな。」


はなちゃんは、先生達にこの場を離れることを告げると、俺を呼んだ。


「春宮、裏口の鍵があいていたそうだ。私達はそっちに向かうぞ。」


「わかりました。」


俺とはなちゃんは体育館の裏へ行くと。そこに1人の和風な装いをした少女がいた。

少女はこちらには背を向け、紙のようなものを見ていた。

漆黒と呼ぶのがふさわしい吸い込まれそうな黒髪を後ろでひとつに縛った髪型だ。


「雪代か。何をしている。」


はなちゃんはその少女を知っているようで、声をかける。

すると、雪代と呼ばれたその少女がふりむいた。

まるで人形のうよな整った顔立ち、普段聖愛と顔をあわせることが多い俺ですら、しばらく見蕩れていた。

おそらく1度見たら、生涯忘れないであろうその美貌だ。

それなのに見覚えがないと言うことは、この学校の関係者ではないのであろう。


「華さん。これを」


彼女はそう言うとはなちゃんに手紙のようなものを渡した。

はなちゃんは、手紙を受け取るとすぐに中身を読み、すぐに俺に渡した。

手紙の内容はこうだった。


『ヒロくんへ、ヒロくんは寂しがり屋さんだから、私がいなくなると、私を探し続けると思います。すぐに戻るので、待っててください。』


「手紙はこれだけか?」


はなちゃんは少女に問う。


「これ以外にはありませんでした。」


少女は答えた。

その場にいる3人とも気づいたようだ。

御神は何も残さなかったのかと。


「御神に何かあった。もしくは御神が何かした側の人間の可能性がある。」


はなちゃんはそう結論づけた。

そして、俺達2人を向くと、「付いてこい」と言い自分の車へと向かった。


はなちゃんの車に到着すると、俺は助手席、雪代さんは後に座った。


「誰かに聞かれたらまずいから、ここで言う。この学校に能力を持っている生徒は3人いる。それぞれA級、B級、C級1人ずつだ。」


はなちゃんは、そう告げる。

一介の先生が能力を公開している御神ならともかく、隠している生徒を知ることはないだろう。

はなちゃんがただの教師でないことがわかる。


「そして、今回の事件の当事者2人とも能力者だ。御神はお前も知っているだろう。お前にも真中は隠しているようだがC級の能力者だ」


俺は驚いたが、可能性は0ではないので、納得し先生に問う。


「先生、聖愛の能力はわかりますか。」


「真中の能力は、最大2平方メートルに好きな花の花畑を作ることができる能力だ。」


実に彼女らしい能力だ。

この能力が目当てで、彼女をさらうとしたら高級な花を咲かせ売りさばくか、麻薬の原料の栽培だろう。

御神単独の犯行となると、単純な聖愛目当てという可能性もある。

ずっと黙って話を聞いていた少女が口を開いた。


「華さん。この学校にいるもう1人の能力者というA級の能力者とは?」


現在日本の高校生でA級の能力者は6人しかいないと言われている。

その1人がこの学校にいるというので気になったのだろう。


「察しているだろうが、そこにいる春宮だ。」


少女は一瞬こっちを見て、礼を言った。

はなちゃんは誰にも告げることのなかった俺の能力を、今日初めて顔を合わせた少女に告げた。


「春宮、勝手に言ってしまって悪いな。だが、そいつ雪代細怜(ゆきしろさされ)もA級の能力者だ。」


「聖愛を助けられるというなら構いませんよ」


はなちゃんが信用できない相手にこんなことは言わないだろうという信頼があるので、俺は特に気にしない。

さされさんも、特に気にしてない様子だ。


「今回の事件は、最悪B級の身体強化能力を持つ御神を一瞬で連れ去るほどの手練がいる可能性がある。春宮、お前は止めても真中を見つけようとするだろう。警察への捜索依頼も出すが、行動する時は雪代と行動しろ。雪代、頼んだぞ」


「「はい。」」


こうして、俺と雪代は事件解決まで行動することになった。

主人公をつええキャラにしたいので、これからどう展開するか、迷いどころたくさんです。

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