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背後の調査

 ギルドからの護送部隊が来るまでの2日間はモンスターの遺体を弔い、可能な限り頭目から情報を引き出すために使った。

 そして新たに一つ手を打った。

 それはある意味で隠ぺいとも詐称とも取れる内容だ。


「俺ぁこのスクロールに署名し、指定された情報を漏らさない事を誓う」

「――誓う」

「――誓う」

「――誓う」


 彼らはモンスターを使役などしていない。

 商品としてモンスターを捕獲していたに過ぎない…という事にした。

 これも正義とは程通いどころか善ですらない。

 だが、下手にこの情報が漏れれば争いの火種になりかねない。

 私1人が泥を被ることで回避できるなら安い物だ。

 …綺麗ごと抜きに言うならば火種が燃え上がり、戦争にでもなれば管理者としての救い業務がどれだけ発生するか想像に難くない。

 いくら無敵の管理者とはいえ、リアル24時間戦えますか?精神的にはしたくない。

 あ…24時間戦えますか?ってフレーズ古い?




「いやー、ギルマスに今回の件話したらそっこーで輸送手配して貰えたっすよ!」


「流石ギモンさんだな、仕事が早くて助かる」


「やっぱモンスター使役って話が効いたみたいっすね。顔色が赤やら青やら見ていて面白かったっすよ」


「ん?……どこまで話した?」


「え? ん~とですねぇ、ゴブリン退治失敗と、野盗発見とモンスター使役っすね」


「!?」


 あぁぁぁぁぁ!!!!??

 味方の口封じ忘れてたよ!!

 言わなくても把握してくれてると思い込んでいた私の思い込みだ…orz


「あれ、どうしたんすか? そんな地面に倒れ込んで…体調でも悪いです?」


「……何でもない。それでそのモンスター使役している輩うんぬんの話は他に知ってるやつは?」


「ギルマスが最初で……あ、『絶対に内密にしろ!喋るな!関係者全員に同じことを今すぐ伝えて回れ!!』って言われたんで他には居ないと思うっス」


「はぁ~~~…よかった…」


 さすがギルマス、情報の重さ、重要性を理解していらっしゃる!

 後でお土産でも持って行ってあげよう。


「私からも1つ伝えて置く。これは口外しても構わないが絶対に、絶対に! 口裏は合わせてくれ」


「りょ、了解っす!」


 今度は抜かりが無いようにギルマスに話した事を聞き取った上でこちらで行った事を話した。

 スクロールを使って嘘では無いにしろ100%の真実でも無い内容を話させるように仕込んだ事を事細かに解説して、更にはこれが漏れたら後々やばい事になるという半分、脅しのような言葉も織り交ぜた。

 あ、ギモンさんに仕込みを入れた事伝えないとな…。


「…分かった?」


「了解っす。バッチリっす!」


「よろしい。では私はこれから別の調査に赴くのでこれをギモンさんに渡して欲しい。加えて私が話した内容をギモンさんにも伝えてくれ」


 加護のお陰で読む事、会話することに支障は無いが書く事は未だに出来ない。

 故に野盗に使用したスクロールをギモンさんに見せる事、合わせてマルダからの話で補填する…これならば何とか出来るだろう。

 あとお土産と賄賂、ゴホンゴホン…協力のお礼という事で上白糖を一袋添えておく。






― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 






 ところ変わってここはエネキア王国ナンバー2、実質な権力と財力ではナンバー1ともいえるコーウェル公爵の邸宅。

 既に何度も通っている拠点と言っても差し支えない。


「あのブタールの取引の履歴を探りたい…と?」


「コーウェルさんならばお顔も広いですしそういうツテがあるのではと伺った次第です」


「ふぅむ……」


 適材適所という名のなんでもコーウェルさんへ丸投げ作戦である。

 私の提案であれこれ動いて儲けている節もあるので私も遠慮なく使う…これぞギブアンドテイク。


「…奴隷商は今でこそ下火になりつつありますが、嘆かわしい事に以前は商業の一角を担っていた商品。それを扱う商人は必ず商業ギルドに登録して商いをしなければ捕まってしまいます」


 ほうほう?

 私の活動も相まって奴隷は段々と規制が厳しくなり下火になっていると…個人的には喜ばしいがそれで生活をしていた者達が困窮しているのもまた事実。

 何かしらの救済案を考えてもらわねば…主にコーウェルさんにね。


「あの奴隷の規制をしたとはいえ馬車のお陰で商業ギルドにもかなり恩を売れていると思いますから…」


「ということは?」


「恐らくは過去に何をどこに収めたかという情報は入手出来るかと。しかし……」


「しかし?」


「問題は相手です。仮に…この国の貴族であれば確実に追跡できるかと。他国でも同じ位であればそれなりにはやるとお約束致しましょう。ですが王族となれば"何を納めたか"が限界と思われます。一番最悪なのは…」


 コーウェルさんが身を乗り出して口に手を添えている。

 ということは内緒話ということか。


「……大きな声では危険ですのでご容赦を。たとえ公爵家の執務室とはいえコレに例外は無いので…」


 ゴクリと唾を飲みコーウェルさんの言を待つ。

 いくら盗聴が怖いとはいえ現代日本に程遠い科学力で………あ、こっち魔法あるじゃん。

 攻撃とか補助とか実用的な物しか見てなかったけど盗聴用の魔法とかあるのだろうか。


「…相手が教会であれば相当に無理な事と危険が伴います。商業ギルドの記録を探ってお探しの物が教会とあればそこで終了です」


「それほどに危険だと?」


「奴らは神を信じる自分たちを信じない者…つまり不心得者に容赦しません。疑いを持つ事すら敵対行為になり得ます……」


 そこまで小声で話すとソファにギュッと体重を預け一息つく。

 教会という組織とは今まであまり関わって来なかったがそれほどまでに権力を握っているに相違ないだろう。

 どこでも宗教と権力は切れない関係にある訳か。


「では、可能な範囲で構いませんのでお願いしたいのですが…」


「承知致しました。数日中には回答致しますのでお待ち頂ければ…それとですね…」


「何でしょう?」


 言い淀むという事は言いにくいという示唆、こういう場合は大概良く無い話なんだよなぁ…

 少しばかり心構えをして聞こう。


「その…冒険者としてのアダム様は特色になったと伺いました。まずはおめでとうございます」


「ありがとうございます」


 これが言い淀む事?

 まずは…ってのが少し引っ掛かるが…


「やはり公爵家ともなれば耳が早いですね。いや、特色は滅多に出ないそうですから噂が広まるのも早いのかな?」


「両方、と言って置きます…それが少々問題になりそうでしてね……」


 手を組み、指をいじいじと動かし言葉を決めかねるように口が半開きになったり閉まったり。

 見ている分には楽しいがコーウェルさんがここまで伸ばすとは相当な爆弾か?


「アダム様には妻と娘の件から始まり…色々とお世話になりっぱなしで…」


「いえいえ、こちらこそ何かあればコーウェルさんを頼りっぱなしで…」


「…大恩ある方にこんなことを言うのは大変心苦しく、無礼な話でもあり…見限られても仕方のない事なんですが……ッ…」


 意を決したように息を吸い、顔を向けてくる。


「アダム様、もう少しご自重ください!!」





 どうやらお説教のようです…。


大分遅ればせながら…


これも全部アンセムとかFGOとかお空ってのが悪いんだ!


ΩΩΩ<な、なんだってー!

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